隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 波形の声
評価:
長岡 弘樹
徳間書店
¥ 1,728
(2014-02-14)

JUGEMテーマ:小説全般

波形の声 / 長岡弘樹(徳間書店)

評価 ☆☆☆


人間の悪意をとことん見据えたまなざし、
心温まるどんでん返し、そして切なさはビターに!
奥の深い長岡ミステリー最新作7篇。



初読みの作家さんです。今、注目されている方ですよね。

7編のミステリー短編集。
読みやすいのでサクサクと読めますが、今一つかな〜。
途中で犯人(結末)がわかっちゃうのもあれば、
わからないままに結末まで読んでも、「ああ、そうなんだ」程度で大きな驚きがない。
ミステリーのわりにハラハラドキドキ感がありません。

よかった作品を強いて1つあげるとすれば「黒白の暦」。
社内の女性同士の無言の争いを描いていて、
女性として大いに共感できる部分があったし、
最後には胸にあたたかいものが残りました。

あえてそうしているのかどのお話にも
人と競うことや優越をつけることが出てきた気がする。意図的?





 
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# きみはいい子
評価:
中脇 初枝
ポプラ社
¥ 1,512
(2012-05-17)

 きみはいい子 / 中脇初枝


 

   評価 ☆☆☆


ある町を舞台に、

生徒と新任教師との心のふれあいを描く「サンタさんの来ない家」をはじめ、

娘に手を上げてしまう母親とママ友との物語、

ひとり暮らしが長くなった老女と家を訪ねてきたある男の子との物語など胸を打つ作品を五篇収録。


静かにたんたんと書かれているけど、

これは現代の抱えるリアルな子育ての問題だと思う。

一度パタンと玄関のドアを閉めてしまえば、

中で何か起きているのか誰も知る由がない。

これはとても怖いことなのかもしれません。


虐待を受けた子は自分が悪い子だから殴られ、

食事も与えられないのだと本気で勘違いしているのがたまらなく切ない。

子供はそれが「愛情」なのか「虐待」なのかをきちんと理解できるほどには心が成長しておらず、

大人になったときにその悲しい記憶が大きく影響してくる。

親はそれを認識したうえで叱ったり、教育したりしなければならない。


「きみはいい子」と言ってもらえること、

頭をやさしくなでてもらうこと、

ギュッと抱きしめてもらうこと・・・・・・

子供たちにとってその温もりがかけがえのない安心と安らぎとなる。

私には子供がいないのではっきりと断言はできないけど、

子供を育てるうえできっとこれほどの大切なことはない。


親といえど人間だし、子供だって一人前の人間。

うまくいかないときやしんどいことは誰だってある。

でも、一時的な感情で激しい行動や言葉をぶつけてしまう前に、

一度立ち止まってよく考えてほしい。

それだけで子供の将来への影響が大きく変わるかもしれません。


子供への虐待は読んでいると心が痛むのだけど、

どこかに必ず助けようとする手があり、光が見える。

それがせめてもの救いでした。



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# 傷つく人、傷つける人
評価:
信田 さよ子
ホーム社
¥ 1,470
(2013-07-26)

 傷つく人、傷つける人 / 信田さよ子

 評価 ☆☆☆


長年カウンセリングの現場に立つ著者が「傷つく」という言葉をキーワードに、

家族、友人、職場などの、さまざまな人間関係にひそむ問題とその対処法を探る。


私が求めていたのは、

他者による傷の明確な原因のわかるケースではなく、

自分や社会の現状に悩んで勝手に傷ついて苦しんでる人のケースに触れる本だったので、

この本の内容は求めていたものとはちょっと違っていたけれど、

うなづける点も多く、読んで良かったと思える本でした。


「傷つくこと」と「傷つけられたこと」の違い。

「傷ついた」と感じている人は自分が焦点になっているが、

「傷つけられた」と感じている人は他者への怒りを感じている。

この違いに愕然としたし、

最近の傾向として「傷つけたくない」と思う人が増えてきているというのにも納得。

どうやら私はこの「傷つけたくない」という傾向が強いのかもしれない。

だからいつも行動に出る前に悩んでしまう。で、結局何もできずに終わってしまう。

これが私の人間関係をめんどくさくしているのだとわかった。


「過去は水に流せない」。

だからといって、忘れられない自分はダメなのだとは考えてはいけない。

そうならないために大切なのは「誰かに聞いてもらう」こと。

批判されずに、黙って聞いてもらうこと。何回も何回も聞いてもらうこと。

誰かの力を借りて、何があったのかをきちんと自分の中で整理すること。

これをすることによって、経験が過去になっていく。


「よい人間関係を築く」

自分を否定しない友達をできるだけ多く作る。

コンパートメントをたくさん持つ。


ちょっと書きだしてみただけでも、得るものは多かった。

これを自分にどう当てはめて、変わっていけるかだと思う。

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# ユリゴコロ
評価:
沼田 まほかる
双葉社
¥ 1,470
(2011-04-02)

