# ばら色の人生 La vie en Rose
2006.10.03 Tuesday
ばら色の人生―La vie en Rose
鷺沢 萠
●ばら色の人生―La vie en Rose/鷺沢萠
●作品社
●1575円
●評価 ☆☆☆☆
鷺沢萠が、一番伝えたかったこと。
家族、友人、仲間たちの、あたたかくて強い絆の物語。
鷺沢萠の遺した3本の戯曲を完全収録した、全戯曲集。
全作品初めての活字化、鷺沢文学の結晶。
(感想)
付録として伊集院静さん、
原田宗典さんなど4名の方が文章を寄せています。
3作とも仲間や家族をテーマにしたコメディで、
どの作品も抱腹絶倒の大爆笑。
どれも根本に暗く重い問題があるのに、
ひたすら明るく描かれています。
戯曲なんてシェークスピアしか読んだことのない私でも、
苦労することなく読むことができました
実際のお芝居の方も観てみたかったです
特に「ウェルカム・ホーム」は、
笑いの中にも人種の問題も織り込まれている興味深い作品。
テーマは重いはずなのに爆笑、爆笑の連続で
≪ギリギリボーイ≫と≪イナバの物置≫の場面では
このまま笑い死にするかと思いました
付録の沢千恵さんの文章によると、
鷺沢さんは物書きになってから自分の中にコリアンの血が入っていることを知ったそうです。
そんなエピソードも知っておくと、
この作品がより重く受け取れるようになると思います。