隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# なぎさ
評価:
山本 文緒
角川書店
¥ 1,680
(2013-10-19)

 なぎさ / 山本文緒(角川書店)

 

 評価 ☆☆☆☆


故郷長野を飛び出し、久里浜で静かに暮らしていた冬乃と佐々井夫婦。

佐々井の職場の後輩で元芸人志望・何をやっても中途半端な川崎は、

恋人以外の女性とも関係を持ち、自堕落に日々を過ごしている。

冬のは妹・菫に誘われ、カフェを始めることになるが、

姉妹が開店準備に忙殺されるうち、

佐々井と川崎の身にはそれぞれ大変なことが起こっていた―。

苦難を乗り越え生きることの希望を描く、著者15年ぶりの長編小説!



山本文緒、15年ぶりの長編小説。

15年・・・そんなに経っていたかと正直驚かされました。

でも、大好きな作家さんなので復帰してくれてとても嬉しいです。



誰かと接しながら生きていくということは

「自分だけの思い通りにはならない」ということ。

故郷を逃げるように出てきた佐々井夫婦。

そうしなければならなかったのは家族のせいであるということが

中盤以降で徐々に明らかになっていくのだけど、

家族の縁というものは切っても切れないもので、恋愛以上に複雑なものだね

後味の悪い恋愛を描くことに定評のあった山本さんだけど、

今回は恋愛以上の「切りたくても切れない繋がり」の苦しさを

見せてくれたような気がします。


でも、そんな捨て切ることのできない荷物を抱えていたとしても、

どこかに必ず光は見えて、家族以上の暖かさで包んでくれる優しさに出会える。

そこからジワジワと前に向かう力が湧いてくる・・・それが救いでした。


みんなの選択した未来・・・もうちょうい先まで見せてもらいたい気もしたけど、

明るい未来が見え始めたところであえて締めてしまったあたりも一つの味わいかな?

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:05 | category:    山本文緒 |
# アカペラ
アカペラ
アカペラ
山本 文緒
JUGEMテーマ:小説全般

アカペラ/山本文緒
新潮社
1470円
評価 ☆☆☆☆
じっちゃんと二人で生きる健気な中学生、
20年ぶりに実家に戻ってきたダメ息子、
無職で病弱な弟と暮らす50代の独身女・・・。
明日に大きな期待もせずに静かに生きてる人たちを描く短編集。



(感想)
うつ病の苦しい日々から再生を果たした山本さんの6年ぶりの新作です。
待ってましたよ〜ラッキー

3編とも静かに生きている人の物語。
共通して感じるのは「家族の温かさ」。
きっとこれは数年間の苦しい日々の中で、
山本さんが自分の経験として感じ得たものなのしれません。

地味なように見えるけど、自分の力で生き抜いているえらい人たち。
生きていくって、どこかで諦めも必要だけど、
でも、諦めたって苦しくたって生きていかなければならない。
登場人物のすべてが抱えているやりきれなさがジーンとしみてきます。

・・・。
でも、じっちゃんとゴンタマのアレとかは想像したくなかったなぁ汗
ここまで書く必要ってあるの??
他の2編に比べて表題作の「アカペラ」は
ゴンタマのぎこちない「です・ます調」も含め、全体的に苦しい。
なぜかいちばん出来が良くなく感じるものが本のタイトルになってしまってるのが不思議・・・。
これが冒頭に収められているから少女向けの小説を書いていた頃の
山本さんに戻ってしまったのかと、一瞬あせるけど
一部がちょっと変わった文体で書かれてるだけなのでご安心ください。

本の帯に≪待望の復帰作にして最高傑作!≫と書いてあるけど
これはいくらなんでもいいすぎっひやひや
これを傑作と言ってしまうなんて作家・山本文緒に対して失礼です!!
うーん、うまく言えないけど、今回のはリハビリだと思いたい。
次はこの数年間の苦しい日々で得たもの、
そしてこれまでも光っていた山本さんの苦みのある持ち味、
どちらも上手に生かした新しい山本文緒を見せてほしい。
期待してますウィンク
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:23 | category:    山本文緒 |
# 再婚生活
再婚生活
再婚生活
山本 文緒
再婚生活/山本文緒
角川書店
1470円
評価 ☆☆☆☆
仕事で賞王冠2をもらい、
山手線の円の中にマンションビルを買い、再婚までした。
恵まれすぎだと人は言う。
人にはそう見えるんだろうな、実際そうだしな。
でも私は鬱病になった。
夫婦という葛藤、涙する心と孤独の病・鬱。
やがて病んだ心はゆるやかに再生し、夫婦は家族になっていく。
山本文緒、3年の沈黙を破る告白日記。



