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花だより みをつくし料理帖 特別巻 / 高田郁(角川春樹事務所)
個人的な評価 ☆☆☆☆☆
澪が大坂に戻ったのち、文政五年(一八二二年)春から翌年初午にかけての物語。
店主・種市とつる家の面々を廻る、表題作「花だより」。
澪のかつての想いびと、御膳奉行の小野寺数馬と一風変わった妻・乙緒との暮らしを綴った「涼風あり」。
あさひ太夫の名を捨て、生家の再建を果たしてのちの野江を描いた「秋燕」。
澪と源斉夫婦が危機を乗り越えて絆を深めていく「月の船を漕ぐ」。
シリーズ完結から四年、登場人物たちのその後の奮闘と幸せとを料理がつなぐ特別巻、満を持して登場です!
(感想)
ずっと待ってた番外編。
完結編から数年後、あの登場人物たちの「その後」を描く最後で最後の特別版です。
架空の人々のはずなのにみんなの元気そうな様子に心から安心し、
改めて自分はこのシリーズが大好きなんだなぁと実感しました。
なんかもう、これ書いてる今でも泣けてくる・・・もうそれくらいに好きなシリーズでした。
「その後」の話ももちろんいいんですけど、
いちばん心にグッときたのはこれまで描かれなかった野江ちゃん(あさひ)と又次さんのエピソード。
又次さんはどうしてあさひさんのためにあそこできたのか・・・その理由が明らかとなりました。
わー、胸がいっぱいです。
この本に登場する人たちはみーんな家族。
血のつながりなど関係ない、絆で結ばれた人達。
損得関係なしの心からの思いやり。
ほんとにこの作品はあたたかいもので溢れていました。
高田先生、長い間楽しませていただき、本当にありがとうございました。