隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# i アイ
評価:
西 加奈子
ポプラ社
¥ 1,314
(2016-11-30)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 i アイ / 西加奈子(ポプラ社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

「この世界にアイは存在しません。」と入学式の翌日、数学教師は言った。
ひとりだけ、え、と声を出したのはワイルド曽田アイ。
その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。
ある「奇跡」が起こるまでは――。


 

 

(感想)

 

西加奈子さんが内面に抱える孤独感やアイデンティティが

この作品を書かせたんだと思います。

この人が書くからこそ説得力のあるテーマなのではないでしょうか。

 

不自由なく、幸福に暮らせることに罪悪感を持つ必要はありません。

何が大事かというと、

たとえ何も行動を起こせなかったとしても、「知ること」「感じたこと」。

この感情はその人を形作るうえでとても意味のあることだと思います。

個人の力だけでは、世界を変えることはできないけど、

こういう意識を持つ人がじわじわと増えていくことによって、

世界はいい方向へ動くのではないかと信じたいです。

 

あと、本編とは関係のないことですが、

又吉や中村文則に帯を書いてもらったのは失敗だと思います。

このへんのメンバーの仲良しアピール、もういいかげん食傷気味なんですけど・・・。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:02 | category:    西加奈子 |
# サラバ!(上)(下)
評価:
西 加奈子
小学館
¥ 1,728
(2014-10-29)

JUGEMテーマ:小説全般

 サラバ!(上)(下) / 西加奈子(小学館)

 評価 上 ☆☆☆☆  下 ☆☆☆☆


1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。
父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。
イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、
今度はエジプトへ向かう。
後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに――。



(感想)

西加奈子さんの直木賞受賞作。
西さんがこんなに長い長編を書いたのも、
おそらく今回がはじめてではないでしょうか。
いろんな意味で西さんのターニングポイントになったであろう作品です。

主人公は圷歩(あくつ あゆむ)という男の子。
父の仕事の関係で海外生活が長く、
変わり者の姉がいたことで風変わりな少年時代を送るが、
あまりに特殊な環境で育ったせいか何事に対しても“受け身”で考えてしまうところがあります。
そんな歩が成長し、何かを為すことの重さや絶望を経験し、
自分の足で歩き、自己を築いていこうとする再生の物語です。
おそらく、子供のころを海外で過ごした西さん自身の体験や感情も投影されているのでしょうね。

それにしても・・・・受け身体勢でありながらもそこそこ人生をうまく渡ってきた主人公の道がキラキラした道ではなく、
ななめにそれていくきっかけになる出来事がまさかあんなこととは・・・。
その物悲しさ・おかしみたるやww
だけど、よーく考えてみると
これこそが「人生」というものなんじゃなかな〜としみじみ感じちゃったんですよね。
決してきれいなものでもないし、他人から見ればばかばかしいかもしれない。
でも、その人にとっては唯一のもの。こんなもので世の中ってできているんですね。

このくらいの長編だと、歴史物やミステリー物が多いような気がしますが、
これは一人の少年が大人になるまでをただスローテンポで綴っています。
だから余計に長く感じた人もいるのかもしれませんが、これは歩の人生の、
取るに足らないようなエピソードも散りばめてるからこそのこの分量です。
人生なんて大半がどーでもいいような出来事でできてるわけだし、
そういう意味で考えるとこの「無駄に長いかんじ」にも十分意味がある。
そして、ラストに近づくとわかることなのですが、
実はこの小説、歩が「はじめて書いた小説」という設定でもあるんですよね。
だから、たどたどしく、無駄が多い。つまり、処女作だから決してうますぎてもいけないのです。
この文章の書き方はおそらくそのへんを計算されたもののはずです。

緊迫感があり、手に汗握るエンターテインメント作ではありませんが、
最近の直木賞にしてはライトな感覚で読めると思います。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:01 | category:    西加奈子 |
# 舞台
評価:
西 加奈子
講談社
¥ 1,512
(2014-01-10)

