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JUGEMテーマ:小説全般
● 裸の華 / 桜木紫乃(集英社)
● 個人的な評価 ☆☆☆☆
舞台上の骨折で引退を決意したストリッパーのノリカ。
心機一転、故郷札幌で店を開くことに。
訳ありの凄腕バーテンダーや
タイプの違う二人の女性ダンサーと店は軌道に乗り始める。
しかし、私も舞台に立ちたい、
輝きたいという気持ちは募るばかりで──。
(感想)
先日読んだ「胃が合うふたり」で、
カリスマ書店員・新井見枝香さんがストリッパーになったと知った。
彼女がストリップに興味を持つきっかけはどうやら作家の桜木紫乃さんということで、
なら桜木さんはストリップを題材にした作品を書いているに違いないと
この小説を探し当てました。
怪我で舞台をおりた元ストリッパーが、
ダンスショーを見ることができる夜のお店を開店させる。
そこで働く踊り子やバーテンダーの人生も描きながら、
それぞれが自分の進むべき道を見つけていく物語。
ストリッパーというと、ちょっといかがわしいイメージがあったけれど、
新井さんがこの道を選んだということで、そういう偏見はなくなった。
むしろこの作品の主人公のノリカさんのプロとしての姿勢にリスペクト。
やはり「自分にはこれがある」というものを持っている人はとことん強い。
一度は逃げ出したけど、
老いた今も踊り続けるノリカの師匠の生き様にも感服!!!
やや出来過ぎてる感は感じつつも、
ノリカ・師匠・みのり・瑞穂・・・それぞれが選んだ人生に共感し、
魅せられる作品でした。