隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 猿の見る夢
評価:
桐野 夏生
講談社
¥ 1,835
(2016-08-09)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 猿の見る夢 / 桐野夏生(講談社)

 

 評価 ☆☆☆

 

自分はかなりのクラスに属する人間だ。
大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。

実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。
そんな俺の人生の歪(ひず)みは、

社長のセクハラ問題と、あの女の出現から始まった――。
還暦、定年、老後――終わらない男”の姿を、現代社会を活写し続ける著者が衝撃的に描き切る!

 

 

 

(感想)

 

桐野夏生さんの小説は実際に起きた事件を下敷きにしてあったり、

現代の抱える社会問題をテーマにしていたりとリアルを感じるものが多いです。

しかし今作は自信過剰のバカなおっさんの人生が狂う様子を描いたもの。

どこかにリアルを感じられるものがあるのかな?と気にしながら読んだけど、

そんな要素は見当たらず、

ただひたすら「おっさん、ザマーミロやっ!」「地獄に堕ちろ!」と

主人公がおかしな方向へ転がっていくのを面白おかしく読んだ感じです。

ま、これまでの桐野作品に比べるとテーマは軽いと思います。

 

でも・・・まぁ、いくつになっては男は女が好きだろうし、

楽していいとこ取りたい狡さもせこさも人間らしいっちゃあ人間らしい。

男なんて実際はみーんなこんなもんだろうな。

そう思うとコイツに対する腹立たしさも滑稽に思えて憐みすら覚えますねw

 

さて、女の私はこの本にこんな感想を抱きましたが、

はたして男性はこの本を読んでどんなふうに感じるのでしょうかね?

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# バラカ
評価:
桐野 夏生
集英社
¥ 1,998
(2016-02-26)

JUGEMテーマ:小説全般

 バラカ / 桐野夏生(集英社)

 評価 ☆☆☆☆


震災のため原発4基がすべて爆発した。
警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。
ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪。
想像を遙かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!



(感想)

桐野夏生の想像力に圧倒されます。
この一冊でほんとにいろんなことが起こりました・・・・はぁ。

ドバイの赤ん坊市場で買われてきた少女「バラカ」の人生を
東日本大震災と原発事故を背景に描きます。
前半の読むのがとめられないほどの面白さに比べると、
後半はやや急ぎ足で細部の描き方が散漫な気がしたのが小説としては残念です。
ですが、震災までの出来事は現実とリンクしているし、
震災後の世界は現実とはちょっと違うけど十分にありえたことでもあるので、
まったくのフィクションとして読むことはできませんでした。
私たちが知らないだけで、もしかしたら現実はこれよりもっとひどいかもしれない・・・。
そう思わずにいられない恐怖もあります。

「一人の子供がただ生きるということ」、
たったそれだけのことも許されなかったバラカを思うと胸が痛い。
ミカちゃんには子供らしく、自分らしく、生きてほしい。そんな未来があってほしい。

ほーんと、五輪どころじゃないよなぁ。
スポーツの力で被災地を元気にしたいとかそんなぬるいこと言ってる場合じゃない。
今の日本は五輪なんかより、もっともっとやらなきゃいけないことがいっぱいある。
桐野さんはこの作品を通してそういうことも言いたかったんじゃないかなぁ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:32 | category:    桐野夏生 |
# 抱く女
評価:
桐野 夏生
新潮社
¥ 1,620
(2015-06-30)

JUGEMテーマ:小説全般

 抱く女 / 桐野夏生(新潮社)

 評価 ☆☆☆


1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動、恋愛。
二十歳の女子大生・直子は社会に傷つき反発しながらも、
ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた。
必死に自分の居場所を求める彼女は、
やがて初めての恋愛に狂おしくのめり込んでいく――。




(感想)


直子は私の親とほぼ同世代で、私は生まれてもいない頃のお話ですが、
街の様子や学生達のスタイルが丁寧に描写されてあり、
当時の灰色っぽい世の中の様子がしっかりと目に浮かびます。

今の時代の若者に比べれば、
この時代の若者の方が確実にしっかりとした主張は持っていただろうし、
生命力にもあふれていたのではないかと思います。
厳しい時代であっただろうけど、馬鹿や無茶をするのも若さ故のこと。
そんな勢いのある時代の若者にうっすらと羨ましさも感じます。
だけど、直子のようにはっきりとした夢や理想もなく、
ただなんとなく生きてる女の子にとってはとても生きにくい時代だったでしょうね。

