# イン・ザ・ヘブン
2016.10.12 Wednesday
JUGEMテーマ:小説全般
イン・ザ・ヘブン / 新井素子(新潮社)
評価 ☆☆☆
「ねえ、史子ちゃん、天国って、あると思う?」
八十過ぎ、余命数週間の今日子さんは、あたしより三十も年上のお友達。
天国では「病気をしていても元気になって、なりたい年齢に若返る」というあたしに対し、
「でも、小さい頃死んじゃった子供は大きくなりたいんじゃないかしら」と妙に理屈っぽい。
話すたびに、天国はどんどん複雑な状況になっていって…。
短編10編とエッセイを収録。
(感想)
新井素子さん、久々に読んだけど、やっぱりこの自然体な文体、好きだなぁ。
軽いタッチで綴りながらも作品の大きなテーマは「生と死」「滅び」「失い」・・・・と、
決して軽く語れるものではなく、
この不思議な壮大さがこの方の魅力なのではないかと思います。
中でも「ここを出たら」の展開には驚かされました。こう来るっ!?
後半ではまったく違うお話になっちゃって、まるでプログレみたいと思ったりw
この短編集の中ではこれがいちばん好きでした。