隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# リバース
評価:
湊 かなえ
講談社
¥ 1,512
(2015-05-20)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 リバース / 湊かなえ(講談社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

深瀬和久は平凡を絵に描いたようなサラリーマンで、

趣味らしいことといえばコーヒーを飲むことだった。

その縁で、越智美穂子という彼女もできてようやく自分の人生にも彩りが添えられる。

と思った矢先、謎の告発文が彼女に送りつけられた。

そこにはたった一行、『深瀬和久は人殺しだ』と書かれていた。

深瀬を問い詰める美穂子。深瀬は懊悩する。

ついに“あのこと”を話す時がきてしまったのか、と。

 

 

 

(感想)

 

半年くらい前にやってたドラマ版の方を見てました。

ドラマ見てから原作読むって流れは私にしては珍しいパターンだけど、

これはどうしても原作も読んでみたくなったんですよね。

 

ドラマ版の方が登場人物も多く、人物描写や心の葛藤の描き方が丁寧なので、

小説版はドラマに比べるとさっぱりしすぎてるかな〜という印象。

ですが、やっぱり小説版は「これぞ湊かなえ!」という感じ。

ラストの“救われない感”、“後味の悪さ”・・・

未来に明るい日差しが指したドラマ版とは違う、湊さんらしい結末で、

いい意味ですごーーーくイヤな気分になりました。(←褒め言葉ですよ)

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:46 | category:    湊かなえ |
# ポイズンドーター・ホーリーマザー

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ポイズンドーター・ホーリーマザー / 湊かなえ(光文社)

 

 評価 ☆☆☆

 

私はあなたの奴隷じゃない!母と娘。姉と妹。男と女--。

ままならない関係、鮮やかな反転、そしてまさかの結末。

あなたのまわりにもきっといる、愛しい愚か者たちが織りなすミステリー。

 

 

(感想)

 

受賞には至らなかったものの156回直木賞にノミネートされてた作品ということで、

久々に湊かなえさんを読んでみましたがやっぱり私には合わないなぁ。

読後にいや〜な気持ちしか残らない読書は、楽しくないもの・・・。

でも、最後の最後で今まで信じて思いこんできたものすべてが

一気にガラガラッと崩れちゃう快感・・・この手法はやはり見事です。

 

要するにひとつの出来事にしてみても、事実は1つとは限らなくて、

見る人によって感じ方や見方はまったく違うということ。

そして、傷ついて苦しんでいるというのはその人にとって事実なわけだし、

誰と比べたらマシとか、もっと苦しんでる人がいる・・・というのは説得力がない。

すべてがそれで納得できちゃう作品集でした。

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:45 | category:    湊かなえ |
# 高校入試
評価:
湊 かなえ
角川書店
¥ 1,512
(2013-06-28)

JUGEMテーマ:小説全般

高校入試 / 湊かなえ(角川書店)

評価 ☆☆☆



名門橘第一高校の入試前日、
教室の黒板に「入試をぶっつぶす! 」の貼り紙が見つかる。
迎えた入試当日。振り回される学校側と、それぞれ思惑を抱えた受験生。
謎に充ちた長い長い一日が始まった……。




(感想)

登場人物多すぎ!
途中、語り手がどんどん入れ替わり、
誰が誰だかわからなくなり苦労しました(特に高校の男教師達が誰が誰なんだかw)
巻頭の相関図もわかりにくく、物足りなくて不親切。
もっと丁寧に書いてもらわないとわかんないよ。
(ドラマ版を見ていた人ならば、俳優さんの顔をイメージできるからわかりやすいんだろうけど)
犯人の動機もピンとこなかったなぁ。

内容はさておき、私には一高卒業者の愛高心がたまらなく不快でした。
私のまわりにも高校を卒業して30年も40年もたっているのに、
いまだに俺たちの高校が高校が・・・言ってる人達がいて、正直ウザい。
高校後の人生を努力してきたというのに、
一高卒業生ではないと地元では認められないなんて馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
そんなことで人を判断するなんて、いい年してアホかと思う。
そんな価値観の者が教師やってるとか・・・教育者としてだけでなく大人として恥ずかしい。