スムーズに読めたわりに作品の世界観にのめり込めなかったのは、
主人公に魅力がなかったからかもしれません。
これこそが当時の若い女の子の等身大の姿なのかもしれないけど、
ぼんやり流されているようにしか見えません。
彼女は深田と出会い、運命の恋をしたように思っているようだけど、
今の時点ではただカラダでつながってるだけだし、これもすぐにダメになるんじゃないかなぁ。
何か一つでもいいから、この子に熱いものを感じられたら違っていたかも。

桐野さんの作品としてはかなり異色な題材でしたが、
私はいつものようなダークでエグい桐野ワールドのほうが好きですね。
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# 夜また夜の深い夜
評価:
桐野 夏生
幻冬舎
¥ 1,620
(2014-10-08)

JUGEMテーマ:小説全般

夜また夜の深い夜 / 桐野夏生(幻冬舎)

評価 ☆☆☆


顔を変え続ける母とアジアやヨーロッパの都市を転々とし、
四年前にイタリア・ナポリのスラムに住み着いた。
国籍もIDもなく、父親の名前も、自分のルーツも、わからない。
私は何者?私の居場所は、どこかにあるの?
魂の疾走を描き切った、苛烈な現代サバイバル小説。



(感想)

整形を繰り返し、世界を転々として何かから逃げている母親に育てられた少女・舞子。
満足な教育も受けず、常識も持たずに18歳になった彼女は【マンガ】によって広い世界を知り、母の元を飛び出す。

 
手紙形式で進んでいくスタイルの小説です。
桐野さんの作品は大体がそうなのですが、今作もハラハラしてページをめくる手がとまりませんでした。
舞子は街で知り合ったアナとエリスという2人の少女と行動を共にすることになるのですが、
3人はそれぞれ過酷な状況を生きてきただけでなく、見た目も性格もまったく違うタイプ。
この3人がそれぞれ魅力的で、うまく描き分けています。

後半でやっと読者も舞子も気になっていた真実が明らかになるのですが、
それに関しては「まぁ、こんなかんじのことだろうな」とそれほど驚きはなし。
けど、最後の母の告白は真実なのかがはっきりしないし、まさか最終的にこうなるとは・・・。
ううーーん。梯子を外されたというか、中途半端感が残りました。

以前の桐野作品はその世界観の暗さや登場人物たちの中に立ちこめる悪意など
読んでるだけで胃がキリキリと痛むほどの毒をはらんでいた。
だけど今作はディープな世界を描きながらも、それほどの切羽詰まる息苦しさは感じませんでした。
作風が少しずつ変化してるのでしょうか?

作中で舞子が手紙を書く「七海さん」のモデルは重松房子の娘・メイさんとのこと。
桐野さんのことだから誰か実在のモデルがいるんだろうなと思いつつ読んでいましたが、
恥ずかしながら私はこの人達のことを知らず(^_^;)
読後にネット上の他の方のレビューを読んで知りました。
作品をより深く理解するために、この人物についてこれから調べてみます。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:20 | category:    桐野夏生 |
# だから荒野
評価:
桐野 夏生
毎日新聞社
¥ 1,728
(2013-10-08)

JUGEMテーマ:小説全般


だから荒野 / 桐野夏生(毎日新聞社)

評価 ☆☆☆


46歳の誕生日。

身勝手な夫や息子たちに軽んじられてきた主婦・朋美は反旗をひるがえし、

1200キロの旅路へ〜〜。
奪われた愛車と女の連絡先の入ったゴルフバックばかり心配する夫を尻目に

朋美は自由を謳歌するがーーー。

冒険の果てに、主婦・朋美が下した「決断」とは?


桐野さんらしい毒は少なめに感じましたが、

なかなかにパワフルな作品でした。

一度大胆な選択をしてしまうと、もう怖いものナシ。どこまでだっていけちゃう。

人生、こういう思い切りの良さが時には大事なのかもしれない。


一度、壁を飛び越えたら、恥ずかしさもみっともなさもすべてが小さなことに思えてくる。

すべては自分の気持ちのままに・・・。

それをきっかけに自分以外の誰かも変わってくれるかもしれないしね。

家族に対して日頃何かとたまっている奥様方も

たまにはこうして暴れてみるのもいいかもしれませんw


ラストはあっけなかったけど、家族ってこんなものだよね。

ここから変わっていければいいのだと思います。



| comments(0) | trackbacks(0) | 14:41 | category:    桐野夏生 |
# ハピネス
評価:
桐野 夏生
光文社
¥ 1,620
(2013-02-07)

JUGEMテーマ:小説全般


ハピネス / 桐野夏生(光文社)


評価 ☆☆☆


三十三歳の岩見有紗は結婚前からの憧れのタワマンに娘と2人で暮らす。
夫は海外へ単身赴任中。
おしゃれなママたちのグループにも入った。
でも、有紗には彼女たちに隠していることがいくつもあった。
そしてグループの1人からも有紗がのけぞるような衝撃の告白をされて……。



