隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
<< April 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
# ペテロの葬列
評価:
宮部 みゆき
集英社
¥ 1,944
(2013-12-20)

JUGEMテーマ:小説全般

ペテロの葬列 / 宮部みゆき(集英社)

評価 ☆☆☆


今多コンツェルン会長室直属・グループ広報室に勤める杉村三郎はある日、
拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。
事件は3時間ほどであっけなく解決したかに見えたのだが―。
しかし、そこからが本当の謎の始まりだった!!
『誰か』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ待望の第3弾。



(感想)

「誰か」「名もなき毒」に続くシリーズ第三弾です。

ある意味、衝撃的なラストでした。
主人公が巻き込まれてしまった事件とその真相を解くあたりは
これまでの宮部作品に比べると引き込まれない。
登場人物の描き方が浅く、胸に切実に迫っくるものがない。
始終、夢中になって作品に入り込めないもどかしさを感じながら読みました。

てか、ネットで他の方の感想もいくつか読んだけど、680ページほどもある長編でありながら、
多くの人の感想はバスジャック事件とミステリー部分そのものではなく、
最後50ページで起きた杉村家内での事件の方に焦点を当ててます。
私もそれ納得!あのラストの展開に全部持っていかれました。

杉村が菜穂子と結婚するために犠牲にしたものはあまりに大きい。
でも、そこまでしたのは菜穂子を愛していたから。
菜穂子がその大きさと、親の富に甘えて自分がぼんやり生きてきたことに気づいたのは
この人にとってはよかったかもしれない。
けど、だからといって彼女がしたこと・選択したことはなんか違う〜。
杉村にとっても、読者にとっても、あまりにひどい。後味悪すぎ。
結局は菜穂子って自分のしたいことは絶対に100パー通す人。そこがお嬢様なんだよな〜。
「大人になりたい」のならば、父親のもとを離れて、家族3人でやってみるという方法だってある。
本格的に外で働いてみるという方法だってある。
そこまでは気づけてないところに呆れてしまいます。
何だかんだいって、今のお金に不自由しない豊かな地位だけは絶対に捨てられない人なんだ。
最後の最後にこんな展開だなんてあまりに残念です。

こうなってくると最後にこういう展開に持っていくための伏線だった「赤い自転車のエピソード」は
読後に改めて考えるととにかく切ないの一言。
これまでの2作を読んで、
杉村は菜穂子のために、娘の桃子のために、これまでの自分を捨ててこの家に入り、
その人生に納得してるかのように私は感じていたのですが、やはり本心では違ったのか・・・。
杉村さん、今度どんな風に生きていくのだろう。

第4弾はあるのでしょうか?
杉村さんの今後が気になるけど、なーんかもう読まなくてもいいかも。
ほんとに探偵になっちゃう展開も違うと思うし・・・・なんだかなぁ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:08 | category:    宮部みゆき |
# ソロモンの偽証 第III部 法廷
JUGEMテーマ:小説全般

 ソロモンの偽証 第III部 法廷 / 宮部みゆき

 評価 ☆☆☆☆




第III部突入。舞台はついに法廷へ〜〜。

面白い。引き込まれる。それは間違いない。
でも、でも、この子たち本当に中学生!?
それを考えだしちゃうとダメなんですね(-_-;)
いくら賢くってもこんな中学生いねーだろ。
一人ならまぁ譲歩しよう。
でも藤野さん・神原君・井上君・・・化け物みたいな中学生が3人も・・・。
その辺があまりにも作り物っぽいのが気になりました。

ほとんど裁判の場面ばかりなので、気筬兇鉾罎戮篤匹猜も弛んできます。
最後に大きな秘密を携えて証人席へ座る人物も予想した通りの人物です。
でも、主要キャラはもちろんのこと、
陪審員の山埜さんや蒲田さん、溝口さんなど
これまであまり目立ってこなかった人物の成長も1人1人丁寧に描かれ、
中学生達はきちんと描かれていると思う。
でも、敬瑤任粒斉發気鵑良舛方はあまりにも粗いのではないかな〜。
どうして急に改心してるのよ??
(先生たちも生徒達とこの人を会わせちゃダメでしょ、危険すぎるわ)

