隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# とんび
評価:
重松 清
角川グループパブリッシング
¥ 1,680
(2008-10-31)
コメント:不器用な父親と温かい人たちの子育て物語

JUGEMテーマ:小説全般
●とんび/重松清
●角川書店
●1680円
●評価 ☆☆☆☆
昭和37年、28歳のヤスさんに長男アキラ誕生
愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、
家族の温もりを知らずに大人になったヤスさんと美佐子さんにとってはじめて得た「家庭」だった。
しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。
我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた長編小説。 



(感想)
親一人、子一人。不器用ながらも子供への愛情は人一倍。
迷いながら、時に暴走しながらもまっすぐに子育てしていくヤスさん。
息子が成長し、嬉しいことがあるたびに親には寂しさや辛い選択もついてくる。
息子のため、自分の寂しさを精一杯我慢するヤスさん。
どこの親子もぶち当たることなのかもしれないけど、
もがきながらもアキラの幸福を願うヤスさんに目頭があつくなる思いでした。

アキラはヤスさんだけでなく、照雲さん一家やたえ子さんなどの多くの愛情を得て育った。
そんな周囲の人の愛情も沁みます。
多くの愛情を得て育った子らしく、アキラは自慢の息子に成長する。
アキラのまっすぐな成長はまるで自分の周囲にいる子供の成長のように私にとっても嬉しく、
リアリティ溢れる作品です。

和尚さんの手紙やアキラの作文、照雲の迫真の演技など・・・・
イチイチ泣きのポイントが散りばめられているのも憎い。
重松さんはやっぱり家族の絆で泣かせるのがうまいんだなぁ
いい作品です。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:34 | category:    重松清 |
# ブランケット・キャッツ
ブランケット・キャッツ
ブランケット・キャッツ
重松 清
ブランケット・キャッツ/重松清
朝日新聞社
1575円
評価 ☆☆☆☆
契約期間は2泊3日。
生まれた時から慣れ親しんだ毛布さえあれば、
どこででも落ち着いて眠ることができる7匹のかしこいレンタル猫たち。
料金は決して安くはないが、申し込みが途切れることはない。
「いま」を生きる人の孤独を癒す猫ちゃんたちの心温まる7つの物語。



(感想)
子供のできない夫婦、ガン、いじめ、フリーター、
老人介護、リストラなど
猫を借りに来る人々はそれぞれ今の日本で大きく問題視されているような
悩みを抱えています。

猫との数日間によって「気づき」や「発見」を得る人たち。
あくまで猫は脇役だけど、
猫という存在が家庭にプラスされることによって、
家族は自分たちに欠けているものに気づく。
レンタル猫ちゃんたちは借り主に
「自分だけの心のブランケット」を教えてくれるのです。


私たち夫婦は子供がいないので、
子供を作ることのできない夫婦が猫で寂しさを埋めようとする
「花粉症のブランケット・キャッツ」はまるで自分たちのことのようでした。
私たちのような夫婦には夫婦の間で決して言ってはならないこと、
望んではならないことは確かにあります。
それを指摘されるようで、これを読むのは心をえぐられるようにつらかった。
重松清さんが作品の中で見せるまなざしはいつも優しく、
今の日本をうまく描いているなと思うけれど、
本当に現実にその問題に直面している人間にしてみれば
ストレートすぎて辛いという一面もありますね・・・。
(「カシオペアの丘で」を読んだ時も辛すぎてそう感じました。)

猫ちゃんたちの毛布に値するようなものを私も見つけたい。
それを知ってる人こそが強くなれるのだと思います。

7つの短編のうち、
1つだけ猫目線で書かれているものがあるのが良かったですおはな
| comments(2) | trackbacks(2) | 11:19 | category:    重松清 |
# カシオペアの丘で
カシオペアの丘で(上)
カシオペアの丘で(上)
重松 清

カシオペアの丘で(下)
カシオペアの丘で(下)
重松 清
JUGEMテーマ:読書

カシオペアの丘で/重松清
講談社
各1575円
評価 ☆☆☆
40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられたその日、
俊介はテレビテレビ画面に、
いまは遊園地になったふるさとの丘を見つける。
封印していた悲しく、後悔の残る記憶・・・。
俊介は何かに導かれ、ふるさとを目指す。



