隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 珈琲屋の人々
評価:
池永 陽
双葉社
¥ 1,785
(2009-01)
コメント:古くて味のあるお店で「美味しい珈琲」と「ちょっといい話」はいかが?

JUGEMテーマ:小説全般
● 珈琲屋の人々 / 池永陽
● 双葉社
● 1785円
● 評価 ☆☆☆
下町の商店街にある喫茶店『珈琲屋』
古いが木作りで味わいのある店に、本格的な味わいのうまい珈琲が自慢だ。
しかし、ここに集まってくるのは心に傷を負った地元の者たちばかり。
過去にこの町を守るために罪を犯し、前科者になったマスター・行介に話を聞いてもらいたくて、
彼らは今日も『珈琲屋』にやってくる。
さまざまな人間模様を、情感溢れる筆致で描いた連作集。


(感想)

かつて、この商店街を守るために人を殺めてしまった行介。
彼が営む喫茶店「珈琲屋」にやってくる悩める町の人々を描く短編連作集です。

普通の日々を過ごしているように見える人にも悩みがある。
誰にも話せない・・・でも誰かに聞いてほしい。
人の気持ちの美しさも醜さも丁寧に描いています。
きれいに締めくくるわけではなく、
うまくいかずに何らかの教訓を残してくれるようなほろ苦さがしみる。
その苦味がコーヒーの美味しさとうまくマッチしてるんですよねぇ

知らない人がいないような古くからの町で、
若い人が地元に昔からある喫茶店に一人で入って珈琲なんか飲むかな?と
ツッコみたい気持ちもあるけれど、
昔ながらの人付き合いと人情を描く作品だから、まぁ今回は目を瞑るとしましょう

行介と冬子の大人の純情も心にジンジン響きます。


今日も暑いです
けど、この本を読むとアイスコーヒーじゃなく、
苦味のある熱いコーヒーをゆっくり味わって飲みたくなります。
そんな作品です。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:35 | category:    池永陽 |
# 真夜中の運動会

評価:
池永 陽
朝日新聞出版
¥ 1,890
(2008-07-04)
コメント:家族の物語
JUGEMテーマ:小説全般
●真夜中の運動会/池永陽
●朝日新聞出版
●1890円
●評価 ☆☆☆
階段から転げ落ちて入院していた祖父は退院してから一気に元気がなくなってしまった。
そんな祖父が語り始めたのは初恋の話。
祖父は小学校時代、大好きだったきよ子と運動会で走るのを楽しみにしていたが、
戦争がその夢を砕いてしまったという。
その告白を境に祖父はどんどんボケの症状を見せ始めるが・・・。




(感想)
主人公は高校3年生の男の子。
祖父の痴呆と介護、親の不倫問題と単身赴任など、
家庭が崩壊する主な原因となりうるものが彼の目の前に次々と
それに大好きな彼女と自分に言い寄ってくる簡単そうな女の子の間で心は揺れ、
とても受験勉強どころじゃない。
そんな頼りない主人公が成長していく過程を描く物語とも言えますね。

けど、主題になるうる要素がおおすぎて、どこがメインなのかわからない
描かれている問題にしても、あらゆる文学や映像作品で語りつくされる事柄ばかりで新鮮さがないんですよねぇ。
まぁ、ラストシーンはちょっとクサいもののホロリとさせられたからよしとするか。

きよ子ちゃんの壮絶な人生と玲子の強烈な過去だけが突出していて
作品自体のバランスが悪い気もする。
この二人の人生のあまりの凄さにサーッとひいていく自分がいた
ここまでの設定にする必要があるのか?

お年寄りがちょっとした怪我で入院したのをきっかけに、
自信をなくして引きこもってしまうというのは私の周りでも何人かいたのでそこはリアルに感じた。
年を取るということをしみじみ考えました。


最後に・・・ポテトフライポテトフライドリンクバードリンクバーってしつこい
なんでこんなことにこだわるのかがギモン
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:29 | category:    池永陽 |
# 水のなかの螢
水のなかの螢
水のなかの螢
池永 陽
水のなかの螢/池永陽
集英社
1785円
評価 ☆☆☆
「一緒にダイナマイトで爆死して」・・・謎めいた高校生に僕はそう誘われた。
レトロな洋館風の古いアパートの住人たち、
寂れた喫茶店ホットコーヒーに集う面々の現在・過去・未来・・・。
後悔と傷を抱えた人たちの贖罪の物語。



