# 吐きたいほど愛してる
2006.12.05 Tuesday
吐きたいほど愛してる。
新堂 冬樹
●吐きたいほど愛してる/新堂冬樹
●新潮社
●1470円
●評価 ☆☆
迷惑な妄想逆ギレ男が、
夫の帰りを正座して待つ壊れた妻が、
生き地獄を味わう美少女が、
虐待される寝たきり老人が、自己の中心で愛を叫ぶ
隠された狂気を炙り出し、想像力の限界に挑んだ、
強烈すぎる「過激な愛」の小説集。
(感想)
純愛だけが愛ではない。
狂気を含んだ決して美しくない愛も存在する。
それをイヤというほど見せられる作品。
あまりのグロさに何度読むのをやめてしまおうと思っただろう・・・
この本を読むという運命を選んでしまった自分を激しく憎悪する
4編中、安心して読めるのは「まゆかの恋慕」だけ。
これは乙一作品に似た切なさがあります。
が、他は・・・。
やー、“吐きたいほど”とはうまく言ったもんだと関心してしまいます。
まさか一般の文芸書を読んで“ウジ虫チャーハン”なんてものにお目にかかるとは
思ってもいませんでした。