隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# ペッパーズ・ゴースト / 伊坂幸太郎
評価:
価格: ¥ 1,870
ショップ: 楽天ブックス

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ● ペッパーズ・ゴースト / 伊坂幸太郎

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆

 

不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、

女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。
生徒の些細な校則違反をきっかけに、

檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。
伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、

作家生活20年超の集大成!

 

 

 

(感想)

 

主人公の壇先生には、

「人の飛沫を浴びると、その人のちょっと先の未来が少しだけ見えてしまう」という

中途半端な特殊能力がある。

その能力をなんとか駆使して、大きな事件に立ち向かうというお話です。

 

伊坂幸太郎さんの作品はいつも小気味のいいユーモアがありながらもスタイリッシュで軽快。

だから残酷シーンもそれほど重たく感じないから読みやすい。

いくつかの事件が交差し、最後にそのすべてが見事につながって回収されるというのも特徴で、

難しいパズルがキレイに埋まったような読後の清々しさが魅力だったけど、

今回はそんな気持ちの良さも感じず。

「後々、この人がキーになるんだろうな」と目を付けてた人の見せ場もなく、

各キャラクターも深く描き切れてない。個性がない。

正直、シアンさんとアメショーさんですら、どっちがどっちなのか個性が感じられなかった。

いつ面白くなるんだろう・・・と思ってるうちに終わっちゃいましたねぇ。

なんでしょう?もう私が伊坂スタイルに飽きてしまったのかな?

 

生徒が書いた小説に出てくる人物が実在し、物語と現実が交差していく・・・この設定は面白い。

でも私は「飛沫を浴びれば、その人の未来が見える」という特殊能力の気持ち悪さがもう無理です。

このコロナ禍において、人の飛沫を積極的に浴びに行くなんて設定、アウトでしょ。

読んでて不愉快です。

 

ネットでレビューを見ましたが、他の方々の評価が概ね高いのが意外でした。

好きな作家の一人だったけど、今後はもうそれほど熱心に追いかけなくてもいいかも(;'∀')

| comments(0) | - | 10:49 | category:    伊坂幸太郎 |
# クジラアタマの王様
評価:
伊坂 幸太郎
NHK出版
¥ 1,650
(2019-07-09)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 クジラアタマの王様 / 伊坂幸太郎(NHK出版)

 

 個人的な評価 ☆☆

 

製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。

広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。

訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。

不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。

打ち勝つべき現実とは、いったい何か。

巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリーによる伊坂幸太郎の新境地。

 

 

 

(感想)

 

んー、こんなこともあるんですね。

伊坂幸太郎の作品が、全っ然全っ然面白くないなんて!

私、この作品、まったくダメでした(;´・ω・)

 

従来の伊坂幸太郎的世界観にコミック漫画とファンタジーを融合させたような作品です。

この「コミック漫画」「ファンタジー」はそもそも私と縁のないもの。

そこに新鮮味を感じられればよかったんだろうけど、

違和感と読み心地の悪さの方を抱いてしまったからもうダメ・・・。

夢ん中で戦って、その勝敗が現実世界とリンクして・・・って設定にも入り込めなかった。

ところどころに漫画のようなものが載ってる変わった趣向の小説あるのですが、

それも全然意味がわからず、そこはもうガン無視で読み飛ばし。

 

新しい試みにチャレンジしたんだろうけど、私はハマれなかった。ざんねーん!