(感想)
主人公が住んでいるのは古い洋館風のアパート。
行きつけのお店はまったく流行っていない喫茶店。
主人の周りには
それぞれに人生を狂わせるほどの傷を持った妙な人たちが集まってくる。

とにかく登場人物すべてが生きることに疲れてて、諦めてて、自分を責めてて、
読んでいて気分が萎えてくるような作品だったなぁ汗
しかもそれぞれの抱えてるものがハンパないくらい強烈で、
洒落になんないくらい負のオーラが充満してるひやひや
でも、不思議なことに読み口は重くない。
ページをめくるのが苦しいほどの暗さは充満してるのに、
なぜかスルスルと読めるんです。

何かを抱えて贖罪の気持ちで生きている人たちだから
傷をなめ合い、寄り添って生きているような気がする。
こういう人だからこそ優しくなれるんですよね。

が、最後の日。
示し合わせたようにパタパタとみんな消えちゃったのには
なんだ拍子ぬけしてしまいました。
こんな呆気ない幕引きは読者に対して裏切りだと思う。

ツワモノぞろいの人物の中でもひときわヤバのが「イイコさん」。
この人の人生・顔のこと・・・なんかトラウマになりそうですあせあせ

最後に。
典子ってほんとイヤな女だったわむかっ
| comments(0) | trackbacks(0) | 09:43 | category:    池永陽 |
# ゆらゆら橋から
ゆらゆら橋から
ゆらゆら橋から
池永 陽
ゆらゆら橋から/池永陽
集英社
1890円
評価 ☆☆☆
先生に憧れた小学生のころ。
淡い初恋の中学時代。
恋を重ね、大人になってゆく。
就職、結婚、浮気、子供が生まれる。
どんな平凡な男にも恋の思い出の1つや2つはある。
いくつになっても男は恋心にゆらぐ。



(感想)
佐竹健司という平凡な男性の人生。
その中でも特に“恋愛”の場面だけを描く連作長編。

保健病院の先生への淡い初恋から、
恋人の死、結婚、不倫・・・など
小学生から中年になるまでの健司を描きます。

特別な取り柄もなく平凡な男にも、
人生の中で何度かは恋愛の経験ハート大小はあるものです。
もちろん健司だって例外ではありません。
彼の場合、新しい恋をしても、
どうしても過去の“忘れられない恋”を
引きずっていうようなところが見受けられます。
それが中学生のときに結核で亡くなった加代子のことです。
「恋人の死」という激しい経験は、
健司の中で美しく尊い記憶となり、
潜在的に健司のすべての恋愛に影響を及ぼしてきます。

しかし「死」という壮絶な経験ではないにせよ、
誰にでも“忘れられない恋”というものはありますよね!?
その思い出を胸に生きているようなところがありませんか!?

この作品は
誰もが持つその“たった一つの思い出”の
かけがえのなさを感じさせてくれました。

そんな恋がたった一度でもできたこと・・・
その幸せに気づいていますか猫2
そう問いかけてくれる本でしたぴかぴか
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:00 | category:    池永陽 |
# でいごの花の下に
でいごの花の下に
でいごの花の下に
池永 陽
でいごの花の下に/池永陽
集英社
1680円
評価 ☆☆☆
カメラマンだった恋人が、
たった一つの使い捨てカメラカメラを残して姿を消した。
女は男の故郷の沖縄へ旅立つ飛行機
男の過去を探す旅・・・。

(感想)
沖縄という地の持つ輝かんばかりの魅力おてんきよりは、
戦争という傷を持つ地という部分に重きを置いた作品です。

失踪した恋人を探しにきた女性の孤独と奮闘に、
沖縄の戦争の実態をうまく絡めています。

失踪した男の過去がはっきりするまでの思わせ振りな書き方にちょっとイライラ泣き顔
主人公が中学生のカップルに抱く陰湿な嫉妬も不気味汗
決して読み心地のいいお話ではないんですけど、
最後の清々しさはそれらすべてを洗い流してくれたような気がします。

戦後60年、今でもその傷を癒せない人は多く、
まだ「過去のこと」にしてしまうわけにはいかないのかも。
その現実に胸が痛みました。

●この本を好きな人におすすめなのは・・・
ハナとウミ/大道珠貴
| comments(0) | trackbacks(0) | 09:17 | category:    池永陽 |
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