隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 人間小唄
評価:
町田 康
講談社
¥ 1,575
(2010-10-19)
コメント:他の町田作品に比べると小品だけれども・・・

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 人間小唄 / 町田康
 ● 講談社
 ● 1575円
 ● 評価 ☆☆☆
自分の短歌を無断引用した作家を拉致監禁し、
ある条件をクリアすれば解放してやると約束した俺。
その条件とは「俺の気に入る短歌を作る」「ラーメンと餃子の店を開店し人気店にする」「暗殺」、
このどれか1つをクリアすれば自由にしてやろう。
だが、事態は思わぬ方向へ…。
パンク純文学作家が放つ書き下ろし長編小説。



(感想)

町田康の持ち味全開!!相変わらずバカな話だったなー。
常識もへったくれもない。不条理もなんのその。
町田ワールドでは何があっても許される、っていうか許してしまうわ。

いきなり短歌の解説なんかから始まるし、
正直、前半はなかなかこの物語の世界に入り込めずに面白くはない。
でもラーメン屋経営がはじまるあたりからヒートアップ!
リズム感も出てきて、どんどん読ませます。

「告白」や「宿屋めぐり」みたいな圧倒的なスケールや
魂を揺さぶられるような鳥肌モノの興奮はないけど、これはこれで面白かった。
やっぱり町田さんの作品はバカバカしくないとね。

それにしても町田さんの作品にスピッツがでてくるとはなぁ。
びっくりした。
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:19 | category:    町田康 |
# 東京飄然
評価:
町田 康
中央公論新社
¥ 840
(2009-11-24)
コメント:串カツを食べるたびに、この本を思いだしそう・・・笑

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 東京飄然 / 町田康
 ● 中公文庫
 ● 840円
 ● 評価 ☆☆☆☆
風に誘われ花に誘われ、カメラを携えて、ぶらりと歩いてみたくなった。
作家の目にうつった幻想的な東京。著者による写真多数。


(感想)

相変わらずのバカバカしさ、ゆるさ・・・大好きです
「東京飄然」のタイトルそのまま、ぶらりと歩いて見たこと感じたこと。
ストーリーなんて、なんにもないない。でも、雰囲気とバカバカしさでかなーり笑える。
でも、笑えるなかにも、うまくいかない人生のもどかしさや哀しさも感じるんですよねぇ。
エッセイだという人もいるけど、私は小説なんじゃないかな、と思います。

特にもう串カツの話がおかしくておかしくて・・・
通常なら串カツの定食には串カツ8本付いてくるんだけど、店側の間違いで7本しかもらえなかった。
なのにその間違いを指摘することもできずにおめおめで帰ってきてしまったことが
何日も何日も気になって仕方ない。
「しょせん俺は串カツを7本しかもらいないチンケな男」と思ってしまい、何に対してもやる気が起きない。
そのもどかしさに決着をつけるために、他の串カツ屋さんを探し求めるのですが・・・。
ああー、バカバカしい。
これを読んだ人は一生、串カツを食べるたびにこの本を思いだすんだろうなぁ。

串カツのインパクトが強すぎて、他にはどんなエピソードがあったのか忘れてしまった。
けど、それもオッケーなくらい満足度は高い。
やっぱり町田康はすごい
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:28 | category:    町田康 |
# 真説・外道の潮騒

評価:
町田 康
角川グループパブリッシング
¥ 1,785
(2008-10-31)
コメント:「実録・外道の条件」から8年・・・またしても起こって(怒って)しまいました。
JUGEMテーマ:読書
●真説・外道の潮騒/町田康
●角川書店
●1785円 
●評価 ☆☆☆
年少者は年長者を敬い、大事にしなければならない・・・それが「長幼の序」である。
長幼の序を重んじる俺ははるか年上の演出家、宗田さんに
外国に行ってテレビに出演しろ、と言われる。
そんなことをするのは嫌で仕方なかったのだけれども、
長幼の序の精神に則ると無下に断るのも憚られ、
話だけでも聞こう、と思ったことからすべては始まった・・・。




