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九十歳。何がめでたい / 佐藤愛子(小学館)
評価 ☆☆☆☆
その一度は下ろした幕を再び上げて始まった連載『九十歳。何がめでたい』は、
「暴れ猪」佐藤節が全開。
自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、
時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらもあたたかく鼓舞する
大笑いした後に深い余韻が残る名エッセイ。
(感想)
いやー、痛快痛快w このヤケクソ感がサイコー!
年齢とか関係ない。
バッサバッサと世を斬り人を斬り、
おかしいことはおかしいとはっきり言えるって素晴らしいよなと改めて思いました。
現代人は平和すぎて、
「なにくそ!」「ちくしょう!」というハングリー精神で向かうべき問題などなにもない。
だからささいなことでもクヨクヨ悩んで傷つく。
自分も含めて、これはたしかにその通りだと思います。
そんな現代人の現状では、
愛子さんが笑って済ますようなことも深刻に受け止めてしまって当然。
現代人と厳しい時代を生き抜いてきた人とのそもそもの気持ちのあり方の違いを痛感しました。
ああ・・・私がこんな風に物事を考えられるようになるには、
どれほどの人生経験が必要なんだろう・・・・。
外出先のトイレの水の流し方がわからずに焦る・・・大いに共感しました。
水の流し方、どこも統一してほしいです。
怖くて、まずはじめに流し方を確認しないと何もできません。
「わかんね!もういいやっ!」って流さないで出てくるくらいの強さ(?)を
身に付けた時、私は佐藤愛子に一歩近づける気がするw
うーん、それが「強さ」なのかと言われればナゾ・・・だけど、
そのくらいの豪快さで生きることができれば少しはラクになるのかな?w