# 木の一族
2006.11.07 Tuesday
木の一族
佐伯 一麦
●木の一族/佐伯一麦
●新潮社
●1470円
●評価 ☆☆☆
遠目には無関係に見える木々は近づくと互いに親密感を増し、
土の下ではしっかりと結び合っている・・・。
男と女、父と子、出合いと別れ、生と死。
生きていくことのいのちの手ざわりを瑞々しい感覚で描きだす中短編集。
(感想)
佐伯一麦さんの“私小説”とも言われている作品です。
自殺未遂をした過去を持つ妻や、
緘黙症の娘たちとの冷たい生活に救いはなく、
気分が滅入るようなどんよりした家族の物語でした[:がく〜:]
そんな状況でも家族への思いやりを失わない主人公・・・
このように耐えて生きることが父親の責任なのでしょうか?
我慢をして苦悩をしてまで・・・。
作風も主人公の考え方も今時、流行らない。
けど、どんな状況にあっても
家族に対しての責任は果たさなければならない。
切ないけれど、父親の在り方を見たような気がします。