JUGEMテーマ:小説全般
人間 / 又吉直樹(毎日新聞出版)
個人的な評価 ☆☆
僕達は人間をやるのが下手だ。
38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。
何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?
初の長編小説。
(感想)
この暗さ・めんどくささがこの人の魅力なんだろうけど・・・
私には読むのがしんどすぎました。長編だからなおさら。
てか、「人間」というタイトルも重すぎるし、大きすぎる。
太宰治を目指してるのはわかった。
この人が本当に書きたいものはこういうものなのだということも理解した。
けど、偉大すぎる人と比べるのはかわいそうだけど、
太宰の作品ほどの切実さや重みはないから響かないんだよなぁ。
そもそも今の時代の若者を主人公にしてそれを表現するのは難しいんです。
前半は小難しく、メールの件なんかほんと長い!
終盤は家族の話になり、前半よりは軽めの雰囲気になるのだけど、
その急激な変化はなんなんだろう。
それまでとうまくつながらなく、まったく違う話を読んでいるような気にすらなりました。
たぶん今、この人が日本で一番有名な作家なんだと思う。
だって本を読まない人でも知ってる人だから。
でも、そういう人たちが「有名な人だから読んでみようかな」と軽い気持ちで読める作風ではない。
せっかくの「有名タレントが書いた小説」なのに、
この人きっかけで本が好きになる人は増えなさそうなのが残念。