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R帝国 / 中村文則(中央公論新社)
個人的な評価 ☆☆☆
舞台は近未来の島国・R帝国。
ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。
だが、何かがおかしい。
国家を支配する絶対的な存在″党″と、謎の組織「L」。
やがて世界は、思わぬ方向へと暴走していく――。
世界の真実を炙り出す驚愕の物語。
(感想)
移民問題・人種差別・戦争の危機・ネットへの依存・・・
今の時代が抱えている問題が、
さらに深刻化してしまった未来の最悪ケースを見せられているかのような作品でした。
決して大げさな作り話とは言えないのが怖いです。
ただ、人物描写が粗く、
栗原と矢崎、どっちがどっちかわからなくなるのには困りました。
メッセージ性は強いけど、小説を味わうという意味でなら深みはありません。
SFは苦手なのでかなり苦戦はしたけど、
著者が未来に対して感じてる危機感?・・・そのメッセージは受け取れた気がします。