(感想)
年上の演出家に頼まれ、ドキュメンタリー番組に出演することになったマーチダ。
番組のテーマは尊敬する作家・ブコウスキーの人生を辿る「マーチダコーの精神の旅」。
行き先はロサンゼルスということは決まったが、
ディレクターの稲村チャルベという男が
マスコミの常識(つまり社会の非常識)でしか物事を進められない男で、
スケジュールが定まらず、番組自体への納得もいかないままに出発の日を迎えてしまう
当然、ロスでの撮影もスムーズにいくはずはなく、
マーチダたちはチャルベ達マスコミのめちゃくちゃぶりに振り回されていきます

常識では許されないようなマスコミの外道っぷりを描く「実録・外道の条件」に次ぐ第2弾。
思えば、私がいちばん初めに読んだ町田康作品が「実録・外道の条件」でした。
どこまでが真実なのか(もしくは全部が作り話なのか)まったく判断できず、
エッセイでも小説でもないこの妙な味わいの虜になってしまったのです。

今回の「真説・外道の潮騒」でもマーチダは怒っています。
マスコミの人間には社会の常識的なことを言えば言うほど話が通じなくなる。
人の話を聞かず、ルールを守らず、自分を押し切ろうとする。
マスコミという変わった社会に対する怒るるマーチダのメッセージ。

でも、100%チャルベが悪いかと言われるとそうじゃない。
話をじっくりと煮詰めず、はっきりしないままにここまできたマーチダにも責任があり、
一方的にチャルベだけを責める資格はないんですよね〜。
もちろん、チャルベとマーチダだけじゃなく、
この撮影に関わっている人すべてに至らない点があるからこんな状況になったんだけど

まさに「人の振り見て我が振り直せ」な作品。
あんたら、みんな同罪だよ。

クスクス笑いはあったけど、他の作品に比べると笑えるポイントは少なかったです。



| comments(0) | trackbacks(0) | 11:55 | category:    町田康 |
# 宿屋めぐり

評価:
町田 康
講談社
¥ 1,995
(2008-08-07)
コメント:「告白」を好きな人に読んでほしいです
JUGEMテーマ:小説全般
●宿屋めぐり/町田康
●講談社
1995円
評価 ☆☆☆☆☆
主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅をする鋤名彦名は、
巨大なわけのわからない虫のくにゅくにゅした体内に飲み込まれ、「偽」の世界にはまりこむ。
嘘つきに騙され、そして自分も人を騙しながらの嘘にまみれた壮絶な道中。
その苦行の果てに待ち受けるものは・・・。



(感想)
大好きな大好きな町田康さんの新作。
あー、面白かった

手にした瞬間から鳥肌が立つほど楽しみだった思えた本は久しぶり。
602ページの分厚さは傑作「告白」を彷彿とさせ、
この何ともいえない不気味な表紙も期待感を増します。
しかし恐ろしげなので表紙だけにとどまらず、1ページ開いて「ギャー
嫌な予感がして後ろの方からも開いてみるとさらに恐怖は襲う

主人公は徹底的にダメな人です。
人を騙し騙されて、調子にのるとやりたい放題で。
で、思い通りにいかないことには必ず誰かのせいにして言い訳をし、
自分の悪行を正当化しようとするとこなんかサイテーのクズね。
ほんとずーっとクズクズバカバカ思いながら読んでるんだけど、
でも、うまくいかないことを社会や他人のせいにしたりすることって誰にでもあるし、
そんな自分に気づいちゃうと主人公の心の葛藤も主の言葉も一つ一つが胸にしみて、
言い当てられたようなバツの悪い感じもある

ふざけた話のように思えるけど、たまにズシンとくることが書いてある。
こういうふうにとんでもない展開のおふざけの皮をかぶせて、
人の生きる道の確信的なとこをついてくるなんて町田康にしかできない技だ。
終盤は「生きるとは」「自分とは」と人生の本質とは何かを訴えかけるような
ずっしりとした重みのある、芯のしっかりした作品。