(感想)

桐野さんのわりにキレのない印象。ちょい残念。

とにかく主人公にまったく共感ができない。
彼女は夫に自分のとっても重要な過去を話さずに結婚し、
結婚後にそれがバレて夫婦仲がおかしくなっていくのだけど、
「私、あなたにそんなに酷いことをした?」とほざく神経が理解できない。
その過去というのはバレたら離婚もありえるくらいの大きな秘密なのに、よくもまぁそこまで居直れるはね・・・。
そんな人が最後は考えを改め、自立し、自分の力へ前へ進もうとしても、
私は全然応援する気持ちになれませんでした。

ここに出てくる主婦たちはどこにでもいる主婦たちだ。
自分を取り巻く小さな世界からはみ出すことのないように気を使って生きている。
でも、なまじ中途半端なセレブなので、妥協はしたくない。負け組には絶対になりたくない。
もっとドロドロした展開になるのかと思いきや、
期待したほどの桐野さんらしさは見られず、ファンとしては物足りません。
でも、もともとは「VERY」に連載されていた作品だということを知り、すべてが納得できました。
この雑誌の読者なら、おおいに共感する部分はあるでしょう。
とにかく私とは住む世界や価値観が違う人達のお話でした。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:00 | category:    桐野夏生 |
# 緑の毒
評価:
桐野 夏生
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,470
(2011-09-01)
コメント:ちょっと肩すかしをくらったようなかんじです

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● 緑の毒 / 桐野夏生
 ● 角川書店
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆
妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー、レイプ。
水曜の夜ごと、川辺は暗い衝動に突き動かされる。
救命救急医と浮気する妻に対する、嫉妬。邪悪な心が、無関心に付け込む時――。


(感想)

桐野作品のわりはあっさりと読めました。
レイプ被害者の女性たちの復讐がメインなのかと思いきや、
そのへんは詳しく描かれることなく終わっちゃって、ちょっと肩すかしをくらったような気が・・・。
妻と不倫相手が亜由美によって川辺のおそろしい行為を知らされる場面は
この不倫カップルに対しては爽快感があったけど、
肝心の川辺に対してはラストもそこまでの気持ちよさはなくって・・・
うーん、もう少し先まで描いてほしかった。
被害を受けた女性たちの苦しくつらい思いも丁寧に描かれてるかんじはなかったなぁ。
川辺のいやな男っぷりはムカつくほど伝わるんだけど。

なんだかレイプ云々がなくっても、
川辺クリニックの憎悪にまみれた人間関係だけで1冊の小説が書けそうですね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:58 | category:    桐野夏生 |
# ポリティコン(上)(下)
評価:
桐野 夏生
文藝春秋
¥ 1,650
(2011-02-15)
コメント:理想郷のはずだった・・・息詰まる閉塞感と嫉妬、欲望

JUGEMテーマ:小説全般
 ● ポリティコン (上)(下) / 桐野夏生
 ● 文藝春秋
 ● 上巻 1650円
   下巻 1650円
 ● 評価  上巻 ☆☆☆☆☆
        下巻 
大正時代に東北に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。
1997年3月、村に残された唯一の若者であり後継者でもある東一は美少女・マヤと出会った。
母親は中国で行方不明になったマヤは、母親の恋人だった北田という謎の人物の「娘」として、外国人妻とともにこの村に流れ着いたのだった。
過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、脱北者・・・
東アジアの片隅の 日本をこの十数年間に襲った波は、いやおうなくふたりを呑み込んでいく。


(感想)
上巻は東一視点で綴られ、下巻の2部からはマヤ視点。
東一は唯一の若者であるという重圧・孤独感に押しつぶされそうになりながらも
やがて後継者であることからその地位を利用し、
村と女性たちを私物化するとんでもないえげつない男。

どうにもならない過疎と高齢化の問題、
抑えきれない東一の欲望に腹がたって仕方ないんだけど、
こんなにもドロドロと暗いのになぜかページをめくる手が止まりません。
桐野夏生のこの中毒性って、本当にヤバい。
小さい社会の中で憎しみ合い、でもそこから飛び出すこともできず、
結局は支えあっていきていく人々の村への思いは想像を超えるものがあるけど、
信頼とか何かを守り抜かなければならないという執念の強さは
生々しくもリアルに響いてきた。

