隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# ビザール・ラヴ・トライアングル
ビザール・ラヴ・トライアングル
ビザール・ラヴ・トライアングル
浅倉 卓弥
JUGEMテーマ:読書

ビザール・ラヴ・トライアングル/浅倉卓弥
文藝春秋
1500円
評価 ☆☆☆
たとえこの世界から肉体が失われても、想いまで消えてしまうことはない。
失った人への想いを忘れることも、消す必要もない。
日常に起こる不思議な出来事を繊細な筆致で描いた短篇集


(感想)
死者がこの世に残した深い想いを受け取ったり、
失った人への想いを抱えて生きていく人々を描く短編集です。
ホラーっぽいものもあれば、ハートウォーミングなものまで
一言で死へまつわる短編集と言っても様々な切り口の話がそろってます。

失ってしまった人の記憶やその人への想いは
時間が薄めてくれるものなのだろうか。
けど、だからといって消滅させていいものではなく、
いつまでも大切に大切にしていかなければならないもの。
でも、決して自分の一方的な想いだけでなく、
その人がどんな想いで、何を残して逝ってしまったのかも考える優しさも必要だ。

浅倉卓弥さんの本は正直言っていつも退屈です。
のめり込ませてくれるような面白さはない。
けど繊細で、美しい文章を書く人でだからつい手にしてしまうんですよねぇ。
私が弟を失って3週間が経ちます。
どんな内容なのかも知らずに手に取った本だったけど、
そんなタイミングでこの本を読んだことにはなんだか意味がありそう。
何かが私にこれを読ませてくれたのかもしれない。

この本はこんな経験をした私がこれからどう生きるのか、
そして逝ってしまった弟に対して
私が何をしてあげられるのかを考えるきっかけになりそうです。

表題作の「ビザール・ラヴ・トライアングル」にこんな文章がありました。
「生きている者にはどれほど逃れたくても明日が襲ってくる。」
何があっても、そして何もなくても私たちは生きていかねばならない。
それだけは事実です。
これからをどう生きるかは自分次第にかかってるんですね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:35 | category:    浅倉卓弥 |
# 北緯四十三度の神話
北緯四十三度の神話
北緯四十三度の神話
浅倉 卓弥
北緯四十三度の神話/浅倉卓弥
文藝春秋
1300円
評価 ☆☆☆
雪深い町で育った菜穂子、和貴子姉妹。
姉の菜穂子は地元の大学に進学し、そのまま大学の助手に。
一方、妹・和貴子は東京の大学を卒業後、
故郷に戻り、ラジオ局でDJムードをしている。
姉が中学時代に淡い想いを抱いていたクラスメート・樫村と
和貴子が婚約したことを発端に二人の心の溝は広がっていったが―。
雪国を舞台に姉妹の心の成長と和解を描いた感動の物語。



(感想)
舞台は北緯四十三度の街、雪国・札幌。

一人の男性を巡って溝ができてしまった姉妹が、
それぞれの成長によって和解していく
しみじみとした感動作ですニコニコ

目新しさはまったくなく、全体的に地味な印象。
妹の職業はラジオDJで、
ラジオ番組の中で妹が語る本音が
二人の歩み寄りに大きな影響を与えます。

言えなかった本音。
ずっと悩み続けてきた勘違い。
お互いを分かり合うことで自分自身の本来の姿も知っていく二人。

決して大きな出来事は起こらないけど
まるで深々と降る雪のように
心にジーンと感動が染み込んでくるお話でした猫2

妹が番組の中で悩めるリスナーに送った言葉。
初めての嫉妬とか憎しみとかいう感情は、
自分との距離が一定の範囲より近い人にしか決して向けられない

とても悲しいことだけど、これは真実です。」
こんな思い込みで、静かに憎むということでしか姉を愛せなかった妹。
これも歪んではいるけれど姉妹愛の一つの形だったのでしょうね。


●この本が好きな人におすすめなのは・・・
雪の夜話/浅倉卓弥
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:21 | category:    浅倉卓弥 |
# 雪の夜話
雪の夜話
雪の夜話
浅倉 卓弥
雪の夜話/浅倉卓弥
中央公論新社
1575円
評価 ☆☆☆
北の街に暮らす僕は、
ゆきの深夜の公園で雪に戯れる不思議な少女と出会った。
――それから8年。
都会ビルの生活からはみ出し、
逃げるように帰郷した僕は、
あの頃のまままったく成長していない姿の少女と再会する。



(感想)
自分にしか見ることのできない少女との対話によって、
自分とは何なのか魂とは何なのか
どう生きるべきなのかを見つけていく
「自分探し」の物語


浅倉さんの作品はどれも総じて“地味”な印象があります。
けど、その落ち着いた作風が
作品の大きなキーワードでもある“雪”とうまくマッチして、
趣きのある作品に仕上がっていました猫2

ただし、少女の語る哲学的な言葉は少々難解だし、
特に大きな出来事もなく淡々とすすんでいくので
小説としての面白みは少なかったな〜。

シンシンと降り積もる雪雪の描写が
静かに感じられてとても美しかった嬉しい

「北緯四十三度の神話」でも感じたけど、
雪を印象的に描く作家さんですね。


●この本を好きな人におすすめなのは・・・
北緯四十三度の神話/浅倉卓弥
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:00 | category:    浅倉卓弥 |
# 四日間の奇蹟
四日間の奇蹟
四日間の奇蹟
浅倉 卓弥
四日間の奇蹟/浅倉卓弥
宝島社
1680円
評価 ☆☆☆
挫折した音楽家ムードの青年と脳に障害を負ったピアニストの少女との宿命的な出会い。
そして山奥の診療所病院で遭遇する奇蹟。
第1回『このミステリーがすごい!』大賞金賞受賞作品。


(感想)
この本を読んだ人の誰もが言っていますが、
これは小説やドラマなどで誰もが一度は目にしたことのあるような
あるネタ」を用いている作品です。

誰もが知ってるあの作品にそっくりなのです。

●似ている作品がたくさんある。
●展開に意外性がまったくない。

このようなマイナス点もあるのですが、
小説としては十分に楽しめます。

何度も同じような作品が出てくる → それでも受け入れられる
要はみんな結局、
こういうのが好きなんですよね(笑汗

展開なんか簡単に想像できるのに、
それでもページをめくる手が止められませんでした。

おもしろかったからこそ残念なのは、
やはりオリジナリティーのなさが原因でたたかれてしまうことでしょうか。
主題の置き方や話の角度を変えることで、
そんなことはいくらでもクリアできたはずなのに、
どうして著者はあえてありきたりな手段を用いたのでしょう!?
それが謎であり残念です。
あと一工夫ほしかったたらーっ


●この本を好きな人におすすめなのは・・・
これを書いてしまうとネタバレになってしまうから
今回はパス。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:01 | category:    浅倉卓弥 |
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