(感想)
テーマは「許す・許させる」。
許さなくてはならない人、許されたい人たちの物語で、
広い意味では宗教的な雰囲気も感じる作品です。

今回はちょっとネタバレもあります。
まだ読んでいない人はこの先はご自分の判断で読んでくださいね。


世の中の不幸がこれでもかというほどに織り込まれ少々しつこさを感じます。
登場人物の多く、一人一人の思いをしっかりと受け止めるのがあまりに重い。
果たして川原さんとミウさんのエピソードまで
必要だったのだろうかと疑問を覚えました。
この2人は悲しい記憶を抱えているからこそ、
導かれるように急速にミッチョたちと親しくなっていったのだろうけど、
昨日今日出会ったばかりの人にここまですべてをさらけ出し、
生活も仕事も犠牲にして北都にやってきてしまうのには違和感を感じざるをえません。

すべてを話し、許し、許されたあとの彼らが
だからといって昔のような仲良し4人組には戻らないさっぱりさは好きニコニコ
ミッチョとトシはシュンの病室病院を熱心に見舞うわけではなく、
亡くなってからもお葬式へ行くこともない。
かつての仲良しも、今はそれぞれの人生を歩んでいる。
その「引き」の選択ができる強さに感銘を受けました。

俊介は40歳で亡くなった。40年も生きることができた。
あたたかい家庭を作りあげ、仕事でも認められた。
そしてひとつだけ心に残っていた黒い影もきれいに清算してして導かれた・・・。
そう考えるとこの人はずいぶんと幸せな人なのではないかと思える。
それに気づいたら泣くことはできなかった。

王国を築き、守り抜くために「鬼」にならざるをえなかった「神」・倉田千太郎。
俊介の人生より、倉田千太郎の人生の方に興味を覚える。
いつか千太郎の物語も読んでみたい。

闘病モノで「泣かせる」というものでもない。
それよりは宗教的な観点で心が動かされる作品でした。
| comments(4) | trackbacks(1) | 13:10 | category:    重松清 |
# 青い鳥
青い鳥
青い鳥
重松 清
青い鳥/重松清
新潮社
1680円
評価 ☆☆☆☆☆
村内先生は中学学校の臨時講師。
先生は言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。
だから授業よりもたいせつな、本当に「たいせつなこと」しか言わない。
いじめ、自殺、学級崩壊、児童虐待・・・
吃音の教師を通して、答えの出ない問題に向きあい、
すべての孤独な魂にそっと寄り添う感動作。


(感想)
全編を通して登場するのは吃音のある教師・村内先生。
村内さんは非常勤講師として各学校学校を回り、
心に孤独を抱え、ひとりぼっちでいる生徒のそばに寄り添い、
本当に「たいせつなこと」を教える。

本当にさびしい人はみんなの仲間に入りたいのではなく、
もうひとりの一人ぼっちが欲しい。
村内先生は彼らのそばでもう一人の一人ぼっちになることによって彼らを救う。

孤独・・・この寂しくてたまらない気持を誰もが想像することはできる。
でも「理解する」ことができるのは、本当にこの気持ちを味わったことがある人だけ。
村内先生にはそれができるのだ。
そして村内先生の素晴らしさがわかるのも、ほんの一部の生徒だけ。

いじめの加害者の取るべき責任は
いじめをなくし、いじめのない学校を作ることよりも、
誰かを傷つけたことをずっと忘れずに背負っていくこと。

重松清さんの本は大人になった私達にも本当のことを教えてくれる。
村内先生の言葉は少ないけど、一言一言がイチイチ心に沁み渡るんだニコニコ
「大切なこと」と「正しいこと」は違う。
村内先生のかつての教え子が主人公となる最後の章を読んだとき、
静かな涙がこぼれました。
中学生の頃に重松さんに出会っていたら、
まったく違った学生時代を送ってたような気がするなぁ猫2
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:02 | category:    重松清 |
# 小学五年生
小学五年生
小学五年生
重松 清
小学五年生/重松清
1470円
文藝春秋
評価 ☆☆☆☆
心に何かを抱えながらも健気に生きる小学5年生の男の子たち。
5年生って意外とおとなで、でもやっぱり子ども。
人生で大事なものは、みんなこの季節にあった…。
笑顔と涙の少年物語、全17編。



