隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 彼女に関する十二章
評価:
中島 京子
中央公論新社
¥ 1,620
(2016-04-06)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 彼女に関する十二章 / 中島京子(中央公論新社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

息子は巣立ち、夫と二人の暮らしに戻った主婦の聖子が、
ふとしたことで読み始めた60年前の「女性論」。
一見古めかしい昭和の文士の随筆と、
聖子の日々の出来事は不思議と響き合って……
どうしたって違う、これまでとこれから――
更年期世代の感慨と、思いがけない新たな出会い。
上質のユーモアが心地よい、ミドルエイジ応援小説。

 

 

 

(感想)

 

60年前のベストセラー「女性に関する十二章(伊藤整)」を引用しながらゆるやかに進行する物語です。

50代の平凡な奥さんの日常を描いていると思いきや、意外に奥が深く、

様々な経験をしてきたこの年代ならではの寂しさや諦めも感じるのですが、

それがいい意味で心地いい。

平凡な、普通の、そんな女性に贈る「哲学書」といってもいいのかも。

 

この人生で誇れるような大きなことを何も成し遂げられなくても、

聖子さんのように自分の置かれた場所で自分なりに生きればそれでよし、と思えました。

案外、「人生」ってこういうものなのかもしれませんね。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:17 | category:    中島京子 |
# かたづの!
評価:
中島 京子
集英社
¥ 1,944
(2014-08-26)

JUGEMテーマ:小説全般

 
 
かたづの! / 中島京子(集英社)

評価 ☆☆☆☆☆


慶長五年(1600年)、角を一本しか持たない羚羊が、
八戸南部氏20代当主である直政の妻・祢々と出会う。
羚羊は彼女に惹かれ、両者は友情を育む。
やがて羚羊は寿命で息を引き取ったものの意識は残り、祢々を手助けする一本の角―南部の秘宝・片角となる。
平穏な生活を襲った、城主である夫と幼い嫡男の不審死。
その影には、叔父である南部藩主・利直の謀略が絡んでいた―。
次々と降りかかる困難に、彼女はいかにして立ち向かうのか。波瀾万丈の女大名一代記!



歴史小説でありながらファンタジーの要素もあるので、
歴史小説に少し苦手意識を持っている私にも読みやすかったです。
語り手がカモシカだし、軽くて独特の雰囲気が良いのだと思います。
そういう点ではもともと歴史小説が好きな方には違和感があるでしょう。
数年前に遠野を旅したことがあるのですが、その前にこの本に出会っていればなぁ・・・・。

主人公・清心尼のことは同じ東北に住みながらまったく知りませんでした。
若いうちに夫と息子を暗殺され、「女亭主」となった女性・・・
戦わずに国を治めようという姿勢は女性だからこそのもの。
揺るぎない信念と強さを持っているけれど、
三戸の叔父には大切なものをたくさん奪われて、何度も何度も悔しい思いをする。
それでも逆らうことは許されない。それがこの時代というもの。
諦めの中にも、それでもなんとか痛みを軽くおさめるために策を凝らす姿が勇ましかったです。

清心尼の亡き後の片角のその後が悲しい。
今でもどこかへ展示されているのでしょうか?見に行きたいなぁ。

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:45 | category:    中島京子 |
# 妻が椎茸だったころ
評価:
中島 京子
講談社
¥ 1,365
(2013-11-22)

 妻が椎茸だったころ / 中島京子(講談社)


 評価 ☆☆☆☆


「人」への執着、「花」への妄想、「石」への煩悩・・・。

ちょっと怖くて愛おしい五つの『偏愛』短篇集。



(感想)

「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」「ラフレシアナ」

「妻が椎茸だったころ」「蔵篠猿宿パラサイト」「ハクビシンを飼う」。

5つの短編のタイトルがどれも印象的で思わず“読みたい!”と思わせます。うまい!

