隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# となりの脳世界
評価:
村田沙耶香
朝日新聞出版
¥ 1,512
(2018-10-05)

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 となりの脳世界 / 村田紗耶香(朝日新聞出版)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

デビューから現在まで各紙誌に書いてきたエッセイを一冊にまとめた決定版。
小さな頃の思い出から、影響を受けた本や音楽、旅先での出来事、
今まで気づかなかった勘違いに、コンビニバイトのこと。

読み終えた後、目の前の世界が変わる。初の決定版エッセイ集。

 

 

 

(感想)

 

いろんなところで発表したエッセイをまとめた一冊。

小説を中心に書いている作家さんのエッセイを読むと、

小説のイメージと違って驚くことがあるけれど、

村田さんのエッセイに関してはもろに小説のイメージそのまんま。

普段からこういうことを考えている人だからあの小説が書けるんだと素直に納得できました。

人とはちょっと違う視点から物事を見てて、違いを楽しめる人。

感性が豊かでピュアなんだなぁ。

 

独特の感性を持ってる人だからまったく理解できない章は多いけど、

「わ、これ私とおんなじだ!」って喜べる部分もとても多かったです。

いい歳の大人の女が「本気の相撲を取ってみたい」とかねw

誰に言っても共感されないことだったので、

村田さんも同じこと思っておられて嬉しかったです(*´ω`*)

| comments(0) | trackbacks(0) | 09:41 | category:    村田沙耶香 |
# 殺人出産

JUGEMテーマ:小説全般

 

 殺人出産 / 村田沙耶香(講談社文庫)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。

そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、

「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。

育子の職場でも、また同僚がひとり「産み人」となり、

人々の賞賛を浴びていたが、どこか複雑な思いを抱く育子。

それは、彼女が抱える人には言えないある秘密のせいなのかもしれない……。

 

 

 

(感想)

 

 

表題作の「殺人出産」の他、3編を収録した短編集です。

 

これまで読んだことのないような世界観。

その発想力の斬新さに圧倒されました。

乙一さんや三崎亜記さんをはじめて読んだ時に似たような衝撃です。

 

だけどちょっとぶっ飛びすぎてるかなぁ。

どのお話も理解しがたく、感情がついていかない不気味さを感じます。

この作品には常識も人間らしい感情もまったく存在せず、

村田さんが仲の良い作家さん達から「クレイジー沙耶香」と呼ばれているのも納得です。

共感できるようなものではなかったけれど、

このぶっとんだ村田さんが今後どんな作品を生み出すのかにはとても興味があります。

注目し続けたい才能であることには間違いありません。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:06 | category:    村田沙耶香 |
# コンビニ人間
評価:
村田 沙耶香
文藝春秋
¥ 1,103
(2016-07-27)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 コンビニ人間 / 村田沙耶香(文藝春秋)

 

 評価 ☆☆☆☆

 

36歳未婚女性、古倉恵子。

大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食。

夢の中でもコンビニのレジを打ち、

清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。

ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、

そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。

「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。

 

 

 

(感想)

 

「普通」とはなんなのか、それになんの意味があるのかを考えさせられました。

ちょっと変わった人のお話ではありますが、

異質なものに対して過度に不寛容になり、排除しようとするあたりは

今の世の中のリアルをうまく描いている作品です。

 

最終的に「主人公を理解してくれる男性に出会って普通の幸せを手に入れた」とか、

「病気が治って前向きに人生を歩み始める」とかそういう結末じゃないところが

この物語の肝だと思います。

それぞれの生き方、それぞれの幸せ・・・・で、いいんだよってことですよね?

 

最後に。

コンビニという場所はあんな狭い空間ながらも、

現代社会におけるあらゆるサービスが集約しているすごい場所です。

レジや商品補充だけでなく、仕事の内容は多岐に渡り、覚えなきゃいけないことも多いはず。

絶対に底辺と馬鹿にされるような職種ではありません。

主人公にとって、コンビニで働くことが何よりの幸せであり天職であり、

もはや「人間である以上にコンビニ店員である」とすら感じているのだから、

その生き方になにも恥じることはない。

それよりも「普通」に拘り、柔軟な感覚で物事を受け入れられない人の方がよっぽど悲しいのでは?

せめて自分は、自分の価値観を人に押し付けて、

その人を苦しませたり悩ませたりすることは絶対しない人間でありたいと思いました。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:13 | category:    村田沙耶香 |
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