(感想)
17編の短編の主人公はすべて「小学5年生の男の子男」。
急に女子を意識しはじめる男の子。
家族の死に直面する男の子。
転校で友達と離れ離れになってしまった男の子・・・。
それぞれが自分のこれまでの経験値ではいっぱいっぱいの思いを抱え、
経験を重ねながら成長していく姿を描きます。

そういえば、小学5年生くらいの時期って、
体の面でも心の面でも
子供から大人への変化が最もよくあらわれる年頃なのしれません。
この年頃の女の子は体が一気に大人の女性口紅へと変わりつつあり、
それと並行して態度やしぐさも女っぽくなり、まさに男女の差が大きく出る時期です。
(あと一年もすれば男子は声変わりがはじまり、さほどの差はなくなるのだけれど)
恋をすることや体の変化が当たり前のことではなく、
とっても恥ずかしいことに思えるこの頃・・・
こんな時期って人生の中のほんの一瞬にすぎないのに、
ここに焦点を当てるなんてさすが重松さんっニコニコ

重松さんでなければ
こんな温かいまなざしで少年たちを見つめることはできないでしょう。
懐かしさと、かけがえのない時間のまぶしさが愛おしい作品ですぴかぴか





余談だけど、重松さんってどんな子育てをしているのか
すんごく興味ありませんか?
| comments(0) | trackbacks(0) | 02:38 | category:    重松清 |
# きみの友だち
きみの友だち
きみの友だち
重松 清
きみの友だち/重松清
新潮社
1680円
評価 ☆☆☆☆
嬉しいこと、つらいことがいっぱいあったから「友だち」の意味がわかった。
友達は他人かもしれない。
でもかけがえのない大切な、他人。
それが「友だち」。
痛みや喪失を乗りこえ、
少女たち、少年たちはやがて本当の「友だち」とは何かに気づく。



(感想)
重松清さんの世界はまるでいつも“道徳の教科書”みたいで
つい反発してみたくなる素直じゃない自分もいる。

だけど、語り手が主人公の“きみ”に語りかける言葉と
眼差しがあまりにも優しい。
こちらも素直にならざるを得ないくらいの優しさで主人公を見つめている。

この語り手が誰なのかわかったとき、
そのあたたかさに胸がいっぱいになりました ウィンク

友達ってなんだろう」 
これがこの作品のテーマ。

いつも一緒にいてたわいもない話をしている相手が、
果たして“本当の友達”なのだろうか?

学生生活学校の真っ只中では疑問にすら思わなかったことを
今になって自問自答してしまいました。

そういえば私にも、
いつも一緒にいるわけではなかったけど、
とても気の合う子がいたっけ・・・。
他の子とは話さないような事柄を話せたり、
自分にとって重要なポイントにはなぜかいつも手を差し伸べてくれたあの子。
彼女は今、どうしているのだろう。

彼女の存在が私にとっての“きみの友だち”だったのかな?

大人にならないとわからないこと、
実はそれが本当に大切なことだったりするんですよね〜。

中学生くらいの時にこの本に出会えていたら、
何かが変わっていた気がしてなりません。
| comments(2) | trackbacks(1) | 14:04 | category:    重松清 |
# 愛妻日記
愛妻日記
愛妻日記
重松 清
愛妻日記/重松清
講談社
1680円
☆☆
-18指定の重松清。
奥様には隠れて読んでほしいのです。
夫のゆがんだ情欲を描く、初の性愛小説集。

(感想)
これまで家族をテーマにした作品の多かった重松清さんが、
「匿名で官能小説を書いてほしい」という依頼を受け、
直木三十六(笑唖然)の名義で書いたものです。

官能小説..一瞬迷いもありましたが、
あの重松さんが書くのであればてれちゃうと思い切って読んでみました。

けど、う〜ん...汗
女性が読むのと男性が読むのでは、
とらえ方がまったく違ってくるテーマだと思うので
あくまで女性の視点で語らせていただきますと、
やはり性描写が多く、読むのに疲れるたらーっ
もう、いいよ!という気がしないでもない。
ま、そういう小説なんだから仕方ないんだけど。

男の人ってほんとにこんなこと考えたり、望んだりしてるんですかねぇ?
呆れつつ、かわいさも感じてしまいました。
| comments(2) | trackbacks(0) | 09:48 | category:    重松清 |
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