隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 昭和の犬
評価:
姫野 カオルコ
幻冬舎
¥ 1,728
(2013-09-12)

JUGEMテーマ:小説全般

昭和の犬 / 姫野カオルコ(幻冬舎)
 
評価 ☆☆☆



柏木イク、昭和33年生まれ。いつも傍らに、犬。
犬から透けて見える飼い主の事情。



直木賞受賞作です。
姫野カオルコさん、久しぶりに読んだけど、これで直木賞取ったのか〜。
ちょい以意外です(^_^;)

昭和30年代に滋賀県に生まれた主人公・イク。
大きく変貌する時代を描きながら、
あたたかい家庭に恵まれず、決して幸せとはいえない人生を送るイクを綴ります。
犬はただ彼女の人生を通り抜けていくだけ・・・・。
犬と飼い主のハートフルストーリーみたいな作品ではありません。

大きな事件もなく、淡々と過ぎていくイクの人生。
なんだかね、読んでてずーっと悲しかった。
イクの孤独がヒシヒシと伝わる。
でも、おそらくイクは自分を孤独だとも不幸せだとも思っていない。それが悲しい。
家庭環境に恵まれなかったから犬だけを溺愛したというわけでもなくて、
イクは犬に対してもクール。
何かに熱く情熱を傾けることもないこの人の生き方は、
この家庭環境が作り上げたもの。
ただ与えられた環境で淡々と生きている姿・・・
これを決して不幸だとは描いていなかった。それがよかったです。






 
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# ハルカ・エイティ

評価:
姫野 カオルコ
文藝春秋
¥ 940
(2008-10-10)
コメント:著者の伯母様がモデルだそうです
JUGEMテーマ:小説全般
●ハルカ・エイティ/姫野カオルコ
●文春文庫 
●940円 
●評価 ☆☆☆☆
大正に生まれ、見合い結婚で嫁ぎ、
戦火をくぐり抜けて、戦後の自由な波に乗り・・・。
時代の荒波にもまれつつも、平凡な少女は決して後ろ向きになることはなかった。
その天真爛漫な魅力を開花させ、人々はみなハルカに引き込まれていく。
姫野式「女の一生」、激動の時代を明るく生きた、ハルカ、80歳の物語。



(感想)
大正に生まれ、激動の時代を明るく生きた、ある女性の物語。
主人公・ハルカのモデルは著者の実の伯母さまだそうです。
つまり、第一章に出てくるハルカの姪の作家・秋子さんは著者自身ということ。

この時代に女性が自分らしく生きることは困難でしょう。
今を生きる私達と、この時代を生きたハルカ達の生き方は違うけれど、
女性たちが抱くときめきや憧れは今も昔も根本的には変わらない。
問題は時代がそれを許してくれるかどうか。
けど、そんな時代のなかでもハルカはもちろん、学生時代の友人たちも
何とか自分で人生を切り開いたのだから素晴らしい女性たちだと言いたい。

うーん。でも、納得できない部分も多い。
ハルカは確かにポジティブで天真爛漫な女性だけど、
この女性が80代になった時に、ああいうおばあちゃんになるというのが疑問。
なんだか描かれていない部分に素敵なおばあちゃんになれる素が隠されていたような・・・。
素敵に年を取るために、ハルカさんにヒントをもらいたかった私にしてみれば少々ガッカリ

夫の人物像をもっと深く描いてほしく、そのへんは物足りなかったけど、
最後の最後で夫婦の幸せな様子が強く感じられたのでオッケー。
物語はこんな一文で締めくくられる。
「ああ、夏の終わりの夕暮れは、なんや、ロマンチックやなぁ。」
ここにハルカの幸せがすべてつまってますよね
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:56 | category:    姫野カオルコ |
# 桃  もうひとつのツ、イ、ラ、ク
桃―もうひとつのツ、イ、ラ、ク (角川文庫 ひ 8-14)
桃―もうひとつのツ、イ、ラ、ク (角川文庫 ひ 8-14)
姫野 カオルコ
桃  もうひとつのツ、イ、ラ、ク/姫野カオルコ
角川文庫
540円
評価 ☆☆☆
近畿地方の田舎町。
同級生のJへの激しい嫉妬に駆られながらも
初恋にときめいたあの中学時代学校を回想する景子。
『ツ、イ、ラ、ク』のあの出来事を6人の男女はどう見つめ、
どんな時間壁掛時計を歩いてきたのだろうか足
表題作を含む6編を収録する、もう一つの『ツ、イ、ラ、ク』の物語。




(感想)
「ツ、イ、ラ、ク」の主人公やその周辺の人たちの“その後”が収められた
スピンオフ的な作品です。

「ツ、イ、ラ、ク」は大好きな作品読書
なのにこんな関連本が出てるなんて知らなかったーびっくり
本当はもう一度「ツ、イ、ラ、ク」をしっかり読んで、
その上で読みたかったんだけど
どーしてもその後の彼女たちのことが早く知りたい衝動で
ついつい準備不足のまま読んでしまいましたたらーっ

愛情・嫉妬・羨望・・・。
これらの感情は中学くらいの年頃ではじめて経験するものだから、
彼女たちはその感情をうまくコントロールすることができない。
中学生・・・多感な時期に経験した感情だからこそ、
その思いは彼女たちが大人になっても永遠に彼女らの深淵に深く深く根付く。
14歳の性愛は大人たちのそれよりも激しく生々しい。
時間が経ったからこそ気づくこともある。
あの頃の隼子の真剣な思いが今更になって強く伝わってきて、
「ツ、イ、ラ、ク」を読んだ時の思いが再び甦ってきました。



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
「ツ、イ、ラ、ク」/姫野カオルコ

てか、これを読まないと「桃」は楽しめないですよ猫2
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:07 | category:    姫野カオルコ |
# ツ・イ・ラ・ク
ツ、イ、ラ、ク
ツ、イ、ラ、ク
姫野 カオルコ
ツ、イ、ラ、ク/姫野カオルコ
角川書店
1890円
評価 ☆☆☆☆☆
忘れられなかった。どんなに忘れようとしても、ずっと。
すべての人の記憶に眠る、官能の目覚め。
狂おしいまでの恋の痛み、恋の歓び。
森本隼子、14歳。地方の小さな町で、彼に出逢った。
ただ、出逢っただけだった。
雨の日小雨の、小さな事件が起きるまでは・・・。

(感想)
田舎の小学校に通う森本隼子と、同級生たちの成長物語です。
前半は子供を主人公にした児童文学のように思えるのですが、
彼らが成長していくにつれ青春小説になり、
さらには恋愛小説へと次々とその形を変えていく一風変わった小説。

でも私はその中でも「恋愛」の面に重点をおいて読みました。
まだ中学生のうちに一生モノの恋をしてしまう隼子・・・
隼子の青春時代に暗い影を落としてしまう恋だったけれど、
それも吹っ飛ぶようなラストが待っています。

最後の一文、
そして340ページに「恋とは・・・」ではじまる素敵な文章があります。
この二ヶ所がこのお話は正真正銘の「恋愛小説だ」と言い切れる確固たる理由です。

読んだ当時は☆は4つをつけるにとどまったのですが、
あれから何年も経つのにこの小説の魅力は忘れずに瑞々しく感じます。
ので、今回あえて☆は5つに訂正しました。
大好きな恋愛小説ですニコニコ

●この本を好きな人におすすめなのは・・・
永遠の出口/森絵都
きみの友だち/重松清
| comments(2) | trackbacks(0) | 11:06 | category:    姫野カオルコ |
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