そしてどのお話の内容もタイトルに負けないインパクトのあるお話でした。


5つに共通するのは「執着心」。

そこはかとない怖さがあり、不思議な感覚に襲われる読後感。

なんだか現実をよく似ているけど、

どこかがずれている異世界に誘われるような感じです。

5つともきれいなオチがあるのがまたいいんだな。

思わずにやりとしちゃいました。


この短編集はずべて小説現代に載った作品をまとめたものですが、

5つをまとめて読むことで意味があるような気がする。

より一層の深みと不思議さが増すというか・・・。


| comments(0) | trackbacks(0) | 15:17 | category:    中島京子 |
# 花桃実桃
評価:
中島 京子
中央公論新社
¥ 1,575
(2011-02)
コメント:ちょっとズレているけど心地よい場所

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 花桃実桃 / 中島京子
 ● 1575円
 ● 中央公論新社
 ● 評価 ☆☆☆
40代シングル女子、父親が亡くなり、古いアパートを相続するはめになった。
ちょうど会社から肩たたきされていたこともあり、思い切って管理人になることに・・・。
昭和の香り漂うアパートでへんてこな住人に面食らい来し方をふり返っては赤面。
行く末を案ずればきりもなし…ほのぼの笑えてどこか懐かしい直木賞作家の最新小説。


(感想)

父親から相続した古いアパートの管理人になったアラフォー女子の茜。
昭和の香り漂うこのアパートには個性的な人ばかりが入居しており、
人間だけにとどまらず幽霊や猫までもが集まってくるヘンテコなアパート。
住人1人1人と茜が触れっていくほのぼのほんわかな雰囲気が
三浦しをんさんの「木暮荘物語」を思い出させます。
あれもアパートを舞台にした連作モノでしたもんね。

住人の誰が主人公になっても面白いんじゃないかってくらい、みな個性的。
どこかぬけていて、でも愛すべき人たち。
こんいうゆる〜い感じって大好きです。
中島京子さんならではの空気をしっかりと感じられます。

疎遠になって父がこのアパートで、この町で、どういうふうに暮らしていたのか、
茜はまるで今でも父がここにいるように父の存在をリアルに感じながら日々を送ったのだと思う。
お父さんの幽霊はきっとここにいて、住人たちを見守っている。
なんだか、いつまでもいつまでも彼らの生活をのぞき見ていたような
心落ち着ける作品でした。



 
| comments(2) | trackbacks(1) | 14:51 | category:    中島京子 |
# 小さいおうち
評価:
中島 京子
文藝春秋
¥ 1,660
(2010-05)
コメント:品が良く、素敵なお話でした。

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 小さいおうち / 中島京子
 ● 文藝春秋
 ● 1660円
 ● 評価 ☆☆☆☆☆
赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。
そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。


(感想)

直木賞受賞作
山形の田舎から12,13で女中奉公に出たタキさんと、奉公先の家族の物語。
品が良く、時代の良さと厳しさの感じられるとても素敵な小説でした
タキさんの奥様に対するまっすぐな気持ちと、
明るくて気取ったところのない奥様の関係が素敵。こういう雰囲気の作品大好きです

あんなにいい関係を築いていた奥様とタキちゃんの関係が揺らぎはじめてからは
私までとても寂しくなってしまったけど、
どんどん激しくなる戦争の中、二人が再会し、素直に語り合えたことは本当に嬉しかった。
戦争戦争というけれど、どこかで激しい戦争が行われている一方で
こうして普通の人々の普通の暮らしだってあった。
その普通をとても魅力的に描いている作品だと思いました。

けど、はたしてどれが真実なんだろう・・・・・。
最後の意外な展開に驚かされたけど、
たんにこの時代の家族を描くだけじゃなくひとひねり加えたあたりが
直木賞受賞の大きな要因なのでしょうか。
| comments(0) | trackbacks(2) | 15:48 | category:    中島京子 |
# エルニーニョ
評価:
中島 京子
講談社
¥ 1,470
(2010-12-10)
コメント:ファンタジーのような逃避行物語

JUGEMテーマ:小説全般
 ● エルニーニョ / 中島京子
 ● 講談社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆
東京の女子大生・瑛(てる)は、
同居している男・ニシムラのDVから逃れるため、新幹線に飛び乗った。
行き着いた先は、行ったこともない南の町。
そこで、ニノという男の子と出会った。ニノもまた、何者かから逃げているらしい。
南へ南へ、2人の逃避行が始まった――。



(感想)

ファンタジーのようで、現代の抱えるリアリティも含まれるお話でした。
ハラハラするんだけど、ゆったりのんびりとした雰囲気があって不思議。
なんだかよしもとばななさんに似ているテイストでした。

途中に挿入されている童話のようなお話があまりに多すぎて、
ちょっとうるさく感じたけど、これの存在がよりファンタジー性を増しているのかな。

砂糖屋のおばあちゃんがすごくいい
ニノも子供のわりにドキッとすることを言うんだよね。
瑛とニノ・・・二人のこれからに一緒に歩く未来があるといいなぁ
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:12 | category:    中島京子 |
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