隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# パーフェクト・リタイヤ
評価:
藤堂 志津子
文藝春秋
¥ 1,500
(2009-04)
コメント:女、50〜60歳からの人生をどう生きるか

JUGEMテーマ:小説全般
● パーフェクト・リタイヤ / 藤堂志津子
● 文藝春秋
● 1500円
● 評価 ☆☆☆
定年退職間近の布沙子は
かつての上司との愛人関係に区切りをつけ、なぜか自分を嫌っている苦手な後輩とも話し合い、
着実に定年の準備を進めつつあった。
そして、もう一つ、布沙子のこれからの人生を彩るであろう「完璧な退職」のために計画してきたことが…。
オーバー40の女性たちの心情を鮮やかに描いた短篇集。
 

(感想)

5つの短編からなる作品集。
どのお話にも共通するのは、主人公が「40代後半〜60歳間近の女性」であること。
テーマは「リタイヤ」。
この年代の女性ならではの不安や孤独、理想を描いています。

それぞれの価値観の違いで、「パーフェクトな老後」が違ってくるのは理解してるものの、
どのお話の主人公を見ても共感も憧れもできず、
「ほんとうにこれがあなたにとってのパーフェクトなの?」と思わずにはいられなかった。
誰の選択も正解だとは思えないし、納得できないもどかしさも残るけど、
いろんな人がいてこその世間だからな。
個人性の面白みは感じました。

定年を迎えたといっても今の60代はまだまだ若い。
定年後の人生に趣味でも見つけてのんびりと暮らすのもいい老後ではあるけれど、
まだ何かをはじめるのに遅いという年齢でもない。
守りじゃなく、攻めの姿勢で新しい生き方を模索する中年の方って輝いている


私の老後・・・まじめに考えてみたことはまだ一度もない。
私たち夫婦の場合、子供もいないわけだし、
まわりに左右されず、とにかく自分の手で切り開いていくしかないわけで・・・、
ただ流されるだけじゃない、後悔しない生き方・・・。
「まだ先のこと」なんて思わずに、少しは真剣に考えてみようかな。

はー、ここ本に出てくる女性たちは
私よりもずーっと「現役の女」なような気がする
30代の私方の方が女であることを忘れてるわ・・・。
これじゃいかんなー。現代の女性の若さを実感する作品でした。

それにしても・・・・この装丁はダサすぎませんか
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:48 | category:    藤堂志津子 |
# かげろう
かげろう
かげろう
藤堂 志津子
かげろう/藤堂志津子
文藝春秋
1500円
評価 ☆☆☆
愛するひとを失った後、不思議な縁から養子縁組した雪江。
孤独な女が人生を賭けた激しい決断とは!? 
表題作の「かげろう」他、40代の女性の孤独に向き合い、
心の奥に潜む欲望を隈なく描き出す全3作。



(感想)
中編を3作収録していますが、
どれも一人で生きる40代女性女の孤独を描いています。

彼女たちは孤独を埋め合わせるために養子縁組をしたり、
自分の店で住み込みで働く従業員を家族のように気にかけたり、
好きでもない男性と交際したりしています。
本当の意味での家族はいないけれど、それに似たような対象は欲しいのです。

中でも私がいちばん悲しいと思ったのは
三作目の「みちゆき」の主人公・可也子とその友人の悠木。
可也子は交際相手の里村を見下すことで自分を保っている。
悠木は自分をドラマティックで悲劇的な状況に追い込むことを無意識に好む。

これが他の世代を描いたものならこんなにも痛くはなかったはず。
40代ってちょうど人生の後半に入った頃で、
まだまだ何かをやれそうで、でももう諦めも感じちゃうような微妙な時期だと思うんですよ。
そんな諦めるにはまだ早い世代だからこそ、
これからの人生ずっと一緒にいてくれるパートナーも子供もいないって切実だと思う。
やっぱり本当に孤独を埋めてくれるのって、
仕事でも趣味でもなく「人間」でしかない。

自分が40代になった時、
どうありたいかをしみじみ考えさせらました。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:08 | category:    藤堂志津子 |
# 桜ハウス
桜ハウス
桜ハウス
藤堂 志津子
桜ハウス/藤堂志津子
集英社
1565円
評価 ☆☆☆☆
叔母の遺産として古い一軒家を譲り受けた蝶子はそこを間貸しすることに。
店子として集まったのは綾音、遠望子、真咲。
46歳、41歳、36歳、31歳・・・4人の女性の生活がはじまる。
それから10年・・・
かつて同じ家家で暮らした4人の女性が7年ぶりに顔を会わせる。
会わずにいた歳月は皆を変えて・・・。
女の人生いろいろ。愛と本音をかろやかに描く連作集。



(感想)
十年という歳月を経て、再び親しく行き来するようになった4人。

一緒に暮らしていたという深いつながりがあるからか、
お互いの欠点も何もかも知っている。
十年という時間は彼女達をそれぞれ成長させてもいるけど、
あるいはまったく成長をみせないものもいるたらーっ

なんだか女子校女的なノリがあるんだけど、
最後の章に出てくる初老の男性が作品の雰囲気を大きく変えます。
料理もアイロンも家事はなんでもこなし聞き上手。
一緒にいて疲れない大人の男。

それぞれ男の好みはまったく違い、
その点では争わずにすんできた4人だけど、
深刻にはならずとも
「この人にプロポーズされたら考えてもいいかなぁハート大小」とみんなが思っている。
まったくタイプの違う4人。
でも行き着くところは、やっぱりみんなこういう男性って所に面白さを感じました。
私も女だからわかるな〜ポッ

女同士ってそれぞれの欠点を見つけることで己を反省したり、
競い合ったりすることによって「いい女」になっていくものなのかなぁ。

年齢を超えた友情関係もうらやましく、
「女同士」がとても気持ちのいい作品でしたラッキー



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
からくりからくさ/梨木香歩
| comments(0) | trackbacks(0) | 08:15 | category:    藤堂志津子 |
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