久々に寝食がおごそかになるほど読み応えのある本に出会いました



あのー、本編とは全然関係ないんだけど・・・、
作中に「布袋」という単語が出てきた時に思わず吹き出してしまいました。
あの騒動って今はどうなったんだろう。仲直りしたのかな?
あんなことがあったのに、あえて「布袋」という単語を使う町田康がたまらなく好き



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
告白/町田康


| comments(0) | trackbacks(0) | 12:33 | category:    町田康 |
# 猫にかまけて
猫にかまけて
猫にかまけて
町田 康
猫にかまけて/町田康
講談社
1680円
評価 ☆☆☆☆☆
写真カメラと文章鉛筆2で綴る、猫猫たちとの暮らし
どうでもいいようなことで悲しんだり怒ったりしているとき、
彼女らはいつも洗練されたやりかたで、
人生にはもっと重要なことがあることを教えてくれた。
猫好きで知られる町田康が書くべくして書いた猫エッセイ。




(感想)
楽しい思い出ぴかぴかあり、猫の死を看取った悲しい思い出あせあせありと
猫好きでなくても相当に楽しめます(事実、私は犬犬派です)

もうね、デレデレじゃないですか(笑)
町田さんの意外な一面発見猫2
猫ちゃんたち、こんなに愛されて幸せだなぁニコニコ

猫の気持ちをうまく理解して、
それを人間語に訳してある部分はウマすぎわーい
猫それぞれの個性がしっかり伝わってきます。
これじゃあ猫を“1匹、2匹”とは呼べなくなるわな汗
気持ちがわかります(笑)

この本の中で町田さんは2匹の猫を看取っていますが、
その章は文章のカンジがいつもとどことなく違います。
そのへんにも確かな愛情を感じました。

町田さんと奥様(家人)が撮った猫ちゃんたちの写真カメラも満載!
すべてカラーで、みんな飾らないいいカオしてました☆


●この本が好きな人におすすめなのは・・・
あたしの一生 猫のダルシーの贈り物/ディー・レディー(訳:江國香織)
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:10 | category:    町田康 |
# 真実真正日記
真実真正日記
真実真正日記
町田 康
真実真正日記/町田康
講談社
1575円
評価 ☆☆☆☆
世間の人は本当のことを知りたがり、
世の中には本当風のことが溢れている。
でもそれらは全部嘘、単純なストーリー。
人々は本当のことなんて知りたがらない。
なぜなら本当のことは疲れるし、
本当の本当のことなんて誰にもわからないから。
僕は作家だ。
僕はストーリー、つまり嘘を書き続けることに疲れた。
だから本当のことだけを書く「真実真正日記」をつけることにしよう・・・。


(感想)
相変わらずの町田節炸裂です猫2

町田本人とも思えなくもない主人公の「僕」。
こんなタイトルがついているけど、
ほとんどが真実であるはずのないような出来事ばかり汗
この馬鹿馬鹿しさ、中身のなさ、どうでもよさがたまらなく好きです!

町田康の本は笑いなしでは読むことはできない。
何気ないことを回りくどく回りくどくおかしみを込めて長ったらしくあらわす。
「活字で笑わせる」ということに関しては天才的なセンスのある人だと思う。
そういう意味でいうと町田康と阿部和重は私の中で確固たる位置にいる。

たとえば・・・
Tシャツ → ティーシャツ
阪神タイガース → 阪神タイガー
ご馳走になる → 馳走になる 
みたいに
通常なら英語表記する所をカタカナにしたり、
ほんのちょっと言葉を省略するだけで異様におかしく感じる。
これが私のツボに絶妙にヒットするんですてれちゃう

しかも今回は作家である「僕」の日記の中に、
現在、「僕」が手がけている小説「悦楽のムラート」のストーリーも書き記されている。
「僕」が考えて書いているはずなのに、
あたかも小説が一人歩きし、
「僕」の望まぬ展開に転がっていく小説・・・。
その展開のめちゃくちゃさにも大いに笑わせていただきましたラッキー

最後にキラリと光るオチがあるのにも一本取られた!!

