# 不時着する流星たち
2017.06.12 Monday
JUGEMテーマ:小説全般
不時着する流星たち / 小川洋子
個人的な評価 ☆☆☆
世界のはしっこでそっと異彩を放つ人々をモチーフに、
その記憶、手触り、痕跡を結晶化した珠玉の十篇。
現実と虚構がひとつらなりの世界に溶け合うとき、
めくるめく豊饒な物語世界が出現する―。
(感想)
どこか風変わりで静謐な世界。
小川洋子さんにしか出せない世界観。
抽象的で、物語の舞台も主人公の性別もはっきりしない作品もあり、
物語の世界に入り込むのはなかなか難しいです。
片手間では読めません。
ちゃんと読書の時間をとって、
「じっくり読むぞ」と向き合える時に読むべき本です。
なかでも「若草クラブ」はモチーフになっているエリザベス・テーラーも
若草物語という作品もよく知っていたので入り込みやすかったです。
いちばん好きなのは「手違い」。
死のはかなさと生のきらめきの対比が美しかったです。