湊かなえさん・・・読むたびにレベル落ちていく感じがするけどそれでも読んじゃうんだよねぇ。
そろそろスパッと卒業しようかな。


| comments(0) | trackbacks(1) | 12:04 | category:    湊かなえ |
# 白ゆき姫殺人事件
評価:
湊 かなえ
集英社
¥ 1,470
(2012-07-26)

JUGEMテーマ:小説全般

 白ゆき姫殺人事件 / 湊かなえ

 評価 ☆☆☆


美人会社員が惨殺された不可解な殺人事件を巡り、一人の女に疑惑の目が集まった。
同僚、同級生、家族、故郷の人々。
彼女の関係者たちがそれぞれ証言した驚くべき内容とは。
果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも・・・。


うーん、湊かなえさん・・・やはりどんどん質が落ちてるなぁ。

物語が一通り終わった後に、ツイッター形式で事件の真相や噂を語った物や
新聞や雑誌の記事を切り抜き等の「資料」をまとめて載っているのだけど、これ必要?
すごく読みずらいし、これまでの内容をおおまかにまとめたものにすぎず、
意味ないかな〜と思います。
変わった趣向を狙ったつもりなのだろうけど、このやり方は完全に失敗。

事件の真相も陳腐。
こんなことで人をメッタ刺しにして火をつけるのですか?

女の醜さをもっと濃く描く場面等があれば、もっと楽しめたかもしれない。
残念です。
 
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:41 | category:    湊かなえ |
# サファイア
評価:
湊 かなえ
角川春樹事務所
¥ 1,575
(2012-04-15)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 サファイア/湊かなえ(角川春樹事務所)
 
 評価 ☆☆☆☆


唯一、「サファイア」と「ガーネット」という作品だけが連作であるだけで今回は短編集なんですね。
湊さんらしいあっと驚くような仕掛けはあるものの、
1つ1つが短いせいかいつもの湊作品よりは軽く読めました。毒も軽め(笑)

湊さんは毒がウリ(笑)なのかもしれないけど、
今回は毒が効きつつもほっこりできるものもあり、「ルビー」というお話がいちばん好きでした。
おいちゃん・・・ ( ノω-、)

「猫目石」だけがどうも納得いかなかった。
もうちょっと詳しく書いてくれないと・・・たぶん私、オチを読み間違えてるかもしれない。

「ガーネット」で主人公のマミ(作家)宛てに寄せられる読者からの評価は
おそらく「告白」でデビューした頃の湊さんに対する読者の言葉や体験がもとになってるんだと思う。

タイトルにすべて宝石の名前がついてるけど、
宝石にこれっぽっちも興味のない私は「なんでこのタイトルなの?関係ないじゃん」って
ほぼすべての作品で思ってしまった。
他の方のレビュー読んでみると「ああ、そうか・・・」と納得できたけど興味がないって怖いね(笑)
自分の女子力の低さにも驚愕!





 
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:01 | category:    湊かなえ |
# 花の鎖
評価:
湊 かなえ
文藝春秋
¥ 1,400
(2011-03-08)

JUGEMテーマ:小説全般

 評価 ☆☆☆

祖母が入院した矢先に無職になってしまった・梨香。
新婚で引っ越し先の新しい街に慣れようとする・美雪。
和菓子屋でバイトをしながら水彩画教室の講師も勤める・紗月。
3人の人生に共通する謎の人物「K」を軸に複雑に絡み合うミステリーです。

3つのお話が交互に出ていて、
いつか繋がるんだろうな〜と思いながら読む進めていくのがワクワクしました。

でも、容易にオチに気づけてしまいますね〜。
紙に相関図を書いて、整理しながら読むことをおすすめします。
読者にミスリードさせるような罠が仕掛けられていますからね(笑)