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:08 | category:    伊坂幸太郎 |
# フーガはユーガ
評価:
伊坂 幸太郎
実業之日本社
¥ 1,512
(2018-11-08)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 フーガはユーガ / 伊坂幸太郎(実業之日本社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。

双子の弟・風我のこと、

決して幸せでなかった子供時代のこと、

そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。

僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。

 

 

 

(感想)

 

軽妙でウィットに富んだ伊坂ワールドは健在。

いやー、やっぱスイスイ読めますね。

でも、これまでの伊坂作品と比べると小粒感は否めません。

 

意識して丁寧に読んでいないと記憶に残らないような小さな伏線を散りばめて、

最後にはそれを全部きれいに回収してくれるのが伊坂作品の面白さ。

なのに、今作はこれまでの伊坂作品に比べると「気持ちよさ」「小気味よさ」が少ない。

ハルコさんとハルタ君の存在が雑だし、

タイトルの「フーガはユーガ」も内容に活かされていないんだよなぁ(;´・ω・)

 

弱いものが徹底的に苦しめられるのがつらい。

彼らに対しての救済がなく、いつになく重い気持ち残る読後感でした。

| comments(2) | trackbacks(0) | 11:43 | category:    伊坂幸太郎 |
# AX アックス
評価:
伊坂 幸太郎
KADOKAWA
¥ 1,620
(2017-07-28)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 AX アックス / 伊坂幸太郎(角川書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

最強の殺し屋は―恐妻家。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらず、一人息子の克巳もあきれるほどだ。

兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。

引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、

爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。

こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。

『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる殺し屋シリーズ最新作。

 

 

 

(感想)

 

伊坂幸太郎さんの作品はいつも間違いなく面白いんだけど、

そのスタイリッシュなかっこよさが田舎者の私には気恥ずかしく感じられることがあるのも否めません。

しかし今作はスタイリッシュなかっこよさはないww 

殺し屋だって、家庭に戻ればフツーのお父さん。

しかも奥さんにまーったく頭があがらない恐妻家ときたもんだっ!

殺し屋というハードボイルドな世界とユーモラスでのんびり〜とした家庭での風景のギャップが楽しくて、

いつもとはちょっと違った伊坂ワールドを楽しめました。

世のお父さんたちは相当共感できるはずです!!

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:18 | category:    伊坂幸太郎 |
# ホワイトラビット

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ホワイトラビット / 伊坂幸太郎(新潮社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。

SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。

息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、

事態は思わぬ方向に転がっていく――。

・・・あの泥棒も登場します。

 

 

 

感想)

 

相変わらず小気味が良く、スタイリッシュな作品でした。

田舎者の私はちょっとこそばゆく感じる独特のおしゃれ感も健在ですww

小さな伏線がたくさん散りばめられ、

最終的にはすべてのパーツがきれいに1つにおさまる気持ち良さはたまらない!

さらに時系列をも飛び越えて、面白いけど気を抜けない緊張感もあります。

伊坂さんの作品は作者名を伏せて読んだとしても誰が書いたかわかるほど個性があり、

確固たる伊坂ワールドを構築していると思います。

 

けど、いい意味で「伊坂さんすぎる」のが逆に面白みがないかなぁ。

面白いし、さすがだとは思うけど、新鮮味はないんですよね。

この感想にしたって、

別の伊坂作品でも書いたことあるようなこと書いてる気がしますもん。

贅沢なこと言ってるのは重々承知ですが、もう少し何か新しい伊坂さんが見てみたい。

そろそろこの手法だけでは飽き始めてる読者も私だけではないでしょう。

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:12 | category:    伊坂幸太郎 |
# サブマリン
評価:
伊坂 幸太郎
講談社
¥ 1,620
(2016-03-30)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 サブマリン / 伊坂幸太郎

 

 評価 ☆☆☆☆☆

 

『チルドレン』から、12年。

家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちと罪と罰の物語。

 

 

 

(感想)

 

「チルドレン」の続編。あの陣内が帰ってきましたww

 

めんどくさいけど、憎めない。

無神経に見えるけど、実はそうじゃない。

陣内ほど人の懐にスッ〜っと入っていける人もなかなかいません。

少年犯罪という重いテーマを描いた作品なのに、

ウェットに富んでて軽く読めるのは、陣内のキャラのおかげ?