JUGEMテーマ:小説全般

 舞台 / 西加奈子(講談社)

 評価 ☆☆☆☆


29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。
しかし初めての一人旅、初めての海外でトラブルが・・・。
虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、
助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に。
苦難の果てに葉太がたどり着いた境地とは・・・。



(感想)

主人公の葉太は自意識が異常に強い。
私も含めて、今の若者には比較的そういう傾向があるようだけど、
彼の場合はちょっとしゃれにならないくらいにひどいようです。
そんな葉太がはじめてのニューヨーク1人旅で人生最大の大恥をかき、
途方に暮れて絶望の淵に追い込まれます。
しかし、ここまで落ちたらもう怖いものなんかない!
恥もプライドも全部捨て、
どんどん身軽に自然体になっていく葉太の姿が清々しかったです。
異常な自意識っぷりをコミカルに描いており、
「わかるわかる」と思いながらクスクス笑えました。

誰もが「自分」という舞台の主人公です。
その舞台を面白く・刺激的で実り多いものにできるのは自分自身でしかありません。
すべてを脱ぎ棄てて、
葉太は今やっと自分自身の人生という舞台を歩き始めようとしている。
29歳、まだまだ遅くないよ o(-`д´- o)がんばろー!!
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:53 | category:    西加奈子 |
# ふくわらい
評価:
西 加奈子
朝日新聞出版
¥ 1,575
(2012-08-07)

JUGEMテーマ:小説全般

 ふくわらい / 西加奈子(朝日新聞出版)

 評価 ☆☆☆

マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。
彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で
誰もが目を覆うような特異な体験をした。
この経験が彼女の人生や性格に大きく影響していきます。
25歳にもなるというのに、恋愛も友情も知らない定が成長し、
心を開放していくまでを描きます。

定は幼いころから「ふくわらい」が大好きで、
大人になってからも人の顔を見ると無意識に
頭の中で目や口の位置を移動させたりしてしまう変なクセがる。
つまりは人を「顔」という平面としてしかとらえることができず、
そのへんが愛情も友情も知らない人間として形成されてしまった原因のようだ。
後半、プロレスラーの守口さんの部屋の場面は迫力あったなぁ。
心を開放し、本当に自分を手に入れるってこんなに過酷なことなんだ。

けど、最後の最後のシーンが納得できなーい。
どうしてこうなる?
西さんらしいといえばそうだけどねぇ・・・。
| comments(0) | trackbacks(1) | 11:27 | category:    西加奈子 |
# 漁港の肉子ちゃん
評価:
西 加奈子
幻冬舎
¥ 1,470
(2011-09)

JUGEMテーマ:小説全般

 評価 ☆☆☆☆


「肉子ちゃん」って・・・。
そういえば弟の友達ですごく太った子がいて、あだ名が「肉」だったなぁ・・とか
そんなしょうもないことを思いだしてしまいました。

ただただ肉子ちゃんの前向きで明るい生命力みなぎる姿に圧倒されっぱなしでした。
後半で意外な事実が待っていて、単純に笑える小説だけでは済まなかった。
笑って泣ける気持ちのいい小説。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:03 | category:    西加奈子 |
# 地下の鳩
評価:
西 加奈子
文藝春秋
¥ 1,260
(2011-12)
コメント:暗くて入り込みにくい作品でした。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 地下の鳩 / 西加奈子
 ● 文藝春秋
 ● 1260円  
 ● 評価 ☆☆
大阪、ミナミの夜。
キャバレーの呼込み男、素人チーママ、イロモノのオカマ。
行き場のない思いを抱えて懸命に生きる人々を描いた力作。


(感想)

うーん
暗くて、入り込みにくい話でした。
これが西加奈子さんの作品だっていうのも意外!