(感想)
大好きな作家、山本文緒さんが
病気で苦しんでおられるというウワサは聞いていました。
だから、この本の発売を聞いた時は涙がこぼれる思いでした。

元気に過ごしていると思いきや、
次の日には薬に頼り、何時間も何時間も眠ってしまうアンバランスな日々。

王子(山本さんはご主人をこう呼びます)と一緒にいたい。
でも、自分の生活が王子に侵食されるのが怖い。
王子に非がないことはわかっているから、
こんな風に感じてしまう自分を責めてしまう。
楽しい時間を過ごしても、すぐ疲れてしまい、
遊びに出られない自分に罪悪感を感じる。
もう、心の奥底の感受性まで疲れ切り、
日々のささいな「嬉しい」をキャッチできるアンテナさえ壊えてしまっている。

なのに、それでも身を削るように日記を書く山本さん。
読むのがつらく、「山本さん、もう書かなくてもいいよ」と思うほど痛々しい。
読んでいたのは日中だというのに、
なぜか私まで布団の中で縮こまった姿勢でしか読むことができませんでした。

長く辛い病気との闘いを描いていながらも本のタイトルは「再婚生活」。
「うつ病生活」とかじゃないところに、
この本の本当のテーマが秘められています。
大きな困難の中で山本さんと王子が
別居夫婦という形から「家族」へと変化していくステップに病気があったように感じます。

この本に特にかしこまった締めはありません。
あとがきもありません。
2人の戦いはまだきっと続いている。
2人の生活が穏やかで幸福であることを、
そして2人がもっともっと「家族」になっていくことを望まずにはいられません。

山本さん、おかえなさい
そしてこれからものんびり待っていますウィンク
| comments(4) | trackbacks(0) | 14:20 | category:    山本文緒 |
# 日々是作文
日々是作文
日々是作文
山本 文緒
日々是作文/山本文緒
文藝春秋
1260円
評価 ☆☆☆
31歳の私は離婚したばかりで仕事もお金もなかったあせあせ
けど、41歳の今、再婚して直木賞王冠2までとってしまった!!
あの頃の私にこっそり教えてあげたい、
激動の10年を綴るエッセイ。

(感想)
1993〜2004年の間に、様々な雑誌等に発表したエッセイをまとめた本です。

10年という日々は長く、山本さんを取り巻く状況も変化し、
寄せ集めの作品集なので統一感のなさは否めません。
しかし、すべてが一人の女性の飾らない本音と現実。

山本さんってサバサバした男っぽい性格なんだろうなぁニコニコ
そのへんも好感度高し!

めんどくさいことはイヤ!!
Tシャツも欲しいし、ファミレスディナーだって行く。
コンプレックスだってある。
作家なんて特殊職業に就いてる方とは思えない、
どこにでもいるような女の生活を綴っているように見えるけど、
その観察力、洞察力はやはりプロの技だなーと感服しますニコニコ

特に前半の恋愛エッセイの鋭さは読む価値アリ。

●この本が好きな人におすすめなのは・・・
ぐるぐる日記/田口ランディ
白蛇教異端審問 /桐野夏生
| comments(2) | trackbacks(0) | 11:44 | category:    山本文緒 |
# そして私は一人になった
そして私は一人になった
そして私は一人になった
山本 文緒
そして私は一人になった/山本文緒
幻冬舎文庫
520円
評価 ☆☆☆☆☆
あれほど結婚したかったのに、離婚失恋してしまった。
そして32歳にして、初めての一人暮らし。
幸せを感じていた時も、心のどこかでずっと望んでいた、一人きりの日々。
その一年を地道に綴った日記エッセイ。
文庫版にあたって、最新書き下ろし日記「四年後の私」と、
秘蔵エッセイをあわせて収録。

(感想)
一度目の結婚に失敗し、
生まれて始めての「一人暮らし」をはじめた山本文緒さんの日記エッセイ。
単純に他人の日記を一年分も読める機会なんてないから、
まるで人の生活を覗き見ているような変な気分になるのも事実。

そして、あんなに苦味の利いたひねりのある文章を書く作家でも
案外フツーの生活してるのねラッキーと親近感が沸くのも事実。

人気作家・山本文緒。フツーです!!
私たちと同じでコンビ二弁当で食事を済ませ、
ダイエットに励み、買い物にも行く。

映画や読んだ本も話題もたくさんでてくるので
それを参考にしてみるのもいいかもしれません。
個人的には山本さんも
私の大好きなスピッツのライブムードに行ってたのがうれしかったです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:11 | category:    山本文緒 |
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