さすが伊坂さんです。

(からあげとフロントガラスの件は声を出して笑ってしまいましたw)

 

伊坂さんといえば物語の中に細かな伏線をたくさん散りばめておいて、

それを見事に回収していくのが読んでて小気味いいのがウリの作家さんだけど、

今回はそういうのは少なめ。

いつもの伊坂作品よりリアリティのある事件を描くことで、

読者に身近な感覚も与えます。

やろうとしてやったのか、そうでないかによっても感じ方は違うし、

故意の犯行だとしてもその動機に同情の点があれば「犯罪を犯した=悪」とは一概に言えない。

そういった人間の感情的な部分に訴えてくる作品でした。

 

ただし、この物語の軸となる交通事故の被害者は中年男性だったのですが、それに対して

「早朝に起きた事件だったからよかったものの、

 時間が時間ならば通学途中の子供たちが巻き添えをくらったかもしれない。

 そうならなくてよかった」というニュアンスの会話が何度か出てきたのは気になります。

同じ命なのに中年のおっさんの命より子供の命の方がいたましいみたいな、

そういう考えが私はもともと大嫌いなのです。意味がわからないので。

こういうセリフが何度か出てきたのは不快でした。

 

優子さんの「陣内君は結構もてるんだよ」という発言も気になりますね。

陣内ってどんな恋愛するんだろww

もし次回作があれば、ぜひそっち方面のエピソードも織り交ぜていただければ・・・w

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:37 | category:    伊坂幸太郎 |
# アイネクライネナハトムジーク
評価:
伊坂 幸太郎
幻冬舎
¥ 1,512
(2014-09-26)
コメント:アイネクライネナハトムジーク

JUGEMテーマ:小説全般

アイネクライネナハトムジーク / 伊坂幸太郎(幻冬舎)

評価 ☆☆☆☆☆


ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。
奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、
他力本願で恋をしようとする青年、
元いじめっこへの復讐を企てるOL……。
情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ! !
伊坂作品ならではの、伏線と驚きに満ちたエンタテイメント小説!



(感想)

短編集のスタイルでありながらも、
実はすべてのお話がつながっているという連作短編になっています。
いろんな要素を少しずつリンクさせて最後にすべてを鮮やかに繋げてみせるというやり方は
伊坂さんのお得意のスタイルですが、
今作は人が死んだり、金や名声のために騙したり、裏切ったり・・・・みたいな「物騒さ」がない。
普通の人達の普通の生活・恋愛を描いているので、親近感を感じます。
日常の小さな幸せや奇跡にほっこり☆
伊坂作品には珍しい「女性向けの伊坂作品」と言えるかもしれません。
少なくとも私にとってはこんなに心穏やかに読めた伊坂作品は他になかったです。
他の作品に比べて刺激が少ないのは確かですが、私にはこれくらいが合ってる気がします。

「この方がどなたのお嬢さんかわかっているのですか作戦」好きだな〜。
なんつー、小気味の良さ!!

そして・・・「斎藤さん」ってあの斎藤さんなのですね!
あとがきを読んでやっと気づきました。
この作品、斎藤さんの音楽も合わせて聞いてみるとより味わい深いものになりそうです。

 
| comments(0) | trackbacks(1) | 14:43 | category:    伊坂幸太郎 |
# 火星に住むつもりかい?
評価:
伊坂 幸太郎
光文社
¥ 1,728
(2015-02-18)

JUGEMテーマ:読書

火星に住むつもりかい? / 伊坂幸太郎(光文社)

評価 ☆☆☆☆


住人が相互に監視し、密告する。
たとえ危険人物とされた人間にギロチンにかけられる―身に覚えがなくとも・・・・。
交代制の「安全地区」と、そこに配置される「平和警察」。
この制度が出来て以降、犯罪件数が減っているというが・・・。
そして今年、安全地区に選ばれた仙台でも、危険人物とされた人間が、ついに刑に処された。
そのとき!全身黒ずくめで、謎の武器を操る「正義の味方」が、平和警察の前に立ちはだかる!



