隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 厭な小説
評価:
京極 夏彦
祥伝社
¥ 1,890
(2009-05-14)
コメント:徹底した演出がすごいです!

JUGEMテーマ:小説全般
● 厭な小説 / 京極夏彦
● 祥伝社
● 1890円
● 評価 ☆☆☆☆
夫婦二人きりの家に帰宅すると、
玄関で私を迎えたのは人間とは思えない気味の悪い容姿をした子供だった・・・。
はたしてこれは幻覚か
だが、これが我が家を崩壊させる地獄のはじまりだった・・・・。
「恐怖」と「異なるもの」を描き続ける鬼才が繰り出した「不快」のオンパレード。
悪寒、嫌悪、拒絶…あらゆる不愉快、詰め込んだ日本一のどんびきエンターテインメント。



(感想)

これを読んでいたら、配偶者から「古い本?」と聞かれました。
そう、みるからに古めかしい古書のような装丁。
見た目は不気味だし、紙質もざらついてるし、紙の色もなんだかもう・・・。
よく、気づかないうちに本に虫の死骸が挟まっていることがあるけれど、
この本はあえてところどころにその虫の死骸を印刷してあります。
読者を徹底的に厭な気分にさせる演出もバッチリです。

最初から最後まで不可解な厭さが続きます。
450ページほどもあるし、読めば読むほどイヤ〜な気持ちになる。
こういう条件がそろうと、途中で読むのがいやになっちゃうはずなんだけど、
不思議なことに「読みやすい」。
いやなのにどんどん読めちゃう。このついついページを進めさせるリズム感の良さはなにっ!?

厭な人であったり、厭な物質であったり、厭な感覚であったり、
次々と厭なものが出てきては解決することなく、次の厭なものが・・・と続く。
どのお話のはじまりも特におかしなことはなく、いたって現実的。
でも、次第にその現実感がねじれてきてあっという間に不可解と不条理の世界に落ちていく。
そのじわじわ感もイヤ〜な感じ

どれも厭なんだけど、私がいちばん厭だったのは「厭な彼女」でした。

この本、たしかにイヤなんだけど、
個人的には新堂冬樹の「吐きたいほど愛してる。」のほうが私はイヤです。
グロさが少ないだけマシかも。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:41 | category:    京極夏彦 |
# 嗤う伊右衛門
嗤う伊右衛門
嗤う伊右衛門
嗤う伊右衛門/京極夏彦
中央公論社
1995円
評価 ☆☆☆☆
小股潜りの又市は、民谷又左衛門の娘、岩の仲人口を頼まれる。
不慮の事故で隠居を余儀なくされた又左衛門は、
家名断絶の危機にあるというのだ。
又左衛門には大きな恩があるので、
岩の結婚をまとめてやりたいのはやまやまだ。
だがしかし、疱瘡(ほうそう)を患う岩の顔は崩れ、
髪も抜け落ち、腰も曲がるほど醜くなっていた・・・。


(感想)
怪談として広く知られている「四谷怪談」とはまったく異なる
京極流『お岩さん伝説』

怪談というよりは岩と伊右衛門の悲しい恋の物語ととらえたほうが良いでしょう。
既に出来上がっている作品を切り口を変えて
これほどまでに完成度の高い作品に作り変える京極夏彦の技量はさすが拍手

人間の情念が恐ろしいほどに色濃く描かれていて、鳥肌モノどんっ

岩という女性・・・。
人間の美とは外見の美しさなどではなく、
心にあるということを痛いほど見せ付けられます。
真実を知らされ、それを呪い、
「なぜ伊右衛門様は幸せになれぬのじゃ!」と絶叫した岩。
彼女の悲鳴が私の中にずっと激しく響いています!

今まで味わったことのない愛の形をみたような気がします。

最後の場面は作品中もっとも怪談らしい場面だったかもしれません。
けど、いちばん美しく思えました。
きっと、二人がやっと結ばれた瞬間だったからでしょう・・・。
| comments(0) | trackbacks(1) | 12:39 | category:    京極夏彦 |
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