2編の中編からなる本なんだけど、連作になっています。
どちらも舞台は大阪の夜の街で、
1作目はキャバレーの呼び込みの男と素人チーママの話し。
2作目は1作目にもちらっと登場するオカマの話し。

1作目の方は男側の気持ちも女側の気持ちもまったく理解できなかったけど、
2作目の方は感じるものがあったなぁ。
ミミィさんが抱えてる心の闇は切なく深く、
怒りが爆発した時の激しさには圧倒されます。
自分らしく生きるために多くの物を犠牲にした人の強さと激しさを見せつけられました。
| comments(0) | trackbacks(1) | 17:20 | category:    西加奈子 |
# 白いしるし
評価:
西 加奈子
新潮社
¥ 1,365
(2010-12)
コメント:苦しい、痛い・・・本能の失恋小説

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● 白いしるし / 西加奈子
 ● 新潮社
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆
失恋ばかりの、私の体。
私は彼のことが、本当に、好きだった。32歳。気づいたら、恋に落ちていた。
軽い気持ちだった、知らなかった、奪えると思った。
なのに、彼と関係を持ってから、私は笑えなくなった。
恋は終わる。でも、想いは輝く。極上の失恋小説。


(感想)

こういう恋のはじまりってあると思う。
その人の外見や性格なんかわからなくても、
一枚の絵から激しいほどの魂の叫びを感じてしまったら
きっとその作者に簡単に恋に落ちてしまうだろう。
恋をすることは生きることとイコールで、本能でその人を求めてしまう。
重くって、読んでいて苦しかったけど生命力にあふれた作品だった。
怖いけど、ボロボロになっちゃうんだろうけど、こんな恋を一生に一度くらいしてみたかったわ。



読んでからだいぶ経つからこんな感想しか書けない。
お許しあれ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 17:11 | category:    西加奈子 |
# 炎上する君
評価:
西 加奈子
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,365
(2010-04-29)
コメント:ファタジー性あふれる不思議な短編集

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● 炎上する君 / 西加奈子
 ● 角川書店
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆
私と浜中は足が炎上している男の噂話ばかりしていた。
不思議なことにその男に出会ったものはみんな何らかの幸運に恵まれ、
男を追い払ったりしたものは不幸になっているという。
男の目撃談のある場所を歩きまわっては探し回る日々を送る二人だったが、
ある日、二人の行きつけの銭湯にその男が現れて…。何
かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化。
奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語。



(感想)

短編集です。
どのお話の主人公も自分に自信がなく、気持ちが追い込まれた状態にある人ばかり。
そんな彼らが足が燃えている人に出会ったり、美しすぎて大嫌いなお尻と距離を置いたり、
体が膨らんで空高く飛んで行ってしまうことで救われていく物語達。
主人公たちの悩みは、珍しくもないどこにでも転がっているような悩み。
でも、そこから彼らを救い出す設定はあまりに不思議で奇妙で、
よくある現代女性の悩めるお話がまるでファンタジーのようになっている。
このフワフワした不思議な違和感が心地いい〜

全部で8編。正直、最初の3つはピンとこない。
けど、4つ目の表題作「炎上する君」以降はどんどん面白くなってくるスルメみたいな配列もうまい!
いちばん好きなのは最後に掲載されている「ある風船の落下」。
ファンタジーの皮をかぶってるけど、これはすごく奥が深い。
最後の数ページは核心に触れすぎていて圧倒されます。

1本目の「太陽の上の」なかの一文。
“この3年間であなたがいちばん得意になったことは、あきらめることだ。”
これはショックだったなー。たしかに年々、そんな気がしてる自分・・・。
前向きに頑張らなくっちゃ
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:28 | category:    西加奈子 |
# きりこについて
評価:
西 加奈子
角川グループパブリッシング
¥ 1,365
(2009-04-29)
コメント:テーマは新しくはないけど、軽さと猫の賢い可愛さが◎

