隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 木の一族
木の一族
木の一族
佐伯 一麦
木の一族/佐伯一麦
新潮社
1470円
評価 ☆☆☆
遠目には無関係に見える木々植物は近づくと互いに親密感を増し、
土の下ではしっかりと結び合っている・・・。
男と女、父と子、出合いと別れ、生と死。
生きていくことのいのちの手ざわりを瑞々しい感覚で描きだす中短編集。


(感想)
佐伯一麦さんの“私小説”とも言われている作品です。

自殺未遂をした過去を持つ妻や、
緘黙症の娘たちとの冷たい生活に救いはなく、
気分が滅入るようなどんよりした家族の物語でした[:がく〜:]

そんな状況でも家族への思いやりを失わない主人公・・・
このように耐えて生きることが父親の責任なのでしょうか?
我慢をして苦悩をしてまで・・・。

作風も主人公の考え方も今時、流行らない。
けど、どんな状況にあっても
家族に対しての責任は果たさなければならない。
切ないけれど、父親の在り方を見たような気がします。
| comments(0) | trackbacks(0) | 17:03 | category:    佐伯一麦 |
# 遠き山に日は落ちて
遠き山に日は落ちて
遠き山に日は落ちて
佐伯 一麦
遠き山に日は落ちて/佐伯一麦
集英社
1529円
評価 ☆☆☆
妻子と別れ、蔵王山麓波のすがすがしい田園で、
草木染作家の奈穂と小説家の斎木の新生活が始まった。
ゆったりとした時と自然の中で、
二人は新しい人生を刻み始める。
男と女の本質的な愛の在りかを探る長編。



(感想)
田舎の古い一軒家家に住み、
男は小説を書き、女は染色をする。
晴れた休日には家の修繕をし、
近所の住人達と酒熱燗を飲んだり、
温泉温泉につかるのが何よりの楽しみ。

大きな事件は起こらないけれど、
のんびりとした田舎の生活を描くことによって
「本質的な幸福」とは何かを思い出させてくれる良質な作品でしたニコニコ

この本によって、
長い目で見ると自分はどう生きたいのかが
少し見えたような気がします。

シンプルに主人公である2人の生活を描くだけで
十分に訴えてくるものがあると思うのですが、
斉木の過去などが少々ゴタゴタしていて、
なにもそこまでの詳しい設定をしなくても
よかったのにと思う部分も・・・汗

過去に傷を持った斉木が
今はここでこうして元気に生きていることを描くことによって、
この土地と生活の“癒し効果”“再生効果”が感じられるのは事実ですが、
このテの作品はシンプルに限ります。
あえて記さなくても読者にはちゃんと伝わっていると思います。

このヒロインの奈穂という女性は同じく佐伯一麦さんの
「草の輝き」のヒロインの柊子と名前は違れど同一人物のようです。
「草の輝き」は草木染の修行をする柊子、
「遠き山に日は落ちて」では染色家として独立した
奈穂という女性がヒロインですが、
「遠き山〜」の中で奈穂が過去を回想する場面は
「草の輝き」の中での柊子のエピソードそのままでした。
そんなこともあり、
この2冊はあわせて読むことをおすすめしたいです。


●この本を好きな人におすすめなのは・・・
草の輝き/佐伯一麦
| comments(2) | trackbacks(1) | 10:05 | category:    佐伯一麦 |
# 草の輝き
草の輝き
草の輝き
佐伯 一麦
草の輝き/佐伯一麦
集英社
2100円
評価 ☆☆☆☆☆
もう一つの生きかたを草木染にもとめて・・・。
植物花たちの発する色に魅せられ、
会社を辞めて草木染の道へ進む事を選んだ柊子。
柊子の修業の日々と恋の予感。
東北の地方都市でくりひろげられる、
ひたむきな日常を精緻な文体で紡ぐ。
静かな感動が広がる長編。



(感想)
草木染を通して味わう季節の移ろい・・・。
草木染に魅せられて、
都会から移り住んできた女性の修行生活を描いています。

大きな出来事はなく穏やかですが、
飽きることがなく四季をまるごと堪能するように
味わい深い作品でしたニコニコ

私が住んでいる山形が舞台。
とんでもない田舎だけど、
この土地の持つ素敵な面をしっかり描いてくれた作品だと思います。
自然の豊富さ、
人のあたたかさ、
食べ物のおいしさ・・・
改めてこの土地の素晴らしさを実感しましたウィンク
山形になじみのない方にも、
この本を読んで山形の素朴な美しさを感じてもらえたら嬉しいですぴかぴか

こんな素敵な作品を書いてくれた
佐伯一麦さんに心からお礼を申し上げます。
この本は、この土地に生きる私の誇りです。



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
遠き山に日は落ちて/佐伯一麦

主人公の名前や違うけど、
「草の輝き」と「遠き山に日は落ちて」の主人公は
ほぼ同一人物のように感じます。
細かなエピソードが共通してるんです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:22 | category:    佐伯一麦 |
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