隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# ランチタイム・ブルー

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ランチタイム・ブルー / 永井するみ(集英社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

29歳。独り暮らし。恋も仕事も行き先不明!?

駆け出しのインテリア・コーディネーター知鶴の日常は

ささやかな事件と隣り合わせ。

 

 

 

(感想)

 

30歳を目前にし、人生に焦るはじめてる女性・庄野知鶴。

思い切ってインテリアコーディネーターを目指して再就職。

知鶴の日常に起きるミステリーと、

少しずつ成長していく知鶴の姿を描く連作短編です。

カテゴリーとしては、ミステリーと恋愛小説のミックスのような感じかな?

 

読者のミスリードを誘うような書き方をしてる部分も多く、

「あ!そっちか!!」と意外なオチに驚かされたりww

けど、だいたいは特に感情を揺さぶられることなく淡々と読めました。

 

特に好きなのは「ウィークエンド・ハウス」。

普段は仕事をバリバリこなす上司の広瀬さんの

かわいらしさが垣間見られた章です。

しかし、その後の章では広瀬さんとあの男性が

どうなるかにはまったく触れずに終わっちゃったのは残念。

全体的に広瀬さんのエピソードがもっと多ければ、もっと面白くなったはず!

続編もありそうな終わり方だったので、

「もしするみさんが生きてたら・・・」なんて考えても仕方のないことを考えてしまいました。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:10 | category:    永井するみ |
# 秘密は日記に隠すもの
評価:
永井 するみ
双葉社
¥ 1,365
(2012-07-18)

JUGEMテーマ:小説全般

 秘密は日記に隠すもの / 永井するみ(双葉社)

 評価 ☆☆☆


4つのお話しがちょっとずつつながっている短編集。
日記形式になっていて、主人公達は誰にも話せない自分だけの思いをしたためます。
しかしそこは永井さん・・・・主人公のまわりにいる人も読者も騙されるような
あっと驚く仕掛けがあるんですね〜。
日記ってそもそも人に読ませるものじゃないけど、
その思い込みが読み間違えを誘うんです(笑)

いちばん最初に収録されている「トロフィー」の時点では
まだこの作品の雰囲気になじめなずにいたけど、
「道化師」ではあっと驚かされ、「サムシングブルー」は小気味が良く、
「夫婦」は行きすぎな感も否めないけどブラックユーモア性も感じました。


実は今日まで永井するみさんがお亡くなりになったということを知らずにいました。
この記事を書くために調べ物をしているうちに知り、大変驚いています。
今回、永井さんの作品を久々に読むな〜と思ったのだけど、
亡くなったのは2010年で死因も公表されていないということ。
私にとって永井するみさんは女性なら誰しもが興味を持ちそうな世界を舞台にし、
そこにミステリーや不思議を上手に織り込んでいる作家さんという印象でした。
特に好きな著作は「グラデーション」かな?
永井さん、ものすごく遅くなってしまいましたがご冥福をお祈りします。
まだまだ読んでない本はたくさんあるので、ゆっくりじっくり読んでいきますからね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:06 | category:    永井するみ |
# マノロブラニクには早すぎる
評価:
永井 するみ
ポプラ社
¥ 1,680
(2009-10)
コメント:「プラダを着た悪魔」風

JUGEMテーマ:小説全般 
 ● マノロブラニクには早すぎる / 永井するみ
 ● ポプラ社
 ● 1680円
 ● 評価 ☆☆☆
翻訳文学の編集者を目指して出版社に入社した世里が配属されたのは、
よりにもよってまったく興味も自信もない、華やかなファッション誌
しかし、その裏側には女のプライドがせめぎ合い、ゴシップがあふれていた。
厳しい現場の中で、自分の居場所を見失っていた世里だが、
彼女の前に現れた中学生・太一との出会いによって、少しずつ自分らしさを取り戻していく―。
 

(感想)

永井するみさんは女性なら必ず興味を持ちそうな世界に着目し、
そこにサスペンスや謎解き要素を絡めてしまうのが異常にうまい
女性ならではの視点ですよね〜。
あらすじをザッと読んだだけで、ついつい興味をそそられてしまいます。

