隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
# 生きるとか死ぬとか父親とか

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 生きるとか死ぬとか父親とか / ジェーン・スー(新潮社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

20年前に母が他界、気づけば父80歳、私は40代半ば。

いまだに家族は増えていない。

会えばギクシャク、一時は絶縁寸前までいった父と娘だけれども、

いま父の人生を聞いておかなかれば、一生後悔する――。

戦時中に生まれ、戦後社会に出て必死で働いた父。

母との出会い、他の女性の影、全財産の喪失……。

父の人生と心情に迫る、普通にして特別な家族の物語。

 

 

 

(感想)

 

これまでの同性として共感できる痛快なエッセイとは一味違い、

哀愁の漂うような生々しいエッセイでした。

 

これまでの著作を読み、

ジェーンさんはお父さんとあまりうまくいってないイメージがあったけどぜーんぜん違う。

お母さんが生きていらしたころは、

お母さんという緩衝材があるからこそ成り立っていたような関係に思えます。

が、二人きりになって、お父さんに対する責任もぜーんぶジェーンさんの肩にかかってきて・・・。

父一人・子一人。お互いがお互いしかいないんだから、

何があってもその絆は決して切っちゃいけない・・・理屈はわかる。

けど、もし私がこの人の娘で、二人きりの家族なら?と考えると私なら耐えられないです。

とても面倒見切れません。

でもジェーンさんは決して見捨てない、逃げ出さない。

それが義務や責任感なのではなく、ちゃんとお父さんに愛情を持ってのことだと伝わってくるから心に刺さる。

こういう経験がジェーンさんという人を作ったのだな、と、これを読んでわかりました。

 

P103「絶対に切れる刀は抜いたほうが負け」

P169「結婚は、その人が死ぬほど好きだった記憶と、お金があれば続く」

この2箇所は印象深かった。いつまでも記憶に残りそう。

 

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:22 | category:    ジェーン・スー |
# 女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。
JUGEMテーマ:エッセイ
 女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。 / ジェーン・スー(文藝春秋)

 評価 ☆☆☆☆☆


敵から身を守るためなのか、世間に認めてもらうためなのか、
それとも自らの欲望なのか、
今日も女は心身ともにさまざまな「甲冑」を着たり脱いだり大忙し。
いつの間にか心のクローゼットは、
女の気持ちをやたらザワザワさせる甲冑だらけなのです。
「CREA」連載に大幅加筆し、書き下ろしもたっぷり加えた、
ジェーン・スー最新エッセイ集。



(感想)

私はスーさんよりちょい下の世代(今井美樹のあの口紅のCMは覚えてるけど、それよりかはりょうがやってた「レシェンテ」のCMの方に憧れた世代)なのですが、
相変わらず共感しまくりです!

とにかく“この本、書いたの私じゃね?”って思ってしまうほど「自意識の高さ」。
そこにシンパシーを感じます。
豊島ミホ・オードリーの若林・・・そしてジェーン・スー。
私がシンパシーを感じる人物はみな溢れんばかりの自意識と闘っている人ばかり。
ジェーン・スー・・・出会えてホントによかった。
私だけじゃないと思えて、生きるのが少しラクになった気がします。
そして笑った!! この本を読んでジェーンさんを笑うことによって、
自分のダメなとこ・ダサいとこも自虐的に笑えた気がします。スッキリしましたw

私もそう。
なんの意識もなく、きらきらふわふわな女の甲冑を身にまとい、
サラリとオーガニックカフェの常連になるようなそんな女が・・・・正直、羨ましい。
彼女たちを半笑いで見て、ディスるという点では私もスーさんも同じだけど、
スーさんには自意識との狭間でもがき、恥ずかしながらもそれらを受け入れ、
認める懐の深さがある。
そこが私とスーさんの大きな違いです。
これができるからこそスーさんは自分をも肯定し、自分なりに楽しく生きていける。
ふて腐れるだけじゃないところがいいんだよな。

いつまでも若くありたいというのが私の本音だけど、
若作りは周りから見ればイタい・・・どの程度までがOKラインなのかの見極めが難しいですね。
とりあえずそろそろスヌーピーのTシャツは卒業しないとマズいかな?



