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# となりの革命農家
2015.11.04 Wednesday
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評価:
黒野 伸一
廣済堂出版
¥ 1,620
(2015-03-04)
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となりの革命農家 / 黒野伸一(廣済堂出版)
評価 ☆☆☆
地方農業法人に左遷された上田理保子は、田舎の男尊女卑も耐え、
返り咲きを狙って奮闘中。
農の素人・春菜は、お人好しの青年・小原和也と、
マダラボケだが「有機の匠」とうたわれる義母・益子に助けられ、
農業と経済を学んでいく。一
『限界集落株式会社』が累計20万部を突破した黒野伸一の、新たな『農』小説!
(感想)
「限界集落株式会社」が面白かったので、読んでみました。
相変わらずスラスラっと読める文体。ライトノベルかと思うほどの軽さです。
今回は「近代農業 VS 有機農業」。
ぞれぞれ目指すものに違いはあれど希望を持ち、
真摯に農業と向き合っているという点では一緒。
両者がどう共存するかがテーマです。
どちらの言い分もわかるし、
個人の問題だけでなく後継者問題やお嫁さんが来ない問題など
農村の抱えるリアルな問題が描かれてる点にも読みごたえを感じました。
でも、できればもっと「農家の過酷さ」を見せてほしかった。
農家なら天候との戦いもあるはずなのに、
虫関係の苦労くらいしか描かれておらず、
「あれ?農業の難しさってこんなもんじゃないはずなんだけどな・・・。」と拍子抜けします。
有機農業に挑む二人の苦労なんて特にそう。
意外に早く有機に成功しちゃってポカーンです。
このへんがちょっと軽すぎるし、
農業経験のないアラフォーの二人の女性が農業に挑むという点でも、
これを読んで農業に簡単なイメージを抱く読者がいるのではないかと少々不安にもなりました。
あと、和也くん!!喧嘩っぱやすぎるでしょ〜。
こんな人が周りにいたらいやだなぁ。こんな人は社会に出ても通用いたしません。
「限界集落〜」に比べたらだいぶ落ちるけど、まぁ楽しめました。
続編のありそうな気がするので期待しています。
# 脱・限界集落株式会社
2015.03.16 Monday
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評価:
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JUGEMテーマ:
小説全般
脱・限界集落株式会社 / 黒野伸一(小学館)
評価 ☆☆☆☆
東京からきた多岐川優の活躍で、消滅の危機を脱した止村。あれから4年―。
駅前のシャッター通り商店街、再開発か、現状維持か!?
優との行き違いから家を出ていた美穂は、劣勢側の駅前商店街保存に奮闘するが…。
地方が直面する問題に切り込む、地域活性エンタテインメント!
(感想)
前作の「限界集落株式会社」から4年後を描きます。
今度の戦いはーーーーー地元商店街 VS 大型ショッピングモール!
この争いは地方のいたる所で実際にあるでしょう。
かくいう私の住んでいる街にもありました。
数年前に大きな商業施設ができるという話が持ち上がり、住民は大騒ぎしたものです。
(結局、その話はなくなったのですが・・・)
田舎と都会にそれぞれの良さがあるように、
商店街と大型商業施設も共存共栄できたら最高なんだろうけど、利権やお金の話がかかわるとなかなかうまくいきません。
便利さやファッション性は必要だけど、懐かしいものを大切にとっておきたい気持ちもあるしね・・・。
まさに痛し痒しですな。
琴絵さんが言っていました。
「あたしは、店が愛され、お客さんから感謝を伝えられるだけで幸せなの。
お客さんもお店も幸せ。こんなに素敵なことないじゃない。」
↑ これは商売(まぁ、商売以外のすべての職業にも当てはまるけど)の本質ですよね。
利益だけじゃない、それ以前に大事なものってあるんです。
それを見失わずに、どこまで大事にできるかが、それはお金儲けだけじゃないその人の心の幸福にもつながります。
健太くんと同居人の若い男の子達は人とふれあうことによって変わり、成長していきますが、
私はこの本で賛成派と反対派のバトルよりも、“人が育っていく姿”に感銘を受けました。
# 限界集落株式会社
2015.03.12 Thursday
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評価:
黒野 伸一
小学館
¥ 1,728
(2011-11-25)
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限界集落株式会社 / 黒野伸一(小学館)
評価 ☆☆☆☆
集落の消滅を憂う老人たち、零細農家の父親と娘、田舎に逃げてきた若者。
かつての負け組たちが立ち上がる!地域活性エンタテインメント。
(感想)
NHKで放送したドラマ版が面白かったので、原作を読んでみたくなりました。
地域の過疎化は行政サービスの低下、後継者問題を伴う日本が抱える大きな社会問題です。
ここへ若者が仕事に就けない現実、格差社会問題などを織り交ぜ、ソフトなタッチで描いていますが、
ここで語られる地方の姿は決して大げさなものではなく、生々しい現実です。
飽きがこずサクサクと読めるのですが、
どちらかというと農業そのものよりも、いかにして「売る」か「注目を集めるか」ということに軸を置いた内容です。
野菜の芽が出た時の喜びや、天候に左右されて作物がダメになる・・・など、
農業を営む上で欠かせない喜怒哀楽はあまり描かれていません。
つまり、心に迫るほどのものはありません。
そのあたりがライトノベル感覚だと言われてしまう所以なのでしょう。
目の付けどころはいいけど、もう少し深みが欲しかったです。
けどまぁ、実際に過疎化している村に住んでる方や役所職員・JA職員の方には読んでほしい作品ではあります。
これを読むことが何かのきっかけになるかもしれませんしね。
そして、1つわがままを言わせてもらえば、
村おこしの大きな原動力となる野菜のキャラクター「ベジタ坊」「野菜のくず」のイラストが載ってればなぁ。
特に自虐キャラの「野菜のくず」って発想はサイコーに好き!!
表紙になんとな〜くそれっぽいのが描かれてるけど、これじゃピンと来ません!
四コマ漫画も読みたかったです!!
軽い感覚の小説なわけだし、このくらいの読者サービス、あってもよかったのではと残念でなりません。
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