隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 箱庭図書館
評価:
乙一
集英社
¥ 1,365
(2011-03-25)
コメント:乙一&読者の斬新コラボ!!

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● 箱庭図書館 / 乙一
 ● 集英社
 ● 1365円
 ● 評価 ☆☆☆
集英社のWEB文芸「RENZ ABURO」の人気企画「オツイチ小説再生工場」から生まれた6つの物語。
小説を書いている素人の読者からボツ原稿を送ってもらい、それを乙一がリメイク。
乙一と読者がコラボしてうまれる素晴らしき小説の箱庭



(感想)

読み始めて、途中で気づきました
久々の乙一の新作と思いきや、純粋な乙一の新作ではないみたい・・・・???
あれれ?と調べてみると、どうやら「オツイチ小説再生工場」という企画からうまれたものらしい。
その企画内容はというと、一般の方がボツにした小説原稿を投稿し、
選ばれた6作を乙一がリメイク、連作小説として生まれ変わらせるというもの。
そう言われてみると確かに乙一のようで、乙一でないような
どこかスッキリまま読み終えたという感じです
まぁ、面白かったけど、素直に評価できないなぁ。

6つのうち、群を抜いていいなと思ったのが最後の「ホワイト・ステップ」。
これがいちばんいつもの乙一のテイストに近いこともあって、好きです。
やはり乙一自体も元原稿を読んで時点でそれは感じていたらしく、
最初はリメイクの意欲はわかなかったらしいけど、あえてのチャレンジ。
優しさにあふれてて、雪のぬくもりを感じられるようでした。
気持ちのいい余韻に浸れます。これを最後に持ってきて大正解

6作品全体を通してみると、黒さも毒も少なかった。
企画ものもたまになら面白いけど、やっぱり私は純度100%の乙一の新作が読みたいな。
あ、近日中に元原稿も読んでみなくちゃ

   ● 読者がボツにした元の作品はこちらから全文読むことができます。
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# The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day
The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day
The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day
乙一
JUGEMテーマ:読書

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day/乙一
集英社
1575円
評価 ☆☆☆☆
大人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の大ファンでもある作家・乙一が
シリーズ第4部・杜王町を舞台にもうひとつの事件を描き上げた。
構想・執筆2000日以上、鬼才・乙一の渾身のノベライズ!!



(感想)
乙一があの「ジョジョ」のノベライズを!?
私は乙一が好きだからこの本を手にしたわけですが、
ジョジョもまるっきり知らないわけじゃーない。
かつて、ほんの何年間はジャンプで読んでいて、
そのほんの何年間のうちに読んだのがちょうどこの第4部だったという偶然グッド
『スタンド』とは何かももちろん知ってるし、
仗助も岸辺露伴も覚えているひらめき
重厚な装丁もかっこいいし、個人的には大満足です猫2

でもやっぱりジョジョをまったく読んだことのない人には
理解しにくい作品なのかも。
「スタンド」はね、やっぱ理解するのが難しいと思うたらーっ
だからジョジョを読まずにこれを読みたい・・・なんて人がいるなら
私は迷わずとめますよたらーっ

ノベライズオリジナルのスタンド使い・蓮見琢馬。
彼の能力は「忘れない」こと。
彼は命が始まった瞬間から今日までのことをすべて記憶している。
何年の何時何分何秒に誰とすれ違ったか、
何年前の何月何日の食べた物は何だったか、
どんな些細なことも決して忘れることがない。
当然、痛みや苦しみ、傷ついたことも一つ残らず抱えて生きている・・・。
事件は彼の恨みと復讐心からはじまり、
仗助たちを巻き込んでいくのだけど、
蓮見の悲しい能力と人生はまさに乙一ワールド!!
どちらかというとジョジョというよりは乙一色が強い作品です。

