隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# (やまいだれ)の歌
評価:
西村 賢太
新潮社
¥ 1,620
(2014-07-31)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 (やまいだれ)の歌 / 西村賢太(新潮社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

中卒で家出しその日暮らしを繰り返していた北町貫多は、

十九歳にして心機一転を図 ろうとした。

横浜で新しい仕事を得、片恋する相手も見つけ、

人生の軌道修正も図れ るかと思いきや、ほどなく激しい失意が訪れる。

そのとき彼の心の援軍となったの は、或る私小説家の本だった──。

暗い青春の軌道を描く待望の長篇私小説。

 

 

 

(感想)

 

19歳になった貫多は横浜へ移住し、造園業者で働いています。

職場の事務の女の子への片恋ではお得意のポジティブシンキングを発揮し、

酒に溺れ、ほんっとーに相変わらず勘違いのクソ野郎です。

明らかに女性向けとは言えない作品!

でも、言葉のチョイスと文章のうまさに引きつけられて読んじゃうんですよね〜。

西村さん、他の人が使わないようなおもしろい言葉を引っ張り出してくる天才です!

「うわー、こんな言葉使うんだ!w」とそのセンスにはゾクゾクしちゃいます。

 

私小説ということですが、どこが真実で、どこが脚色なのかを知りたいなぁ。

酒や女での失敗、「台所の流しで用をたす」などのサイテー行為・・・、

ここまで書ける度胸に感服。

最終的にはこの職場でもお約束通りに負の方向へ進んでいく貫多ですが、

仕事納めのあの出来事はさすがにかわいそう。

こんなクズ野郎でも「かわいそう」と同情できるその憎めなさ・・・。

貫多のそういうとこが読者的にはたまらないのです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:15 | category:    西村賢太 |
# 蠕動で渉れ、汚泥の川を

JUGEMテーマ:小説全般

 

 蠕動で渉れ、汚泥の川を / 西村賢太(集英社)

 

 評価 ☆☆☆☆☆

 

白衣を着てコック帽をかぶった北町貫多は、

はじめての飲食店でのアルバイトにひそかな期待を抱いていた。

日払いから月払いへ、そしてまっとうな生活へと己を変えて、ついでに恋人も…。

労働、肉欲、そして文学への思い。

善だの悪だのを超越した貫多17歳の“生きるため”の行状記!!

 

 

 

(感想)

 

貫多・・・いくら若さ故に何も知らず、世の中をなめまくってると言ったって、

こんなのが自分の周囲にいたら、不快でならないほどのゲスである。

しかも、これが私小説だっていうんだから凄すぎる。

 

でも、ここまでのクソ野郎なのに貫多憎めないのはなぜなんだろうな。

もはや馬鹿を超えた馬鹿だからなのかなぁとも思ったけど、

やっぱり何より西村賢太の文章のうまさ、これに尽きるのではないでしょうか。

言葉のチョイスがサイコーにうまくて、不愉快さも笑いに変えちゃう。

貫多がブタ女房に真正面から本音を言い放った場面は

これ以上ないほどスカッとしました。

数々の蛮行も若いからできちゃうんだろうけど、

できれば貫多には心の成長はせず、いつまでもゲスなままで、

私達を爆笑させてほしいものであります。

 

道徳観なし、人(特にレディーたち)には決してお薦めできないけど私は大好きです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:22 | category:    西村賢太 |
# 苦役列車
評価:
西村 賢太
新潮社
¥ 1,260
(2011-01-26)

JUGEMテーマ:小説全般

 苦役列車 / 西村賢太(新潮社)

 評価 ☆☆☆☆
 

芥川賞受賞作品ではあるのだけど、
西村さんの授賞の際の発言などから女子供が読むにはどうなの〜?って
イメージだったんだけど面白かった!
自分の好きなタイプの小説とは真逆なんだけど、とまらなかったです。
文章もうまいな〜。巧みな言葉のチョイスには思わずにやりとしてしまいます。

ガチの私小説だし、主人公が感じている生きにくさや葛藤が生々しい。
19歳貫太はダメなままで成長も反省もなく、何もなく終わるのがリアル。
そして「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」で40代になった彼を見て、
人生の目的を見つけ、身を削るように生きる姿に凄まじい生命力を感じた。
どこからだってのし上がれる。生きるって泥臭いものなのだ。
19歳から40まで彼はどんな生き方をしてきたのだろう。
それを想像するのも楽しいです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:23 | category:    西村賢太 |
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