(感想)

テーマがテーマだけに、
これまでの伊坂作品に見られたウィットに富んだ小気味の良さはなし。
前半はあまりテンポが良くないけど真壁鴻一郎という存在がスパイスとなり、
彼が登場したあたりからようやく物語が動き出したという印象でした。

「正義」と「偽善」の違いは何か。
恐ろしい集団心理のなかで、どれだけ自分を保てるか。
読み進めていくうちにテーマが明確になってくると作品の重みもグンと増します。
「困っている人は助けろ」、これは私には至極当然なことのように思えるけど、
「人を助けることができるなんておこがましい」「すべてを助けないことは偽善」・・・・という考えもある。
正義のあり方をつい考えてしまいました。

だけど、この作品に登場するヒーローは深いことも重いことも考えてなくて、
ただ人間としてのあたりまえの感情に突き動かされて行動しただけ。
この単純さもこの作品の魅力だと思います。

伊坂作品は最後の最後で、物語のいたるとこに散りばめられた複数の伏線がすべて回収され、
なんともいえない爽快感を感じることが多いけど、今作はそういった種類のものではありませんでした。
私はこういうのよりはもう少しユーモアのある伊坂作品の方が好きなので、今回は☆は4つで。

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:57 | category:    伊坂幸太郎 |
# 死神の浮力
評価:
伊坂 幸太郎
文藝春秋
¥ 1,733
(2013-07-30)

 死神の浮力 / 伊坂幸太郎

 評価 ☆☆☆☆


1年前、ひとりの少女が殺された。

容疑者は近所に住む少女の家族とは顔なじみの青年。

しかし、証拠不十分で彼は無罪放免。

だが、少女の両親は間違いなく青年が犯人であることを知っていた。

そんな両親のもとに、あの死神・千葉がやってくる・・・。



「死神の精度」の続編ですね。で、しかも長編!

前作が短編集だったので、長編と気づいたときには驚き!

そのせいかな、なーんか長いような間延びしてるような印象がしたのは・・・?

面白いんだけど、なかなか進まねーっていうかね、そんな気がした。


復讐に人生を捧げる決意をした夫婦の話しなんて、

これ以上ないほど暗いはずなんだけど、

千葉のすっとぼけたようなキャラ(でも、本人は大まじめ)のおかげで、

クスッとさせてくれるようなユーモアと軽さが生まれている。実に痛快。

でも、いたるところに伏線がちりばめられているし、気も抜けない!

ママチャリで疾走する場面は緊迫の場面のはずなのに笑えました。

こんなにダークなテーマなのにこんなに笑えるなんて、やっぱすごいです。

| comments(0) | trackbacks(1) | 16:40 | category:    伊坂幸太郎 |
# ガソリン生活
評価:
伊坂 幸太郎
朝日新聞出版
¥ 1,680
(2013-03-07)

JUGEMテーマ:小説全般

 ガソリン生活 / 伊坂幸太郎(朝日新聞出版)

 評価 ☆☆☆☆


ちゃーんと意志のある車が主人公。
仙台市内のある一家の所有する緑色のデミオは、お隣のカローラと語り、
街を走る車たちと情報交換をして暮らすのんびりとした毎日。
しかし、そんなある日、家族がある事件に巻き込まれてしまい・・・・。

車は人間とお話しすることはできないけれど、
車同士の会話は可能で、人間の知らない様々な情報を交換し合っているという設定。
こんなほんわかかわいらしい設定に、
いつものハードボイルドな伊坂ワールドが交錯するんだからすごいの一言!
いつもの伊坂作品よりは読みやすいかんじです。

車はなーんでも知っているのに、人間には決して通じない。
そこにはやきもきさせられるんだけど、
車と人間の間に言葉じゃないたしかな絆が感じられてジーンとくる。
私も自分の車、ちゃんと愛してあげなきゃと感じたわ。
エピローグがまた泣かせる〜。

シリーズ化希望!!
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:44 | category:    伊坂幸太郎 |
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