「ジェーン・スーさんへ」
 こちらは田舎なのでなんの参考にもならないとは思いますが、
 隣りの家の嫁(30代前半?)はいっつも!見るたびに!七分丈レギンスを履いています。
 しかし彼女の場合、ワンピースに合わせるのではなくショートパンツです。毎日ショーパンです。
 もう七分丈レギンスはダサイのだとしても、
 あの人はまだあんな短いショートパンツを履けるんだな〜と彼女の若さが私にはまぶしいっ!!
 羨ましい思いで私は日々その嫁を見ています。
| comments(0) | trackbacks(0) | 17:07 | category:    ジェーン・スー |
# 貴様いつまで女子でいるつもりだ問題
JUGEMテーマ:エッセイ

 貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 / ジェーン・スー(幻冬舎)

 評価 ☆☆☆☆


これまで誰もが見て見ぬふりをしてきた女にまつわる諸問題(女子問題、カワイイ問題、ブスとババア問題、おばさん問題……etc.)から、恋愛、結婚、家族、老後までーー。
今話題沸騰中の著者が笑いと毒を交えて、自らの経験や失敗を開陳する宝石箱のようなエッセイ。
20代、30代、40代女性の働き方、生き方に知恵と術を授けてくれる、女にとっての教典的物語でもある。
モヤモヤ言葉にできない感情に片がつき、読後はスッキリ!!




(感想)

ジェーン・スーさんの「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」を読んだ時、
長年、自分の中にわだかまっている言葉にできないモヤッとした感情をスパッと言葉にしたものを見つけ、
肩の荷がおりたようなスッキリした気持ちになりました。
今回も身につまされる言葉やハッとする言葉、多かったです。

「加齢と拭けは微妙に異なる」
「容れモノの経年劣化だけがことさら際立つのには注意が必要」
「ことあるごとに正論を吐く。正しい。正しいが可愛くない。可愛ければいいというものでもないが、
 愛嬌や愛想が身を助けることを私が学ぶのは遅すぎた」
「隙のある状態に耐えられる能力は、あいまいな空気を他者の間に漂わせたままにできる強さ」
「卑屈な感情を伴って、誰かをブスのくせに、ババアのくせにを思う時は、私も自分自身に低く評価を付けている時」

ううう・・・・・(・ω・`)
納得納得。わかる〜。
こういうことを高いところから言ってるわけでなく、
あくまでジェーンさん自身も「いつまでも女子でいてしまってる」中年女性としての立場から言ってるからいいんだよな。
そんな同志達に親愛の意味を込めての・・・・「貴様」ww
この「貴様」って言葉のチョイスもサイコーです!

いちばん刺さったのは最後の章「小さな女の子救出作戦」。
女は「大人」とみなされる年齢になっても、心の中に小さな女の子のような感情を残している。
大人だって「寂しい・傷ついた」という感情はあるのに、子供の頃のようにそれを素直に表に出すことができない。
自己防衛のつもりでそのネガティブな感情を心に押し込めたまま無視しようとすると、
見栄・意地・自己批判・自己憐憫と過剰な俯瞰が自分を不幸にして苦しめる。
だから大人の理想像に縛られて無理に強がらないで、泣きたい時には泣く。甘えたい時には甘える。
自分のみっともない感情に開き直るのも「大人」なんだと知りました。

これを読んで、「私が生きにくさを感じる理由」が少しわかったような気がします。
そして、その自分をどうなだめて、受け入れていけばいいのかも・・・。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:04 | category:    ジェーン・スー |
# ジェーン・スー 相談は踊る
評価:
TBSラジオ「ジェーン・スー相談は踊る」
ポプラ社
¥ 1,296
(2015-03-21)