エピローグで大人になった野田君が「あの裁判が終わってから、僕ら友達になりました。」と言っているけど、「僕ら」とははたして誰のことなんだろう。
神原君?大出君?もしかして関係者全員?
宮部さんは誰のつもりで書いたのか気になって仕方ない。
野田君だけでなく、みんながどんな大人になったのかとても興味があります。
いつか別の作品ででもいいので、大人になった彼らに会いたいです。
 
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:07 | category:    宮部みゆき |
# ソロモンの偽証 第II部 決意
JUGEMテーマ:小説全般

 ソロモンの偽証 第II部 決意 / 宮部みゆき

 評価 ☆☆☆☆☆



自分たちのまわりで起きた事件なのに、
クラスメートが2人も死んでいるのに真相がわからない。
中学3年生は年齢的にはたしかに子供で、大人として扱われることはない。
でも、善悪の分別はある。法律だって理解できる。
だから彼らは自分たちで真実を見つけることを選択した。
局瑤離ーワードは「覚悟」。
この年齢だからこそ感じるモヤモヤ感、
この年齢だから堂々と振りかざせる正義感・・・それが彼らを奮い立たせたのかもしれない。

優等生・不良・いじめられっこ・空気のような存在・・・
様々なタイプの生徒が1つの真実に向かって進もうとする姿、
局瑤呂泙襪燃惘爛潺好謄蝓爾里茲Δ任靴拭
涼子であれ、大出であれ、
どんどん「こんな中学生いねーよ」というキャラになってきてるんだけど、もういい。
面白いからいい。
こんな分厚い小説を狂ったように読みふけられる幸せを久々に味わってるからもういいよ。

とにかく今は神原くんが謎で気持ち悪いのです。
樹理や垣内美奈絵ももう一回くらいは爆発するんだろうし、はやく敬瑤読みたいねぇ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:44 | category:    宮部みゆき |
# ソロモンの偽証 第I部 事件
JUGEMテーマ:小説全般

 ソロモンの偽証 第I部 事件 / 宮部みゆき

 評価 ☆☆☆☆☆



本来なら敬瑤泙覇匹鵑任らまとめて感想書くつもりだったけど、
図書館本だし続きはいつ読めるかわからない。
早めに書いておかないと吃瑤隆響柬困譴舛磴い修Δ覆里能颪い討靴泙い泙后

一言で言うと、これぞ宮部さん!
吃瑤世韻婆740ページもあるのに早く続きが読みたくて読みたくて
寝食忘れて読んでしまいました。
私、最近はミステリーものから遠ざかっていたということもあり、
久しぶりに新鮮だったというのもあるのかなぁ。
局瑤泙任能わりかと思いきや、敬瑤泙任△襪里諭ΑΑΔ垢瓦ぅ椒螢紂璽燹
このボリュームがあと2冊も続くというのに、
げんなりした気分になるどころか楽しみで仕方ないっていうのが凄い。

クリスマスの朝に中学校の校庭でこの学校の生徒の死体が発見される。
自殺か、他殺か。
そしてそれに続くように起こる新しい事件。
生徒・父兄・教師・・・からゆる角度から事件を見つめていくミステリーですが、
とにかく一人一人の心理描写が秀逸。
たしかに一人一人を丁寧に描くとこの分量になりますよねぇ。
唯一、藤野涼子だけが中学生としては考えが大人だし、
完璧なすぎて「こんな子いねーだろ」と思ってしまったのがアレですが・・・。

宮部みゆき・・・
現代の作家の中でも、彼女ほど期待を裏切らない人もいませんね。
続きが楽しんで仕方ない。早く借りられますように・・・。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:05 | category:    宮部みゆき |
# 小暮写眞館
評価:
宮部 みゆき
講談社
¥ 1,995
(2010-05-14)
コメント:700ページ強の分厚さにしてはスルスルッと読み終えました。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 小暮写眞館 / 宮部みゆき
 ● 講談社
 ● 1995円
 ● 評価 ☆☆☆
花ちゃんこと英一の両親は結婚20周年を機にマイホームを購入した。
でもそれは普通の家ではなく、
かつて写真館を営んでいた面影が派はっきりと残る「古い写真館」だった。
一般住宅にはない写真館独特の設備のついた風変りな家での新生活が始まったが、
ここを写真館だと勘違いした女の子がおかしな写真を持ち込んだことから
英一は写真の謎を解く調査をやるはめに・・・・。