JUGEMテーマ:小説全般

 ユリゴコロ / 沼田まほかる(双葉社)

 評価 ☆☆☆


亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。
それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。
創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。
謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。



人を殺すことの快感にとりつかれた人間の告白ノートを軸に展開する作品。
とにかく、この告白の部分が薄気味悪く、作品中に漂っている空気すら始終不気味。

最後の展開には驚愕です。
私にはまったく想像のしていなかった大どんでん返しのラストでした。
ネット上には「感動した」という声が多かったですが、
私は感動よりもドロドロした気味の悪さだけが印象に残ります。
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# さよならドビュッシー
評価:
中山 七里
宝島社
¥ 1,470
(2010-01-08)
コメント:このミス大賞・・・しかし、ミステリーとして評価するとなると疑問も残る。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● さよならドビュッシー  / 中山七里
 ● 宝島社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆
ピアニストを目指す16歳の遥は両親・祖父・おじ・いとこのルシアとともに幸せな生活を送っていたが、
その幸福な日々はある日、当然終わりを迎える。
両親とおじの留守中に火事に巻き込まれ、祖父とルシアは命を落とし、遥だけが生き残ったものの、
全身に大きな火傷を負ってしまったのだ。
しかし彼女は夢を諦めず、猛レッスンとリハビリのおかげでピアノコンクールの出場権を獲得する。
だが、彼女の努力をあざ笑うかのように不吉な出来事が次々と起こりはじめ・・・・。
第8回「このミス」大賞受賞作


(感想)

「このミス」の大賞受賞作です。
本格的なミステリーというよりは、困難に負けずに夢を追う少女の奮闘の方が際立ち、
ミステリーと青春テイストの両方を併せ持った作品です。

謎ときの面白さはイマイチだった。
だって犯人やアヤシイ箇所を指し示すかのように、
「この人を怪しみなさいよ!」みたいなヒントを不自然なほどにはっきり強調してあるんだもん・・・。
なんだか興ざめしちゃいました
特に「ある人物」の存在ははじめから明らかに不自然、最後に何かあるのバレバレ
音楽の専門的な話やピアノの技法に関してはちょっと深く描きすぎ。
ここまでこだわってきっちり書かなくても十分だと思う。

引き込まれ、読ませる力はあります。
もしかしたらミステリーじゃなく、
「困難に負けず、夢をつかもうとする女の子の青春モノ」にしちゃった方が良かったのかも。
きっとこの人、ミステリにこだわらず、
さわやかな青春モノも書ける作家になることは間違いなし
どんな作家になっていくのか今後が楽しみですねぇ
| comments(0) | trackbacks(1) | 16:11 | category: 作家名 な行 |
# きのうの神さま
評価:
西川 美和
ポプラ社
---
(2009-04)
コメント:医療をテーマにした短編集

JUGEMテーマ:小説全般
 ● きのうの神さま / 西川美和
 ● ポプラ社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆
『ゆれる』で世界的な評価を獲得し、今、最も注目を集める映画監督が、
日常に潜む人間の本性を渾身の筆致で炙りだした短編集。
『ディア・ドクター』に寄り添うアナザーストーリーズ。


(感想)

映画「ディア・ドクター」の原作本かと思いきや、そうではありません。
「ディア・ドクター」という短編も収録されてはいるんだけど、違う話みたいだし、
まぁ、地域医療にかかわる人を題材にした作品とでもいうのでしょうか。

田舎に住んでいる人がどこか具合が悪くなったとしても、
都会のようになんでもかんでもすぐに近くの病院で診てもらえるわけではありません。
その点はとても不便で心配も多いのだけど、
でも、子供のころから同じ先生にかかれば、おのずと医師と患者の間で信頼関係や親しみもうまれる。
田舎に住んでいる私だからこそ、
著者は地域医療の現状を丁寧に取材し、真摯に描いていることが感じられました。