JUGEMテーマ:読書

ジェーン・スー 相談は踊る / TBSラジオ「相談は踊る」:編(ポプラ社)

評価 ☆☆☆☆


毎週土曜夜 悩める大人たちの悩みをチャチャッと解決している
TBSラジオ「ジェーン・スー 相談は踊る」がついに書籍化! !
未婚のプロにして生粋の日本人、人生の酸いも甘いもつまみ食いしてきたジェーン・スーが、
恋バナ・人 生相談・マジレス希望・一言クエスチョンに勝手に身を乗り出してずばっと解決!



(感想)

ラジオはリアルタイムでは聞いてないのですが、Yo●Tub●でいつも聞いています。
思わず吹き出してしまうお悩みから、人生を大きく左右するような深刻なお悩み、
そして顔の見えないラジオだからこそ言える本人特定されたら絶対まずいような悩みまでww
これまでの多くの相談の中から厳選したお悩み33本を収録。
読んでみて、これ1冊でこの番組の雰囲気がよく伝わるなと感じました。

事前にスタッフさんから「今日はこんなお悩みに答えてください」という打ち合わせがあるわけではなく、
ほんとに生放送で初見でお悩みに答えていると知り、驚き!
スーさんのいいところは、もしかしたらこれは言い方が悪いかもしれないけど、
「そのへんにいそうな鋭い分析力のあるおばさんである」ところだと思うんです。
ものっすごく高いところから悩みに答えているわけじゃない・・・というか。
知識・教養・常識・・・そんなのお構いなしでサバサバとスパッと言ってくれるねーさんに相談してる感じ?

個人的にいちばん好きだったのは「単身赴任になってから、柿の種のピーナッツばかりが余ってしまう」というお悩み。
これね、くだらない相談かと思いきや泣けます(>_<)
これに関してはこのお悩みを採用したスタッフさんのセンスに脱帽!!
もしかしたらスタッフさんが採用を判断するセンスこそが番組の肝なのかもしれませんね。

ちなみでラジオでいつも言っている
「Let`s So Dance!」のSo Dance!って「相談ス!」ってことだったのねぇ・・・。
この本で初めて気付きました。お恥ずかしい(*ノД`*)


※ ジェーン・スーさんの著作ではないのですが、
  便宜上、このブログではジェーン・スーさんのカテゴリーに入れておきます。
| comments(0) | trackbacks(0) | 17:12 | category:    ジェーン・スー |
# 私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな
評価:
ジェーン・スー
ポプラ社
¥ 1,296
(2013-10-11)
コメント:私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな

JUGEMテーマ:エッセイ

私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな  / ジェーン・スー

評価 ☆☆☆☆☆


一生独身!?
未婚のプロ、ジェーン・スーの数々の失敗に学ぶ新しい結婚指南書。



(感想)

年末の忙しい時期に読んだので、感想を書くヒマがなく、
でもどうしても思ったことをまとめておきたかったので再読しました。

私は既婚です。20代で結婚しました。
結婚して10年以上経ちましたが子供はいません。
だけど昔から「子供が欲しい」「母になりたい」と思ったことはなく、
だから結婚して何年もたつのに子供ができない状況にも焦りや不安を感じることはありませんでした。
それが自分の人生と、自然に受け入れていました。
配偶者もそんなかんじの感覚の人です。

でも、そんな私達を親戚や友達はほおっておいてはくれません。
会うたびに「子供はまだ?」という話になる。
世の中にはいろんな考えの人がいます。
たしかにこの件に関してはあの人達の考え方の方が私より一般的なのは認めるけど、
そこで議論するのは不毛なこと。
したところで話しは平行線で終わること間違いなし。
正直、こういうおせっかいな人達が私はただただう・ざ・い!