(感想)

700ページ超えの分厚い迫力に、根性を据えて読まれば!と気合いを入れてとりかかりましたが、
意外にスルスルッと読めました

両親に二人の男の子。
一見、どこにでもあるような平凡な家庭のように思えるけど、
風子という女の子をひとり失っており、それが原因で親戚とも不仲になってしまった一家のお話。
家族全員が風子の死になんらかの責任を感じている。
誰の責任でもないのはわかっているのだけど、責任を感じずにはいられない。
私の家族も弟を失っているので、その心の痛みが手に取るようにわかりました。
どんなに時間がたっても、おそらくその痛みは一生癒えません。
その苦しみもひっくるめて自分なんだと思って生きていかなきゃいけないんですよね・・・。

前半は心霊写真の謎を解くのがメインになりますが、このへんは退屈。
けど、後半は英一の不器用な恋や弟のピカが胸に秘めていた苦しみをメインに構成され、
なかなか読みごたえがあります。
正直、前半の心霊写真のあたりはなくてもよかったような・・・。
宮部さんの作品にしては中毒性のある面白さはありません。

垣本さんと英一がお互いを映したインスタントカメラを交換し、駅で別れるシーンは
強くなった垣本さんの覚悟にこみあげてくるものがありました。
後半になり、装丁の菜の花と桜の中を電車が走っている風景の意味がわかるのですが、
読み終えた今、改めてこの装丁を見ると心がほっこり温かくなるような気がします。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:10 | category:    宮部みゆき |
# 楽園(上)(下)
評価:
宮部 みゆき
文藝春秋
¥ 1,700
(2007-08)
コメント:滋子のための「謎」を描き切らなかったのはナゼ?

JUGEMテーマ:ミステリ
●楽園(上)(下)/宮部みゆき
●文藝春秋
●上下ともに1700円
●評価 ☆☆☆☆
「模倣犯」事件から9年が経った。
事件のショックから立ち直れずにいるフリーライター・前畑滋子のもとに、荻谷敏子という女性が現れる。
12歳で死んだ息子に関する、不思議な依頼だった。
少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、それを絵に描いていたという―。 



(感想)
図書館で上と下を合わせて借りるのに、こんなにも年月がたった。
発売されて1年半もたっていたのですね。やっと読めるぞー
でもさすが人気の本
いろんな人が読んだだけあって、図書館でこんなに汚れてる本は見たことがないってほどに汚れやシミがありました(苦笑)

さて、「模倣犯」の続編ともいうべき作品。あの前畑滋子が主人公です。

グイグイと読ませる力があり、さすが宮部みゆきはうまい。
次から次へとでてくる疑問、浮かび上がる真実。
解き明かしていく上で新たな事件も見えてくる。山場がいくつもあり、読み応えがありました。

あの日、茜さんがしてしまった「とんでもないこと」。
帰宅してあんな態度を取ってしまったのは、茜さんなりに両親に救いを求めていたあらわれ。
最後まで不良娘としてしか描かれてない茜さんにもっと救いの場面が欲しかった。
これじゃあ、最後に不器用なりにも両親を頼った彼女があまりにかわいそう
でも、それでもそんな茜さんを許さなかったのが土井崎夫婦の「親としての愛」だったのかもしれない。
これ以上、茜さんに道を踏み外させてはいけないと・・・。
謎を解きつつも、親の愛に触れる場面が多く、これは「親子の愛」を描いている作品とも言えますよね。

上巻のラストがなんともにくい。
「こんな終わり方はズルイ!すぐ読まずにいられないじゃないか!」と・・・。
休む間もなく下巻に手を伸ばした自分がいました。たぶん、他の読者さんもみんなそうだったのでは(笑)