最後にいきなりボロクソにやられた東一は笑っちゃうほどすがすがしかったよー。
嫌な男よ、ザマーミロ
けど結局、10年かけて東一とマヤはやっと対等の位置に立ち、
本当に信頼できる間柄になれた。
これってきっと二人が閉鎖的で特殊な共同体で生きたからこそなんだろうなぁ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:33 | category:    桐野夏生 |
# ナニカアル
評価:
桐野 夏生
新潮社
¥ 1,785
(2010-02-26)
コメント:林芙美子に関してほとんど知識がなく、作品もこれまで一冊も読んでないことを激しく後悔。読む前の準備が必要でした。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● ナニカアル / 桐野夏生
 ● 新潮社
 ● 1785円
 ● 評価 ☆☆☆
昭和十七年、女流作家の林芙美子は朝日新聞の特派員として戦時中の南方へ向かった。
命懸けの渡航、愛人との束の間の逢瀬、張りつく嫌疑、そして修羅の夜。
波瀾の運命に逆らい、書くことに、愛することに必死で生きた一人の女を描き出す巨編。



(感想)

読み始めてすぐに、林芙美子について何も知らず、著作を1冊も読んでない自分に後悔・・・。
(まさか林芙美子の話だとは知らずに読み始めたんだから仕方ないけど・・・)
少しでも知識があれば、単なる小説としてではない楽しみ方もできたかもしれない。

“あの林芙美子が書いた未発表の作品がでてきた”という設定で、桐野夏生が書くなんて・・・
相当な勇気がないと書ける作品ではない。
軍の命令とはいえ女だてらに戦地へ入り、真実を書きたいという作家としての強い気持ち、
愛人との束の間の逢瀬・・・。
うまくやっていたはずが、やがて訪れる疑惑の大きさに押しつぶされそうになりながらも、
たくましく生きる林芙美子という女性の激しさが存分に感じられ、鬼気迫る凄味を感じさせられます。
特に愛人と別れることになる夜の二人のやり取りは、生々しくゾクゾクするほどでした。

ひとつ贅沢を言わせてもらうと、林芙美子と夫の関係がどうしてこうも淡白なものなのか
そこがわからないことにもどかしさを感じます。
それがわかれば、ここまで不倫にのめり込んだ気持ちもより理解できたかもしれないのに。

それにしても本の最後に記されている「参考文献」の多さには驚き!!
その数、約60冊!!脱帽しました。

ナニカアル・・・・なんて意味深なタイトル。
きっとこの本に描かれない、もっと激しい真実も林芙美子にはあったのかもしれない。
そう思わずにはいられません。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:04 | category:    桐野夏生 |
# IN
IN
評価:
桐野 夏生
集英社
¥ 1,575
(2009-05-26)
コメント:「IN」は“淫”

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● IN / 桐野夏生
 ● 集英社
 ● 1575円
 ● 評価 ☆☆☆
かつて小説家の緑川未来男は、
愛人の存在に嫉妬した妻の狂乱を『無垢人』という小説で赤裸々に書いた。
そして今、小説家の鈴木タマキは、
己自身の恋愛の狂乱と抹殺を『淫』という小説に書こうとしている。
『無垢人』と『淫』を繋ぐ、「○子」とは誰か?
『無垢人』に関する取材をすすめていくうちに、新たな真実が浮き彫りになり、
タマキ自身の恋も、ある結末を迎えることに・・・。


(感想)

桐野夏生といえば、あの名作「OUT」がある。
タイトルから察するに当然、「OUT」と対になる作品として「IN」が書かれたのだろうと思いきや、
「OUT」とはまったく雰囲気の違う作品でした。
「IN」は、“入れる”の「IN」ではないのです。
“淫”であり、“影”であり、“因”であり、“隠”であり、“姻”。
さまざまな意味を持つ「IN」であるものの、“入”の要素はないのです。

お話は主に2つの軸からなります。
小説家のタマキが、今手掛けている作品は
緑川未来男という作家が実話をもとに書いた「無垢人」という小説を題材にしたもの。
関係者への取材を進めるうちに真実に少しづつ「無垢人」騒動の真実。
そして、取材を進めるうちにタマキと、彼女とかつての恋人の間にもある変化が訪れる・・・。

作家という職業、そして作家を家族に持つ者にも覚悟が必要。
事実を織り交ぜたり、自分の体験や境遇を切り売りするように書くこともあり、
大きな犠牲を伴う職業とも言えるだろう。
タマキ・未来男と同じように桐野さんのこの職業に対する覚悟も感じられる。

テーマは「恋愛の抹殺」ということだけど、それに関しては私はよくわからなかった。
タマキと元恋人・阿部のつながりの深さがいまいち伝わりにくい。
「○子」の正体がわかったときもインパクトも少ない。

現代の闇をリアルに描くことに定評のある桐野さんにしては、
いつも感じさせられる凄味は感じるまでもなく読み終わってしまったかんじ・・・。
どうやら私はこの作品の世界に「IN」できなかったようです
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:49 | category:    桐野夏生 |
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