隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 盤上の向日葵
評価:
柚月 裕子
中央公論新社
¥ 1,944
(2017-08-18)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 盤上の向日葵 / 柚木裕子(中央公論新社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。

唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。

それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。

向かう先は、世紀の一戦が行われようとしている竜昇戦会場。

果たしてその先で二人が目撃したものとは! ?

 

 

 

(感想)

 

将棋のルールはまったくわからないので、

対局の場面は完全に無視して読みましたが、まったく問題なく読めた気がします。

560ページがあっという間でした。

特に新鮮味はないのだけど、登場人物のキャラが立ち、展開もスムーズ。

これなら将棋を知らない人も読書慣れしてない人も比較的サクサク読めるのではないでしょうか。

こんなに重厚感があるのに、ページをめくる指が軽いなんてすごい。

読ませる力がある作品ならではです。

特に少年時代の桂介と唐沢夫妻のふれあいには胸が熱くなります。

 

結局、父親からは逃れることができなかった。

東明のことも無視することができなかった。

そこを切り捨てられないところが上条桂介の生い立ちからくる運命というか呪いのようなもの?なんだろうなぁ。

こんなに多くの登場人物がいるのに、誰一人幸福ではなく、救われないのが切なかったです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:49 | category:    柚月裕子 |
# 最後の証人
評価:
柚月 裕子
宝島社
¥ 1,470
(2010-05-10)

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 最後の証人 / 柚月裕子 
 ● 宝島社 
 ● 1470円 
 ● 評価 ☆☆☆
元検察官の佐方貞人は、刑事事件を専門に扱うやり手弁護士だ。
今回、佐方のもとに舞い込んだ高層ホテルの一室で起きた刺殺事件は
物的証拠、状況証拠ともに、依頼人が犯人であることを示している。
男女間の愛憎のもつれが引き起こした悲劇。
世間やマスコミの誰もが、依頼人に勝ち目はないと見ていた。
しかし佐方の本筋を見抜くプロの勘は、これは単純な事件ではないと告げていた。



(感想)

私、見事に騙されました。一気読みでした。
デビュー作の「臨床真理」に比べるとだいぶ成長したのではないでしょうか。
それでもまだ甘さが目立つし、火サス的な内容ではあるけどね・・・・。

最愛の息子を突然奪われ、復讐に走る両親の思いは胸が痛い。
復讐を遂げるため、犠牲にしたものもあまりにも大きすぎる。
奥さんがナイフの扱いを特訓する場面なんかつらすぎて読んでいられない。
法廷ものとして考えてしまうと評価が厳しくならざるを得ないけど、
夫婦の息子への愛と絆の強さの部分は切ないほど響いてきました。

柚月裕子さん、この人はおそらくもっと法廷や裁判のことを学ぶべきなんだと思う。
事件の裏にある人間はよく描けていたから、あと一歩なんだよな〜。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:23 | category:    柚月裕子 |
# 臨床真理
評価:
柚月 裕子
宝島社
¥ 1,470
(2009-01-24)
コメント:予想通りの展開に唖然・・・・

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 臨床真理 / 柚月裕子
 ● 宝島社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆
新人臨床心理士の佐久間美帆は藤木司という二十歳の青年を担当することになる。
司は同じ福祉施設で暮らしていた少女の自殺を受け入れることができず、
美帆になかなか心を開こうとしない。
それでも根気強く向き合おうとする美帆に、司は少女の死は他殺だと訴える。
その根拠は、彼が持っている特殊な能力によってわかったらしいのだが・・・・。
『このミステリーがすごい!』大賞2009年第7回大賞受賞作。


(感想)

山下貴光「屋上ミサイル」と第7回のこのミス大賞を分け合った作品。
「屋上ミサイル」を読んだ時、
ほんとにこれが大賞なの?と思ったけど、これも然り
どっちかといえば、こっちの方が好きだけど、やはり新人が書いただけに甘さが目立ちます。
山形在住の方ってことでも親近感がわいて、かなり期待したんだけどな〜。

とにかくね、展開が面白いくらいに読めてしまうんです・・・。
意外性、まったくナシ
医療従事者として、そして大人として絶対やってはいけないような行動に走る主人公・・・、
はたまたは取材不足としか思えないような部分もあり、
ツッコミどころも満載なんだけど、そこは新人さんだから大目に見なきゃいけないのかな〜。

クライマックスで主人公が真犯人から受ける仕打ちは読んでいて気分が悪くなる。
これじゃあ女性読者は評価しません。
生々しすぎて、気持ちワル・・・。
こんなことまでして患者を救い、事件を解決したいと思う医者ははたしているのか・・・いやいない。

司が共感覚の持っているという設定も、
たんに小説にするのに都合よく使っているだけという印象を受けたし、安易なのよね。

けど、まぁ「読ませる小説」ではあることは認めます。
テンポがいいので、グイグイと引き込まれてあっという間に読んじゃいました。
つまり・・・書く力はある新人だということか
地元の作家さんでもあることだし、もうちょい読んでみたい
今後に期待しましょ
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:32 | category:    柚月裕子 |
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