隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 月の満ち欠け
評価:
佐藤 正午
岩波書店
¥ 1,728
(2017-04-06)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 月の満ち欠け / 佐藤正午(岩波書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか?

三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生。

その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

この数奇なる愛の軌跡よ!

さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。

 

 

(感想)

 

2017年上半期、いちばん面白かった本は間違いなくこれです。

最近にないくらいのめり込みました。

人間関係が複雑なので、

これから読む人は人物相関図を作りながら読むのをおすすめします。

 

大好きだった人に再会するために何度も生まれ変わりを繰り返して、

彼と接触を試みようとする女性とその周囲の人々の話です。

だけど時の流れは残酷なもので、

彼女が何度かの生まれ変わりを繰り返している間、

彼はどんどんおじさんになっていく・・・。

結果、少女がおじさんを心と体で求めてるような感じになってしまい、

そのへんに生理的な不快感を感じる人もいるかもしれません。

何度生まれ変わってもあなたを求めてる・・・これを女の執念ととるか、

純愛ととるかでも賛否は大いにわかれそうです。

 

ある登場人物が自分達の身近に起こったこの生まれ変わりらしき現象に対し、

「生まれ変わりが絶対にあると信じろと主張してるわけではないのです。

 ただ生まれ変わりなどそれまで考えもしなかった人に、

 そういう考え方も一理あるということをわかってほしい」

というようなことを語るシーンがありますが、

これは世の中のどんなことにも当てはまります。

ちょっと作者の伝えたいメッセージとはかけ離れた感想になってしまうかもしれませんが、

自分の中の常識だけにとらわれず、

「こんなこともある」「こんな人もいる」と受け入れられる柔軟さ。

こういう柔らかな目で物事を見ることのできる人になりたいと思いました。 

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:11 | category:    佐藤正午 |
# 身の上話
評価:
佐藤正午
光文社
¥ 1,680
(2009-07-18)
コメント:ページをめくる手が止まりません

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 身の上話 / 佐藤正午
 ● 光文社
 ● 1680円
 ● 評価 ☆☆☆☆☆
もしあの時、バスに乗っていなければ、私の人生は穏やかに過ぎて行ったはずなのに・・・。
主人公の流され方に、自分は違うと言い切れますか。
人間・人生の不可思議をとことん突きつめる、著者の新たな代表作の誕生。



(感想)

佐藤正午さんっていうと「ありのすさび」とかエッセイのイメージが強い。
小説はいままでいくつか読んではいたけれど、エッセイに比べるとおちるかなと思っていた。
けど、これは面白かったなぁ 
一気に読んでしまいました。

古川ミチルは書店に勤めるどこにでもいるような23歳の女性。
地元で就職し、結婚し、子供を育てる・・・そんな人生を送るだろうということに
何の疑いも抱いていないような平凡な女性です。
そんなミチルが付き合っている彼氏の他に、もう一人の男性とも関係を持ち、
二股をかけるようになったことから彼女の人生は狂い始める。
何が起こるか想像が出来ないので、常に心地よい緊張感の中で読むことができました。

ほんの些細なことがきっかけで、人生はあっという間に違う方向へ行ってしまう。
まるで坂道を下るようあっという間におちていって、
ほんのちょっとの怠惰感や欲やエゴが人生を大きく狂わせることもある。

このお話、ミチルの現在の夫が語るスタイルになっているのだけど、
その夫となる人物はなかなか登場しない。
物語の終盤でやっとその夫となる人物は登場しますが、
夫の語る、彼の身の上話はミチルのそれに負けず劣らない凄まじいもので、
サイドストーリーながらも強烈な役目を果たしてる。
この、彼の身の上話の存在こそが作品を優れたものにしています。
まさか、こういう結末がまっているとは・・・。

佐藤さんの小説の中では群を抜いて面白かったです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:56 | category:    佐藤正午 |
# 5
5
5
佐藤 正午
JUGEMテーマ:恋愛小説

5/佐藤正午
角川書店
1890円
評価 ☆☆☆
結婚八年目の記念日にもらったチケットでバリ島に訪れた中夫婦。
倦怠期を迎えた二人だったが、
常夏のリゾート地船に来ているのに手パーにしっかりと手袋をはめる女性と出会い、
ある出来事をきっかけに、愛の記憶を取り戻す事になるが・・・。



(感想)
佐藤正午さんの小説を読むのは随分久しぶり嬉しい
もともとエッセイから好きになった作家です。

倦怠期を迎えた夫婦が
姉が懸賞で当てた旅行チケットでバリへ行く飛行機
そこで夫は「妻へのかつての情熱を取り戻す能力」を身につけるのですが・・・。

大人の恋愛モノかと思いきや、
もう一人の主要人物である作家の津田の登場、
そして超能力どんっまで絡んできて、
後半までまったく方向性の見えない作品でした。
読了した今でさえ、
私はこの本をどんなジャンルの本なのか判断しかねてしまいます。

津田を担当する編集者の言葉に
「作家は信念を持って書くべき」というのがありました。
わかりやすい言葉で書いてはいないけど、
きっとこの作品はそれぞれが無意識の中に持っている
現在や過去の愛に対する信念を描いているのだと思います。
誰も中にでも、そんな大切な思いはあるはず。
それを押しつけがましくなく、
遠回りにだけど、さりげなく感じさせてくれる作品でした。

でもやはり著者が男性なので、
男性的な感覚で書いてあるような・・・。
女性には理解できない部分もあるかもしれませんたらーっ

両膝を立てた姿勢で寝るのは女としてダメでしょうかひやひや
私、たまにやっちゃうけどな汗
| comments(2) | trackbacks(0) | 12:13 | category:    佐藤正午 |
# 豚を盗む
豚を盗む
豚を盗む
佐藤 正午
豚を盗む/佐藤正午
岩波書店
1785円
評価 ☆☆☆
独身小説家の日々の暮らしは、あいもかわらず淡々と過ぎてゆく。
「生きることの大半は繰り返し」とうそぶきながらも、
なにげない出来事に注ぐまなざしに優しさとあたたかさが感じられる
『ありのすさび』『象を洗う』に続く、好評のエッセイ集。



(感想)
「ありのすさび」「象を洗う」に続く第3弾エッセイ集ぴかぴか

2001年以降に書いた連載エッセイ2本、
1986年~2004年の間に単発で書いたさまざまな文章が約40本、
1990年代前半に書いた短編小説が2本、という内容です。

私は正午さんの本は
どちらかというと小説よりエッセイのほうが好きです。

大きな出来事など起こらない何気ない日常が心地よく、
安心して読むことができます。
ピリッと辛い独特のユーモアも相変わらず健在(笑)

平凡な毎日の中からでも何かを選び出し、
面白く、興味深く描くことができるのはさすが作家の技ですね。

しかし、構成がどうも読みにくいひやひや
古いものから新しいものまでさまざまな文章があるわけですが、
それが年代ごとに構成されているわけではなくバラバラに並べられているのです汗
つまり、一編ごとに正午さんが30代になったり40代になったり・・・。
これはどうにかならなかったのか惜しいですね。

「十七歳」「叔父さんの恋」という2本の小説も古さもあり、
いまいちインパクト不足下向き
特に「叔父さんの恋」はヘンに気障なのが気になりました。

以上のこともあり残念ですが、
この本は前の2冊のエッセイ集に比べると落ちるような印象を受けました。



●この本を好きな人におすすめなのは・・・
ありのすさび/佐藤正午
象を洗う/佐藤正午
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:20 | category:    佐藤正午 |
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