# 明るい夜に出かけて
2016.12.06 Tuesday
JUGEMテーマ:小説全般
明るい夜に出かけて / 佐藤多佳子(新潮社)
評価 ☆☆☆
今は学生でいたくなかった。きっかけになったトラブルはある。
でも、うまく説明できないし、自分でも整理がついていない。
実家を出て、バイトしながら、まったく違う世界で自分を見つめ直すつもりだった。
「歴史を変えた」と言われる伝説のあのラジオ番組が小説内でオンエア!
「青春小説」に名作がまた誕生した。
(感想)
実際に今年の3月末まで放送されていたラジオ番組「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」を軸に
今時のネットツールを利用しながら成長していく若者の姿を描きます。
ちょっと読む人を選びすぎる題材ではありますが、
特に「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」のリスナーだった人にとってはたまらない1冊なのではないでしょうか。
作中に出てくる番組の中で私が聞いていたのは今はなき「星野源のRADIPEDIA」のみですが、
番組名が出てきただけでも相当嬉しかったし、
佐藤多佳子さん、おそらく相当ヘビーな深夜番組リスナーだと思われます。
詳しすぎるww そして深夜ラジオに対する愛にが溢れすぎているww
この世界観に入り込むまでは大変でしたが、
後半になるにつれ、深夜のこんなところにも青春や絆があって、
ラジオに賭ける職人のたぎるエナジーがビンビン伝わってきます。
自分が一番好きなこと・輝けることをしていれば、
おのずといい出会いも巡ってくるし、何より自分の心の健康にいい。
輝ける場所を見つけて、素直に大事にしたい・・・シンプルにそう思えます。