地域の医療をあらゆる角度からみた、静謐な作品です。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:51 | category: 作家名 な行 |
# 酒にまじわれば
評価:
なぎら 健壱
文藝春秋
¥ 1,450
(2008-07)
コメント:粋な酒飲み本☆

JUGEMテーマ:エッセイ
● 酒にまじわれば / なぎら健壱
● 文藝春秋
● 1450円
● 評価 ☆☆☆☆☆
酒には数々の味わいと様々な酔い心地がある。
グラスの中に世界があり、ジョッキの中に楽園があり、お猪口の中に人生を見つめる。
多彩な才能を発揮する、異色のシンガー・なぎら健壱の酒食エッセイの最高傑作。


(感想)

お酒にまつわる2〜5ページくらいの短いエッセイが詰まっています。
なぎら健壱さんは絶対に粋なお酒の飲み方をしてる人でしょう
だからこの本、面白くないはずはないと思って飛びついたのでした。
こういう本に目をつける自分が好きさ

お酒の席って酔っ払っちゃっているせいか、
信じられないような出来事に遭遇することも多いけど、
なぎら健壱くらいの酒飲みのプロになるとそんなエピソードのすごさもハンパじゃない。
思わず吹き出すようなエピソードもあるし、
「人っていいなぁ」とホロリと来るようなものもあり。
物事をよく観察している人だから、面白いものを見つけるアンテナの感度がいい
だからこの本は面白い
きっとお酒やおつまみの味だけじゃなくて、
店の雰囲気やそこで起こった出来事や会話の内容まで
すべてを含めて「飲む」ことを楽しんでいる人なんだと思う。
こういう人に愛される酒場こそがほんとうにいいお店と言えるんじゃないかなぁ。

驚いたのはね、なぎらさんって大衆的な居酒屋でホッピーでも飲んでそうなイメージでしょ?
でもそういうのだけじゃなく、ウイスキーもワインもなんでもいけちゃうみたいなんだな。
そういうところがほんとにお酒がすきなんだなーと感じて逆に良かった

この本の中によく出てくる「すがれた」という言葉、私は意味を知らなかった。
すぐに辞書で調べたけど載ってなくて、ネットで調べてみると
盛りがすぎて衰えはじめる」って意味らしい。
あー、なんか味のある言葉だわ。なぎらさんらしいわ。
この言葉、なんか気にいったから私も使わせてもらおう

すっごい面白かったー。
私もこんな粋でかっこいい酒飲みができるようになりたいわ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:48 | category: 作家名 な行 |
# プラチナタウン

評価:
楡 周平
祥伝社
¥ 1,890
(2008-07-23)
コメント:難しくない社会派小説☆
JUGEMテーマ:小説全般
●プラチナタウン/楡周平
●祥伝社
●1890円
●評価 ☆☆☆☆
大手総合商社部長の山崎鉄郎は、ちょっとしたミスで出世街道から外された上、
150億もの負債を抱えて平成の大合併からも爪弾きされた故郷の町の町長を引き受ける羽目に陥ってしまう。
しかし、町の現状は財政再建団体入りは不可避といえるほど想像以上にひどかった
そんな中でさえ、事態の深刻性を認識できてないお役所体質の職員たち、
私腹を肥やそうとする町議会のドンなど、
鉄郎の前に田舎ゆえにまかり通る非常識が立ちはだかる。
そんな困難に挫けず、鉄郎が採った目からウロコの財政再建策とは?




(感想)
面白かったー。「明るい社会派小説」ってかんじ?
こんなわかりやすい社会派小説なら私でも十分楽しめるっ
表紙の二人の表情が作品すべてを物語っています。

バリバリの商社マンだった男が破たん寸前の故郷の町長となり、財政再建を目指す。
そこで目をつけた事業が「老人ホーム」。
とはいっても私たちがイメージするようなホームではなく、
都会の富裕層をターゲットにした巨大な近代的老人ホーム。
介護が必要な人には手厚い看護、そうでない人はマンション感覚で。
土地の人には当たり前の光景になっている自然は都会の人には売り物になり、町内で釣りもゴルフも楽しめる。
町を破たん寸前に追いやった原因ともいえる無計画な箱モノ施設もこれで最大限に利用できる。
そして何より都会の感覚にも十分対応できるような商業施設をホームに隣接させることにより、
ホームでの介護士・商業施設での販売員と若い人の雇用も増え、人口も税収もあがりいろんな意味でよい、と。