「忘れる」ことって悲しいことだと思ってたけど、
「忘れることのできない」苦しみの比ではない。
人は忘れることで救われ、だからこそ生き続けることができるのかもしれない。
そう思うと蓮見の生き方も当然の結果なのかな・・・としみじみ感じたり。

ただし・・・切なさの名手・乙一にしては最後の双葉千帆の描き方が淡白あせあせ
独特の冷たさは感じるものの、
描き足りないような物足りなさを感じます。
そしてやはり惜しいのは戦闘シーン!
文章じゃ迫力ないー。臨場感ないー。
こればかりは漫画版にはかなわないのがはっきりわかるわ汗


漫画が好きだから読んだ人、
乙一が書いたから読んだ人、
それによっても見方が変わってくる種類の作品。
ジョジョよりは乙一の色の方が濃い分、
ジョジョを読んでて、でも乙一の本だからという理由でこの本を手にした
私みたいな人がいちばんこの本を楽しめるのかも楽しい

それにしてもノベライズって難しいっどんっ
ジョジョの世界観を壊さずに、でも乙一らしい色もつけるって、
乙一自身が漫画版のファンだけに大変な作業だったのではないでしょうか。
書く能力のない者がこんなことをやっても
ヲタ行為以外のなにものでもないんだけど(苦笑)、
才能がある人はこれをやっても許されるんですねぇ。
自分に備わった能力で表現した愛情。
ノベライズって愛がなきゃできない仕事なのかもニコニコムード

| comments(2) | trackbacks(1) | 10:42 | category:    乙一 |
# 暗黒童話
暗黒童話
暗黒童話
乙一
暗黒童話/乙一
集英社文庫
620円
評価 ☆☆☆☆
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。
臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、
やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。
それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。



(感想)
乙一にとって、はじめて書いた長編がこれとのことです。

グロテスクでいかにも現代の若者らしい発想と着眼点はさすが乙一猫2

作中に本編とも関わってくる
「アイのメモリー」という童話が挿入されていますが、
この“黒さ”もよいグッド

乙一の作品って、
今回の眼球の提供者の記憶が見えるなんて発想も然り、
“ありえないだろ”ってものが多いんですけど、
それでもひくことなく読ませる力があります


彼の作品の根本に必ず存在する“孤独感”が
妙に身にしみるというのもありますねノーノー

それにしても、乙一の文庫本の最大の魅力は
あと書き」にあると思います。
私は乙一の文庫に限っては必ず、
あとがきを読んでから本編を読むというちょっと変則的な読み方をします。
あとがきでまずは1笑い(実際は1笑いといわず5くらい笑いますが)しないと
はじまりません楽しい

単行本で既に読んでいる本も、
文庫が出ればあとがきだけ読むほど乙一のあとがきのファンです。
この本のあとがきも“私は両手に割り箸を一本ずつ握りしめて戦う構えを見せました”という部分で爆笑しました。
本編とのギャップがいいんですよね(笑)
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:29 | category:    乙一 |
# 夏と花火と私の死体
夏と花火と私の死体
夏と花火と私の死体
乙一
夏と花火と私の死体/乙一
集英社文庫
440円
評価 ☆☆☆☆
九歳の夏休み、少女は殺された。
あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく・・・。
こうして、ひとつの死体をめぐる、
幼い兄妹の悪夢の四日間が幕をあけた・・・。
恐るべき子供たちを描き、
斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作



(感想)
もう既にいろんなところで語りつくされていますが、
この作品の凄いところは二点。

(1)当時16歳でここまでの作品を書き上げたということ
(2)「死体の一人称」で書かれているということ

語り手は9歳の幼い少女。
彼女はお話のはじめの方で、親友から殺されてしまいますどんっ
そして死体となったその少女が、
彼女を殺した少女とその兄の二人が
あの手この手で死体を隠そうとする姿を淡々と語っていくのです。