このお話の舞台は人気女性ファッション誌の編集室。
センスのない女の子が、ファッションの分野に配属されてしまうが、
魅力的な先輩に感化され、いつしかファッションにとどまらず、
編集者としても人間としても成長していくサクセスストーリー。
なんかどっかに聞いたことあるような話だな・・・と思ったら「プラダを着た悪魔」に似てない?
あれにちょっとサスペンス要素を織り交ぜたようなお話です。

けど、洋服や髪形、メイクよりも靴にこだわりを持って美しくしている女性って、
たしかにおしゃれの上級者ってイメージ。
「靴を見ればその人がわかる」ってきっとほんとのことだと思う。
そうなると、いつもスニーカーばっかで、多少汚れても平気ではいてる私はダメだなぁ。
しかもお恥ずかしいことにマノロブラニクというブランドもこれを読むまで知らず、
さっそく検索してお勉強した次第です
タイトルに使われるのも納得なくらい洗練された素敵な靴ばかりでした。

んー、でも大の大人と中学生がいくら理由があるとはいえ、
メールしたり二人で会ったりこんなに交流を持つなんて
普通の大人の感覚ですればありえないし、
死んだカメラマンの不倫相手も早い段階で誰なのか予想がついてしまう。
うーん、いまひとつ。

女として常にきれいにしていなきゃ、と背筋がピンとするような気持にはなるわな。
女子力アップしそうな女子が読む小説ですね。男性にはおすすめしません。
| comments(0) | trackbacks(0) | 17:06 | category:    永井するみ |
# 悪いことはしていない
評価:
永井 するみ
毎日新聞社
¥ 1,680
(2009-03-20)
コメント:タイトルも装丁も良くないなぁ

JUGEMテーマ:小説全般
● 悪いことはしていない / 永井するみ
● 毎日新聞社
● 1680円
● 評価 ☆☆☆
大手企業リーロテックに入社して4年。
真野穂波は、尊敬する上司・山之辺の秘書として慌ただしくも充実した日々を送っていた。
唯一気になるのは、仕事が忙しすぎてプライベートな時間がまったくないこと
そんなある日、同期の亜衣が突然失踪する。
亜衣の部屋を訪ねた穂波は、そこで大量に散乱するピスタチオナッツの殻を見つけ・・・・・。



(感想)

数時間でかる〜く読めてしまいました。
ミステリーとしては弱いような気がするし、
女性の生き方を描いたものというほど女として共感できるものでもない。
うーん、読みやすいけど、読後に何も残らない作品といった印象です。

穂波はまじめにしっかり生きている女性という印象で好感持てるけど、
あんなことがあってからも亜衣と友人関係を続け、しかも家に泊めたりできるってすげー
怖いな〜、私なら絶対ムリ

んで、このタイトルと装丁・・・なんとかならないの
タイトルも表紙のデザインも意味わかりません
「悪いことはしていない」、まぁたしかに主人公はなーんにも悪くはないんだけど、
もっと何かなかったのでしょうか。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:43 | category:    永井するみ |
# グラニテ

評価:
永井 するみ
集英社
¥ 1,890
(2008-07)
コメント:「母と娘」が「女と女」に変わる時
JUGEMテーマ:小説全般
●グラニテ/永井するみ
●集英社
●1890円
●評価 ☆☆☆☆
趣味のケーキ作りが高じて、小さなケーキショップを経営していた万里だが、
夫が40代の若さで急死し、今は娘の唯香と二人で暮らしている。
店は今や人気のカフェへと拡大し、3店舗を経営する経営者となった。
一回りも年下で映画監督の恋人・凌駕もいて順風満帆に思えた万里の生活だったが、
凌駕と唯香と出会ったことで母子の関係に変化があらわれはじめる・・・。




(感想)
一回りも年下で、しかもちょっと有名な映画監督が恋人であることを娘に隠している母。
その恋人が娘にはじめて出会った時、
彼は娘の天性の輝きに気づき、ぜひ次回作に女優として出てほしいと懇願。
万里が映画出演に反対したもんだから母子の間に亀裂が生じてしまいます。