・・・夢のような話です。

老人問題、地方の過疎化、雇用問題、古くからの商店街が抱える問題・・・
今、地方が抱える多くの問題を多く含んでいる。
私の住んでる町もこんな感じだからこういう状況、よーくわかるけど、
それをすべて一つの施設建築で解決してしまおうというからすごいっ

お金のある人しか入居できないという現実はリアルだけれど、老人問題へも雇用問題へも夢が広がった。
この事業によってこの町は老人だらけの町になってしまうけど、暗さをまったく感じない。未来が明るい

ほんとは☆5つ付けていいほど面白い。でも、4つにしたのはあまりに展開が都合よすぎること。
これほどの事業がこんなにトントン拍子に進むわけない〜。
大きな反対勢力や一部住民からの強い反発などあるはずなのにそれがほとんど描かれることがないし、
こんな大きな仕事を町長がついこの間までいた会社に任せるなんて普通だったらマスコミが騒ぎ立てるでしょ、ヤバイヤバイ
| comments(2) | trackbacks(1) | 10:26 | category: 作家名 な行 |
# 恋人たち
恋人たち
恋人たち
野中 柊
JUGEMテーマ:小説全般

恋人たち/野中柊
講談社
1575円
評価 ☆☆☆
画家アートの彩夏を優しく包む大貫さん。
彩夏と大貫さんは夫婦ではなく、恋人というには何かが足りない。
そして、盲目の舞子をさりげなく支える恭一。
一枚の古い写真カメラとマチスの画集が4人を出会わせた。
2組の恋人達の間に、はぐくまれる絆と優しい時間。



(感想)
はじめての野中柊体験。

人間臭さや人の体温を感じない作品。
私はこの人の作品を初めて読むけど、
もしかしたらこういう空気感の漂う作品を書く人なのかもしれない。

それぞれの章は彩夏と恭一の視点で、交互に綴られ、
目の見えない女性が出てくるせいか、
一つ一つを表す描写が鮮明に描かれている。
繊細に丁寧に構築された世界。

どちらのカップルも「恋」なんてありきたりな言葉じゃなく、
もっと別の絆でつながっているようニコニコ
彼らには危ういけれど、居心地のいい居場所があって、
それが複雑だからこそ、変化することなく、均衡がうまく取れている。
舞子が大きな決断をすることによって、
彼らにはたしてどんな変化が訪れるのだろう・・・。

物語の大きなキーワードとなる「マチスの絵」。
絵画には明るくないので、マチスといわれても全然わからなかったんだけど、
検索して、いくつかの作品をみてみましたおはな
金魚の絵も、もちろん見たし、
絵を見ることによって、より深くこの本を味わえたように思えます
| comments(2) | trackbacks(1) | 10:19 | category: 作家名 な行 |
# 阿弥陀堂だより
阿弥陀堂だより
阿弥陀堂だより
南木 佳士
阿弥陀堂だより/南木佳士

1400円
評価 ☆☆☆☆☆
作家鉛筆2として自信を亡くした夫と、
医師病院としての方向を見失った妻は、
山間の美しい村で新しい生活をはじめ、
そこでふしぎな老婆に出会う。
真摯に生きること、人生を慈しむことを教えてくれる、
温かなユーモアに彩られた長編。



(感想)
日本人の本来の姿、
人間は自然と手を取り合って
共存していかなければならないという
ものすごく当たり前なことに気づかされました。

自然描写もみじも美しく、
村ののどかな風景が目に浮かびます。

贅沢ということを知っているから、
人は贅沢をしたくなる。
おうめ婆さんは贅沢や便利なものを知らないから、
それを望まない。


その通りなのですニコニコ
私達現代人は根本的なところから
既に違っているんのかもしれない・・・。
逆に、おうめ婆さんの生き方のほうが
贅沢になってしまうおかしな時代。

おうめ婆さんの言葉を一生忘れずに、大切にしたいです。
どの言葉も素晴らしく、現代人には“教え”に値すると思います。

素晴らしい本でした。
| comments(0) | trackbacks(0) | 09:36 | category: 作家名 な行 |
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