でも不思議なもので、こういうことが毎度毎度繰り返されると、
自分自身は子供が欲しいなんて1ミリも思っていなかったのに
「いないとヤバイ?」と思うようになってくるんですよ。
そう、いつのまにか“外圧”が“内圧”となり、なんだか子供いないといけないような錯覚を覚える。
だけどこれは私の素直な気持ちとは別のものだし、厄介な感情だなと思ってました。

そこへ登場したのがジェーン・スーです。
彼女は私のこの言いようのない感情をはっきりとした言葉で表現してくれました。

「女として人生をコンプリートしていない気がする」

これ↑↑

人間、この世に生を受け、様々な経験をして精神的大人になっていくものです。
受験・恋愛・就職・結婚・・・、離婚もあるかもしれないし、
マイホームなど責任を伴う大きな買い物もするかもしれません。
出会いや別れも繰り返し、その出来事1つ1つがその人を作る糧となります。
多くの経験値を踏めば踏むほど成長していきます。
これをスタンプラリーやRPGのように考えると、
“出産”や“子育て”等にかかわるスタンプや経験値を私は集めることができないから、コンプは無理。
この感覚、まさに長年、私が見つけられなかった自分にピッタリ当てはまる言葉(考え方)でした。
この言葉を本書に見つけた時、心からスッキリしました。

この本は未婚をこじらせたジェーンが自分の失敗からの学びを吐きだした結婚指南書なのかもしれないけど、
私には結婚や男女関係に留まらない人間関係や生き方の気づきを与えてくれる本でした。
読むべきは20〜30代の結婚したい・できない女子たちだけってわけではない気がします。
結婚したって、私のようにその後に別の圧力に苦しむ人もいる。
あらゆる外圧とどう向き合い、開き直るか・・・ジェーンの前向きな考えに憧れを感じます。
ネガティブな私がジェーンのような考え方ができれば、もっと明るく生きられるのに〜(>_<)

101のリストの中で、特に耳が痛かったのは75と78。
私は人と貸し借りを作るのが嫌い。奢るとかもらうとかが苦手なのです。
それってつまりは“弱みを見せたくない”“バカにされたくない”ってことなんだね。
たしかにこんなん、相手の自尊心を傷つけることにもなるし、かわいくないわな。
恋愛に限らず、人の行為もありがたく受け取れず、
私は相当、コミュニケーションや甘えることが下手なのだろう。
ああ、心から素直に、ベストタイミングで「ありがとう」「ごちそうさま」「嬉しい」を言える女になりたい!!!

・・・・と、こーんな感じでジェーンの失敗から、自分の欠点がどんどんわかってきます。
そして気づくたびに、1個1個、グサッと傷ついて心が折れます。
でも、そこで自分の良くないとこを認め、反省する気になるからどんなに心折れても本を閉じる気にはなりません。

だけど、これを全部鵜呑みにするのもいけないかもしれませんね。
特に結婚問題に悩む未婚の女性は!!

ジェーン・スーさんは能力のある人で、お仕事はノリにノッています。
社会的にも認められ、おそらく金銭的余裕もあるでしょう。
自分一人の力でしっかりと立っている自立した女性です。強い人です。
さらに同士のような友達も多い。シングルイズドラッグを本気で謳歌しています。

この本に書かれていることは、そんな“ジェーンだからこそ”の面もたくさんあることは忘れちゃいけない。
たとえば派遣社員かなんかでマジでカツカツの生活をしてて、
結婚や将来に対する焦りだけが日々募ってるような人はここまで開き直るのは難しいでしょ?
性格の違いだってある。みんながみんなジェーンほど強くない。てか、こんな人、少ない。
だから、いいとこだけ参考にして、
“こういう人もいるんだな”くらいの気持ちで笑って気楽に読むことをお勧めします。

自分なりのやり方で、無理をせず、身の丈にあった幸せをつかむのがいちばんだからね。

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:48 | category:    ジェーン・スー |
Categories
Archives
Profile
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Search this site
Sponsored Links