# 一ノ瀬ユウナが浮いている / 乙一
2022.10.07 Friday
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● 個人的な評価 ☆☆☆
十七歳の時、水難事故で死んだはずのユウナは、
当時の姿のまま、俺の目の前にいる。
不思議なことだが、ユウナのお気に入りの線香花火を灯すと、
俺にしか見えない彼女が姿を現すのだ。
ユウナに会うため、伝えていない気持ちを抱えながら俺は何度も線香花火に火をつける。
しかし、彼女を呼び出すことができる線香花火は、だんだんと減っていく――。
(感想)
アンソロジーとかではない乙一さんだけの、
乙一さん名義の作品を読むのはとても久しぶりでした。
私が夢中で乙一作品を読み漁っていたころに比べるとホラー色も
切なさもずいぶんと薄まってしまったような印象です。
まさに「ド直球」の青春悲恋ものといいましょうか、もうちょい影の部分が欲しかったなぁ。
あの頃の乙一さんが好きだった私としては物足りなさを感じます。