JUGEMテーマ:小説全般
● きりこについて / 西加奈子
● 角川書店
● 1365円
● 評価 ☆☆☆☆
きりこはぶすである。
きりこは両親の愛情を浴びて育ったため、自分がぶすだなどと思ってもみなかった。
自分を可愛いと信じて疑わず、友達の間ではリーダーで、キラキラした日々を送っていたきりこだが、ある事件がきっかけで引きこもるようになってしまう。
そんなきりこを支えたのが、小学校の体育館の裏できりこがみつけた小さな黒猫「ラムセス2世」。
ラムセス2世はたいへん賢く、しだいに人の言葉を覚える素晴らしい猫である
すべての猫好きにおくる書き下ろし長編。
 


(感想)

きりこは両親に「かわいい、かわいい」と言われて育ち、それを疑わずに生きてきた。
しかし、親が娘を可愛いと思うのは当然のことだが、世間の人々はそうは思っていなかった。
実はきりこは百人中百人が「ぶす」と言い切ってしまうほどのぶすだったのである。

表紙、めっちゃくちゃかわいー
テンポも文体も軽い、ユーモアもある。
でも、けっして中身の軽い小説ではないんですよねー。実は奥深いのです。
誰かを好きになる時、どうしても「容れ物(外見)」で判断しがちです。
誰だってぶすにうまれるよりは綺麗にうまれたい。
でも、そんなことよりも大切なのは、
容れ物の良しあしじゃなく、自分の好きなように自分らしく生きること。
自分は自分でしかない、それでいいんだ・・・。
それに気づいてからのきりこは周りの人を救い、幸せにしていく。
だからこそ、きりこという人間を猫たちは尊敬したのだろうし、
自分らしく生きるきりこの優しく賢い生き方はすがすがしく、素敵なお話でした

「ぶす、ぶす」と普通は言いにくいことを連発しまくるので、
気分を悪くする人もいるかもしれないけれど、これは作品の流れでどうしても必要なことです。
そこはわかっていただきたい。

ラムセス2世がいい味出してます
人間と違う、猫の価値観が面白い。
西さんがインタビューで言っていたけれど、
たぶん猫って人間以上にものすごく頭がいいか、まったく何も考えていないかのどっちか。
この作品の猫たちは頭が良くて、人間以上に達観していました。
本当の主人公はきりこじゃなく、ラムセス2世なのかもね
| comments(0) | trackbacks(1) | 09:15 | category:    西加奈子 |
# 窓の魚
窓の魚
窓の魚
西 加奈子
JUGEMテーマ:小説全般

窓の魚/西加奈子
新潮社
1260円
評価 ☆☆☆
紅葉にはまだ早い深い緑の季節に2組のカップルが温泉へ向う。
でも、裸になっても笑いあっていても、決して交わらない想い。
恋人たちの一夜を美しく残酷に描く、西加奈子の新境地。



(感想)
これまでの西加奈子作品のイメージとは異なり、
しっとりと、ひっそりとしている。

アキオ・ナツ、トウヤマ・ハルナの二組のカップルが訪れたのは
古めかしいが、広く立派なある温泉宿。
この旅の中での4人の想いを4人それぞれ描いています。
一緒に来たというのに誰一人、心から楽しんでいる者はなく、
お互いのパートナーとさえ心はバラバラ、違う方向を見ている。
楽しいはずの時間なのに、孤独で秘密に満ちている。
誰かとつながりたい、でも自分を孤独にしている薄暗い部分がそれを許さない・・・。

翌日、宿で発覚した事件が微妙に絡まり、
はたして彼らはそれに関係しているのかどうか明確な答えがない分、
読者の想像を激しく刺激します。

読み進めるうちに意外な展開に・・・。
まさか、こういう方向に話が転がっていくとは思いませんでした。
少々、タイクツだし救いはないけど、
ユラユラと漂うような孤独と葛藤が妙に心地よい不思議な作品でした。
| comments(2) | trackbacks(0) | 10:16 | category:    西加奈子 |
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