この斬新な手法には脱帽。
そしてさらに不思議なことに、死体自身が語っているというのに
読んでいて妙に客観的かつ傍観的な印象を受けました。

このへんの新しさ、斬新さ、不思議さ、
これが乙一の最大の魅力ですよね。

死体は何度も誰かに見つかりそうになるけれど、
いつもすんでのことで危機を脱します。
そのハラハラさせるスリル感!!がアドベンチャー的で、
この試みもゲーム世代ならでわというか、
現代の若者特有のアイデアのような気がします猫2
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:10 | category:    乙一 |
# 銃とチョコレート
銃とチョコレート
銃とチョコレート
乙一
銃とチョコレート/乙一
講談社
2100円
評価 ☆☆☆
今、世間は富豪の家から金貨や宝石を盗む
『怪盗ゴディバ』の話題で持ちきりだ。
そして事件を追う探偵見る・ロイズは子供たちのヒーローぴかぴか
ある日、僕は父の形見の聖書の中から、
事件に関わりがあると思われる手書きの地図を発見する――。


(感想)
講談社のミステリーランドの配本ということで、
当然のことながら字が大きく、漢字が少ない。
仕方がないけど、この点では大人には読みにくい本でした。

何よりも「正義は正義、悪は悪」じゃないところが良かった。
正義だって時と場合によっては悪になりうる。
人を助けるために、悪にならなきゃいけない時もある。
正攻法だけじゃなく、
そんなイレギュラーなこともあるということを
子供たちには知ってもらわなくてはならない。

いかにも乙一らしいメッセージですね(笑)

子供に読ませるには血や暴力銃の場面が多く感じたけど、
これも乙一だから仕方ない。

他の人が書いたのなら星は4つ付けます。
でも、乙一だからもっと斬新な展開を期待していたことも事実です。
だからこそ怪盗の正体が予想できてしまったことには残念でした。
あえて星は3つにとどめます。

装丁もイラストもどこかブラックな大人な雰囲気。
甘いけどちょっと苦味も効いた
ビターな味わいのチョコレートみたいな本でした。

この本にはチョコレートを食べることに特別な幸せを感じ、
それがまるで自分の冒険のように
本の中での冒険に心からワクワクラブできた子供時代に出会いたかったな猫2
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:12 | category:    乙一 |
# さみしさの周波数
さみしさの周波数
さみしさの周波数
乙一
さみしさの周波数/乙一
角川スニーカー文庫
480円
評価 ☆☆☆
「おまえら、いつか結婚するぜ」――
未来を「予報」されてしまった僕と彼女は、
それきり視線を合わせられなくなった。
そして数年後、再会した僕らは?
胸にしみる乙一流ファンタジー。

(感想)
≪周波数≫という言葉にピンときました。
切なさや孤独感のツボ、興味のあること、
乙一さんの作品は無理なく自然と私の中に入り込むことができる。
これこそ≪周波数≫の一致といえるのではないでしょうか(笑)

乙一さんの作品では手パーや指チョキが主人公になることが多いですね。
「失はれた物語」の切なさはどうしようもない。
家族からみればこんな優しさは反則です。
やりきれなくて涙も出てきません。
深く考えさせられる作品。

他に比べると「フィルムの中の少女」がイマイチ力不足を感じます。
構成がわかりにくかったです。

なお、「手を握る泥棒の話」と「失はれた物語」は
この本より後に発行された「失はれた物語」という本に再録されていますが、
やはりこの二つは完成度が高いと思いますぴかぴか
| comments(0) | trackbacks(1) | 16:22 | category:    乙一 |
# きみにしか聞こえない―CALLING YOU
きみにしか聞こえない―CALLING YOU
きみにしか聞こえない―CALLING YOU
乙一
きみにしか聞こえない―CALLING YOU/乙一
角川スニーカー文庫
500円
評価 ☆☆☆☆
私はケータイケータイを持ってない。
なぜなら、私には友達がいないから・・・。
だから毎日空想をして、憧れ続けていたある日、
頭の中に鳴り響いた美しいメロディムードムード
それは、同じさみしさを抱えた少年からのSOSだった……。
せつなさの達人・乙一の、珠玉短編集!