手元で大事に育ててきた娘が急に大人になっていくことに抵抗してしまう母。
はじめて情熱を向けられるものを見つけ、無我夢中で大人になろうとする唯香。
それだけならまだしも、唯香は自分を引き出してくれた凌駕に恋心まで抱いてしまい、
なんだかもうドロドロ
でもこういう展開、昼ドラ好きな私には楽しかった

「母と娘」という関係がどんどん「女と女」になってくる。
まだまだ子供だと思っていた娘が「女」として自分と同じ土俵で勝負しようとしている。
自分の手の中にいると思っていたのに、
演技への自信と恋によって圧倒的なパワーを得て、
別人のように変化していく娘を目の当たりにする恐怖。
しかも彼女をここまで磨いたのは自分の恋人
母としてじゃない、万里の女としての本音があまりに生々しい。
万里にも唯香にも共感は難しいけど、
二人とも本音で戦い抜いたことに間違いはなく、
ぶつかりあった末にできた映画を見ることによって雪解けしたのはなんとなく納得。
ラストがあっさりしすぎて拍子抜けしたけど、母子の本当の絆ってこういうものですよね

指揮者の奥様が万里に言った本音には「おおーっ」拍手ものです
こんなにハッキリ言えたら気持ちいい。
そうよね、よく考えると万里って嫌な女よね

タイトルのグラニテとはシャーベット状の氷菓のこと。
冷凍庫で少し固めたらフォークでかき混ぜて、また冷蔵庫へ戻し、
それを丁寧に何度も繰り返して作るのですが、
ちょっとかき混ぜるタイミングがずれると台無しになってしまう難しいお菓子。
二人の関係はグラニテをいい加減にかき混ぜたようにザラザラしてしまった。
丁寧に時間をかければなめらかになったはずなのに・・・。
グラニテというキーワードは奥が深いものがありました。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:54 | category:    永井するみ |
# グラデーション
グラデーション
グラデーション
永井 するみ
JUGEMテーマ:読書

グラデーション/永井するみ
光文社
1680円
評価 ☆☆☆☆
一つ一つ、迷ったらいい。
歩き続けていれば、日々は色濃くなってゆくものだからニコニコ
14歳、16歳、17歳、18歳、19歳、20歳、22歳、23歳・・・。
ある女の子の進学や恋愛、就職の悩み……
誰にでも訪れる当たり前のような出来事を自分らしく受け止め、
大人の入り口に立つまでを丁寧に辿る、心地よい成長小説。



(感想)
主人公の真紀は地味で平凡な女の子。
クラスメイトの女の子達がきゃあきゃあ盛り上がる
男の子の話題やゴシップめいた噂話は苦手。
そんな自分がひどくお堅い、
陰気な人間のような気がしてひそかに自己嫌悪に陥る・・・そんな子。
おおよそ主人公には向いてないタイプの真紀ですが、
私には強く共感できる部分が多く、愛すべき主人公でした(笑)

真紀のような子を見てくれている男の子がちゃんといること、
真紀の良さをすぐに見抜いてくれる同級生がいることを嬉しく感じ、
なんだか私自身が真紀になったかのように
すごくリアルに感情移入できたんですよね猫2

中学・高校・大学で真紀と仲良くなる女の子たちにも
それぞれに愛すべき点があって、
いつしか彼女たちのことも大好きになってました。
彼女たちとの関係、母や姉との関係・・・
女性なら必ずどこかで懐かしさを感じ取るアンテナが反応しちゃうはず。
女性向けの作品といえるのかな。

クラスの気の合わない女の子たちとの付き合いがうっとおしいとか、
友達に彼氏ができたことにプレッシャーを感じたりとか、
10代のころはそんなことが大きな大きな悩みだった。
そんな時代を懐かしく思い出してしまいました。

どの章もスパッと完結しているわけでなく、
どこか尻切れで物足りなさを感じてしまうように唐突に締めくくられます。
でも、読了した今になって思うと、
その作為的な書き方はとても意味のあることに思える。
真紀の人生は文章に描かれてない部分でも存在していて、
ここに描かれているのは
彼女の人生のほんと些細なエピソードにすぎないと感じさせるのに効果的。
より強く、彼女をリアルに感じさせます。