「僕」が在籍するバンドの名前が
「犬とチャーハンとすき間」って・・・汗
この意味不明なセンスもサイコーるんるんるんるん

よくこんな馬鹿馬鹿しいこと次から次へと浮かぶものだ。
呆れるよりも尊敬
テリブルテリブル。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:20 | category:    町田康 |
# 浄土
浄土
浄土
町田 康
浄土/町田康
講談社
1680円
評価 ☆☆☆
あなたはどぶに立ち汚辱にまみれて立ちつくしている
一個のビバカッパをちゃちゃちゃんと見なければ。
凝視して、そして笑わなければあかぬかったのだ・・・。
THIS IS PUNK!
いま、ここに浄土があらわれる。破天荒なる暴発小説集



(感想)
こういう短編集がいちばん“町田康”らしいラッキー

≪一人でどぶさらい≫だとか
≪本音しか存在しない町≫だとか
もう、そのシチュエーションだけで笑えます。

独特の文体にリズム感ムードがあり、さすがパンク歌手嬉しい
音楽的なセンスが文章鉛筆2にもしっかり生きています。

そして町田さんの本を読むと、
読み始めから、読了してからの数日間の間は口調が似てくる」という
妙な影響力もある猫2

ビバ カッパ!!

登場人物たちが抱えている“不条理に対する怒り”は、
ありえないシチュエーションのおかげで
非現実にとらえてしまうかもしれないけど、
実は私達が現実として抱える怒りとなんら変わりはない。
町田康はそんな日々の怒りをこまかに集めて、
まとめて制裁を加えたのかもしれませんニコニコ
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:17 | category:    町田康 |
# 告白
告白
告白
町田 康
告白/町田康
中央公論新社
1995円
評価 ☆☆☆☆☆
人はなぜ人を殺すのか――。
河内音頭のスタンダードナンバーで実際に起きた大量殺人事件
<河内十人斬り>をモチーフに、
永遠のテーマに迫る渾身の長編小説。



(感想)
文章にするとかわいげのある河内弁。
町田康の独特の文体が主人公・熊太郎の生き方に絶妙に溶け込んだ紛れもない傑作。
私はこんな町田康を待っていたのかもしれない

“思弁家”ゆえに、思いと言葉が一つにつながらず、
世間とうまくコミュニケーションがとれない熊太郎。
村の人間には馬鹿かやくざか厄介者と思われてしまっているけど、
ほんとは生きるのが下手なだけのいいやつ。

自分はこのままで終わる人間ではない・・・
いつかは・・・
そう思い続いてきた熊太郎の行く末は、
自分を利用し、馬鹿にし、裏切った人間たちとその親族達を大量に殺すこと・・・!!

終盤までは決して人前では読めない(必ずふきだしてしまうから)
くほほと笑いのこぼれる町田ワールドですが、
大量殺人の場面以降は笑いどころか凄まじさに圧倒されながら震えて読みました

弥五郎と熊太郎の関係も素晴らしい。
男同士っていいですねぴかぴか
熊太郎への恩を忘れず、絶対的に味方をしてきた弥五郎の中に
たった一度だけの迷いが出たときに起こってしまった事件。
あのときの弥五郎の後悔・・・
それを思うと女の私でも男泣きしちゃいそう泣き顔
“二人で無茶すること”の結末がああいう形で終わってのは、
二人にとっても読者にとっても幸せなことでした。

人一倍悩み考えているのに、必ず失敗や後悔を引き起こす。
熊太郎は人間くさすぎるといっていいほど、人間らしかった。
人間のもっとも根源にある泥臭さや醜さ、
そして逆に美しさも嫌というほどに見せ付けられる魂の小説でした。


●この本が好きな人におすすめなのは・・・
セイジ/辻内智貴
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:25 | category:    町田康 |
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