(感想)
「Calling You」と「傷」は【失はれる物語】にも収録されています。
私はこちらのほうを以前読んでいたのですが、改めて好きですねぇ。

「Caling You」は現在のケータイ社会を風刺してるかのようにも取れます。
ケータイに関する何らかの悩みを抱えている人は意外に多いのではないでしょうか。
私も含め、すっかりネットPC人間となり、
ネットでの人間関係はリアルで身近な人間関係と大差がなくなってきている。
そんな「今」だからこそ読んでほしい作品です。

今を生きる私たちなら、感情移入が楽だと思います。

「傷」は幼さ故の純粋さが胸に痛い作品。
アサト君の優しすぎるほど優しい心・・・
優しい人は、同時に傷つきやすくもありますね。
その心の痛みが切なかったです。

そして今回はじめて読んだ「華歌」。
前半はおとぎ話のような癒しを与えてくれますが、
後半は乙一のマジックにまんまと騙されていたことに気づくはずです。
私の場合、どこで読み間違ったのが振り返ってみてもまったくわからず・・・。
ひとつのイメージだけにこだわらず、柔軟に読むのがポイントです(笑)
全体通してみても、本当に乙一にしか書けない独特の世界だな、と感心しました
| comments(2) | trackbacks(0) | 11:41 | category:    乙一 |
# 小生物語
小生物語
小生物語
乙一
小生物語/乙一
幻冬舎
900円
評価 ☆☆☆☆☆
小生と乙一の161日。
著者のホームページ及び、
Webマガジン『幻冬舎』連載に加筆・訂正を加えて単行本化。

(感想)
乙一の文庫のあとがきを読んで
「この人は小説以外のものを書いてもおもしろいに違いない猫2」とにらんでおりました。
私はあのあとがきが大好きですから、
あのノリで書かれたようなこの本は腹がよじれるほど笑わせてもらいましたウィンク
どこまでが乙一で、どこからが小生さんなのか私には判断つきません。

もうとにかく「嘘ばっかり」。
広い心で嘘を許しつつ笑わせてもらいましょう。
個人的には私と乙一さんは漫画や映画カチンコのツボが似ているらしく、
それが余計に楽しかったのかもしれません。

週間少年ジャンプの読者投稿ページの常連だった吟遊奇人さんが
作家デビューしていたなんて知りませんでしたよ!!!
この事実を知っただけでもこの本を読んでよかったと思えます。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:37 | category:    乙一 |
# 平面いぬ。
平面いぬ。
平面いぬ。
乙一
平面いぬ。/乙一
集英社文庫
620円
評価 ☆☆☆
「わたしは腕に犬を飼っている―」ちょっとした気まぐれから、
謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。
しかし、その刺青がある日突然、動き出し…。
天才・乙一のファンタジー・ホラー四編を収録する傑作短編集

(感想)
乙一のファンタジックホラー。4つの短編を収録。
中でも、私が好きなのは「石ノ目」と「BLUE」。

「石ノ目」は途中で展開に気づいてしまうと思いますが、
読後の胸をギュッとつかまれて離さないような
乙一得意の言い知れない切なさに思いっきり酔える作品。

そして逆に乙一らしからぬ、
ぬいぐるみを主人公にした「BLUE」も意外性があっていい。
もし本当にぬいぐるみに心があるとしたならば、
きっと持ち主の子供に愛されるだけがすべてだと思う。
そのひたむきなまっすぐさに心が打たれました。

「はじめ」は少々、作家としての青さを感じました。
もっとコンパクトにまとめても良かったような作品です。

一言で「愛情」を描くといっても、
乙一はこちらが想像もしないような切り口から攻めてくるので、
そのセンスには毎度のことながら脱帽しますびっくり
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:22 | category:    乙一 |
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