真紀は高校で美術アートの楽しさに触れ、
その方面の学校へ進むことになるのですが、
そうでなくてもこの「グラデーション」ってタイトルはいいなぁポッ
迷い、傷つきながらも、
どんどん自分という色を濃くしていく・・・だから「グラデーション」。
少しづつ自分色に色づいていく等身大の主人公が瑞々しい。
大きなドラマはないけど、
自分の近くにもいそうな誰かの青春をのぞき見るような心地よい作品でした。
| comments(4) | trackbacks(1) | 11:26 | category:    永井するみ |
# ドロップス
ドロップス
ドロップス
永井 するみ
ドロップス/永井するみ
講談社
1575円
評価 ☆☆☆
やりがいのある仕事と家庭を持ち、
他人から見れば幸せに見える結婚生活を送るフリー編集者。
高校の同級生に言い寄られる、バツイチ子持ち美女。
奔放な恋愛をしてるように見えて、
実は10歳も年下のピアニストが気になるシングルマザーのソプラノ歌手。
かつての略奪愛を経て、夫と静かに暮らすホール経営者。
4人の女、それぞれの仕事と恋。



(感想)
ある音楽ホールムードを中心として、
4人の女性の不安と不満に満ちた日常を描きます。
各章ごとに、4人のうちの誰かが主人公となる連作タイプのお話です。

やりがいのある仕事だったり、独身の気楽さだったり、
幸福に見える家庭であったり・・・
4人はそれぞれ他人から≪羨ましがられるもの≫を持っています。
でも本人は人には見えない部分で悩んでて、満たされていない。
自分のもっていないものこそ欲しい。
愛されるだけじゃなくて、愛したい。
恋愛ラブ・仕事ビル・結婚指輪・子育て赤ちゃん
一通りの経験をした30代だからこそ見えてくる迷いが見事に描かれています。

いろんな形の幸福があって、
いろんな考え方があって、だからズレも生じてくる。
夫婦であれ、親子であれ、まったく別の人間なのだから
どこかで折り合いをつけて生きていかなければならないってことだね。

女性心理の描写のうまさにはドキッとします。
言い当てられたようなバツの悪〜いかんじ?
「同窓会は今の自分に自信の持てる者だけが参加するもの」なんて
きっついこと言うな〜と思うけどわかるひやひや
夏香と遼子の行った同窓会にはバツイチの女性は遼子しか来ていなかったけど、
たしかに実際にこの夏にあった私たちの同窓会にも、
バツイチの子は一人も来てなかった(市内に残ってる子ですら何人かいるはずなのに)

これで男側の思惑も描かれていればひと味違ったのかも。
ぜひぜひこれの男性バージョンを読んでみたいな猫2

各章、ちょっとスッキリしない締め方ではあったんだけど、
最後の最後で4人すべての悩みがうまく解決できたようで嬉しい
ラストはキレイにおさまってたと思います。

それにしても、この装丁のダサさはなにーっひやひや
色の配色といい、ハートとクローバーといいあせあせ
稀に見るダサさゆえに書店で目立っちゃうような恐るべきデザインですねモゴモゴ



●この本が好きな人におすすめなのは
いつか記憶からこぼれ落ちるとしても/江國香織
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:35 | category:    永井するみ |
# 年に一度、の二人
年に一度、の二人
年に一度、の二人
永井 するみ
年に一度、の二人/永井するみ
講談社
1575円
評価 ☆☆
香港で出会った二組のカップル。
ハッピーバレー競馬場で楽しい時間を過ごし、
「一年後のこの日、ここでまた会おう」と約束するが、
お互いの連絡先は教えあわぬまま・・・。
どちらかが来なければその時はその時でおしまい。それだけの関係。
果たして二人はもう一度、再会することができるのか・・・。




(感想)
永井するみさんというと、
美容やファッション業界など女性にとって興味深い世界をテーマに描いてくれる
作家というイメージでしたが、今回は「競馬場」。
まずはここにう〜ん・・・つまずいてしまいました。