下巻、最後の最後の土井崎のお母さんの存在感にも圧巻。

それにしても等くんの描いた「山荘の絵」の謎だけが解明されないまま終わってるのが心残り。
等くんははたして誰の記憶を読んでいたのでしょうか?
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:41 | category:    宮部みゆき |
# 名もなき毒
名もなき毒
名もなき毒
宮部 みゆき
JUGEMテーマ:小説全般

名もなき毒/宮部みゆき
幻冬舎
1890円
評価 ☆☆☆☆
財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、
トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、
私立探偵・北見のもとを訪れる。
そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。



(感想)
杉村さんのキャラクターのせいもあるのか、
なんだか全体的にのんびりした印象で、キレがない。
どうせミステリーを読むならもっと緊迫感がある方が好みなので、
そのへんには不満が残ります。

作品は二つの事件が軸になっています。
ひとつは世間を騒がせる青酸カリ無差別殺人事件。
そしてもう一つは杉村さんの職場のアルバイトが起こす困った事件。
事件的には無差別殺人事件の方が大きい事件なんだけど、
読者にとってはこっちはだんだんどうでもよくなってきて、
むしろ杉村さんの職場での事件の方が気になって仕方ないモゴモゴ
それほどこのアルバイトのキャラが強烈でヤバイんです!

タイトルの「名もなき毒」。
この本当の意味は飲み物ホットコーヒーに混入された毒ではなく、
誰もが心に持っている、人間の心の中にある「毒」・・・。
人を羨んだり、自分の置かれた環境を憎むネガティブな心。
私たちの生きる社会にはそうした毒が蔓延している。
私にだってそういう気持ちはないとは言えないし・・・。
おそらく、なくならないであろうこの毒とどう共存していくか。
そこが著者の言いたい一番のテーマなのでは?

最後に杉村さんが考えること。
そして、菜穂子と杉村さんの金銭的な感覚の違いが今まで以上にはっきり現れ、
今後、この家族に何かありそうな伏線を残すラスト。
こんな終わり方されたら続編を期待するしかありませんよねおはな



●この本が好きな人におすすめなのは・・・
誰か/宮部みゆき
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:08 | category:    宮部みゆき |
# ICO 霧の城
ICO  -霧の城-
ICO -霧の城-
宮部 みゆき
ICO 霧の城/宮部みゆき
講談社

評価 ☆☆
「ぼくが君を守る。だから手を離さないで」
頭に角の生えた生贄の少年。
鋼鉄の檻で眠る囚われの少女。
2人が運命を変えることを、「霧の城」は許さない。

(感想)
ゲームゲーム好きとしても有名な宮部みゆきさんが「ICO」というゲームに魅了され、
ノベライズ化の許可を得て書いたのがこの本読書
宮部さんほどの人気作家にここまでさせるとはすごいゲームなんだろうな、とは思いますが
私はゲームのことは何もわからないので、
ここではあくまで一人の宮部ファン・読書好きとして語らせてもらいます。

ミステリー作家・宮部みゆき」を好きな読者には
このテーマ自体が読むのに苦労する題材なのではないでしょうか?

イコの正義感が一方通行なのがもどかしい。
もう一人の主要人物であるヨルダとの間に【人 対 人】の関係が見えない。
そのせいか読者の心にグッと訴えてくるものがない。
ヨルダの人間的な感情を、イコとの関係においてももっと描いてくれればだいぶ違ったと思います。

ストーリーが会話でなく情景描写だけで進んでいくパターンが多いのも、
二人の間に距離を感じる理由のひとつ。
会話が少ないと読者の飽きあせあせも引き起こします。
唯一、人間の血が通っているヨルダを感じられる第3章はすらすらと読めましたが、
他の章は小説としての魅力がなく、
正直、宮部さんの作品を読むのにこんなに苦労するとは思いませんでしたノーノー
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:44 | category:    宮部みゆき |
Categories
Archives
Profile
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Search this site
Sponsored Links