一話目は過去に一度だけ仕事で顔を合わせたことのある男女が、
香港で行われたインテリア家の展示会で再会して急接近していく話。

二話目は香港のホテルの喫茶室ホットコーヒーでの小さなトラブルで出会った若い男女が
成り行きから二人で競馬場へ行くことになり、
女は彼の言葉から自分の可能性に気付かされるという話。

どちらもすごく中途半端な終わり方をしているのですが、
三話目でその二組がなんとなくリンクし、結末に向かうといった構成・・・。

タイトルそのまま、七夕みたいに「年に一度しか会えない男女」の話なんだけど、
情熱的なモノが文章から伝わってこず、
恋愛ものラブにしては淡白で盛り上がりがない本でした[:がく〜:]
七夕のようなロマンティックもまないし、
いまいち世界観にこめり込めない、引き込まれない泣き顔
恋愛小説を読みたい人にはおすすめしませんたらーっ



けど・・・。
自分の夫や恋人が、
自分以外の異性と隠れてコソコソ頻繁に会って浮気してたとかより、
年に一度、決まった日に、しかも海外で会われてたなんて
裏切られた時のショック度はこっちの方が高いような・・・汗
・・・と、なぜか浮気される側に立ってみたら無性に悔しくなりましたあせあせ
| comments(0) | trackbacks(0) | 09:01 | category:    永井するみ |
# ビネツ
ビネツ
ビネツ
永井 するみ
ビネツ/永井するみ
小学館
1890円
評価 ☆☆☆
青山の高級エステサロン『ヴィーナスの手』。
サロンオーナーの安芸津京子にヘッドハントされた麻美は、
その手の特性から“神の手パー”の再来ともてはやされる。
このサロンにはかつてサリという神の手を持つエステティシャンがいたが、
六年前に何者かに殺害されていた。
京子と夫、サロンに通う客たち、京子の息子・柊也などの愛憎が
複雑に絡み合いながら物語は展開するが―。



(感想)
永井するみさんの作品はどれもサクサクと読める読みやすい本ばかり。
これも例外ではなく、
面白くてあっという間に読み終えてしまいました。

女性を美しくするエステ業界の内幕を描いていますが、
美の追求よりも
女性の汚い部分を見せられることにより面白さをかんじるイヒヒ

自分よりモテる女・デキる女に対する僻みと嫉妬。
これが出てくれば出てくるほど面白い。
(私ってイヤな女!?でもこれが女の本音でしょ!?

「きれいになりたい」・・・そう思っている女性たち。
でも彼女達の中身は打算と嫉妬で真っ黒!!

エステ口紅という世界はほとんどが女性だけで構成されています女女女
だからこそこんなにもこの小説はドロドロしているのです。
男性は覚悟して読んでください(笑)



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
さくら草/永井するみ
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:44 | category:    永井するみ |
# さくら草
さくら草
さくら草
永井 するみ
さくら草/永井するみ
東京創元社
1995円
評価 ☆☆☆
殺害された少女たちが身にまとっていたのは、
ローティーンに絶大な人気を誇る
ジュニアブランド・プリムローズの服Tシャツだった。
亡くなった少女たちに何があったのか!?
事件に揺り動かされる女たちを描く長編ミステリー。



(感想)
女たちの「美しくありたいキスマーク」という執念は凄まじい。
幼い少女でさえも持つこの願望。
ブランドにはこだわらない私には理解を越える話ではありましたが、
ファッション界を舞台にし、
美へこだわったテーマは女性読者には
とても興味深い分野を扱った小説だと思います。

娘を美しく着飾りたい・
ブランドの持つ上品なイメージを守りたい...
思いは異なるけど、
どの女もそれぞれの形でプリムローズに執着する
(そう、「愛する」というより「執着する」と言ったほうが正しいかも)

なのに、女たちのプリムローズへの激しい思いをここまで描いておきながら、
あの人が犯人だったなんて少々拍子抜けです。
安っぽい結末がとても残念でした。


●この本が好きな人におすすめなのは・・・
ビネツ/永井するみ

(こちらはエステ業界のお話です)
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:21 | category:    永井するみ |
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