もっとドロッとした毒があってもいいように思う。
湊かなえさん、どんどん毒がなくなっていくのが寂しい。

それにしても「きんつば」食べたくなるわ〜。
さっき、スーパーに行ったときに探してみたのですが置いてなくって残念(>_<)



 
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:51 | category:    湊かなえ |
# 境遇
評価:
湊 かなえ
双葉社
¥ 1,470
(2011-10-05)

JUGEMテーマ:小説全般
 
 評価 ☆☆☆


ドラマのために書き下ろした作品だそうです(ちなみは私はそのドラマは見てない)。

うーーん、途中で犯人がたやすくわかってしまう。
「たぶんこうなんだろうな・・・」という展開にちゃんと進んじゃうからつまんない。
秘書とか旦那さんの親友あたりをもっと丁寧に描いていれば騙されたかもしれないのに〜。
もう少しひねってほしかった!!

湊さん、新しい作品出せば出すほど毒がなくなってるな。
あっという間に読んじゃいました。

あ、でも本についてるスピンの色が青で、しかも2本ついてる演出はいいかも。
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:35 | category:    湊かなえ |
# 往復書簡
評価:
湊 かなえ
幻冬舎
¥ 1,470
(2010-09-21)
コメント:メールじゃ伝わらない、手紙だからこその緊張感

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 往復書簡 / 湊かなえ
 ● 幻冬舎
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆
高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。
女子四人のうち一人だけこの場に来なかった千秋は、行方不明だという。
そこには五年前の「事故」が影を落としていた。
真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る―。
書簡形式のミステリ。


(感想)

往復書簡によってかつての事件の謎を紐解いていくミステリー。
手紙ならではの距離と時間・・・
すっかりメールが当たり前になった今、手紙ってかなりもどかしいもの!!
返事が届くまでの「時間」を思うと余計に緊張感を感じさせられて怖いです。
どんでん返しが連発し、手紙の内容が核心に近づくにつれどんどん引きこまれました。

3つのなかでは2作目の先生の話がいちばん好きです。
どのお話もこれまでの湊さんの作品に比べると毒が少なくあっさりしています。
 
| comments(0) | trackbacks(2) | 12:11 | category:    湊かなえ |
# 夜行観覧車
評価:
湊 かなえ
双葉社
¥ 1,575
(2010-06-02)
コメント:どうしても「告白」の凄さと比べてしまう・・・

JUGEMテーマ:小説全般
 ● 夜行観覧車 / 湊かなえ
 ● 双葉社
 ● 1575円
 ● 評価 ☆☆☆
高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件が起きた。
父親が被害者で母親が加害者--。
遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。
ほんとうに母が父を殺したのか。
その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる衝撃の「家族」小説。
 


(感想)

湊さんの作品を読むたびに「告白」の凄さと比べてしまいます。
あれが強烈すぎて、ちょっとやそっとじゃ凄いと思えなくなってる。皮肉だー。

人の自己中心的な考え方やエゴがしっかり描かれていて醜い、ほんと醜い。
けど、これこそがリアル。
嫉妬はとめられないし、人の不幸を面白がってしまうのも人間の性なんだろうなぁ。

読んでから時間が経っているのでこんな感想しか書けません。
なるべく読んだらすぐに書くようにしないとダメだな・・・。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:50 | category:    湊かなえ |
# Nのために
評価:
湊 かなえ
東京創元社
¥ 1,470
(2010-01-27)
コメント:「N」は愛する者?それとも自分自身?

JUGEMテーマ:小説全般
JUGEMテーマ:小説全般 
 ● Nのために / 湊かなえ
 ● 東京創元社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆
大学一年生の秋、杉下希美は台風による床上浸水がきっかけで、
同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなる。
努力家の安藤と、小説家志望の西崎。
それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。
すべては「N」のために―。



(感想)

醸し出す空気感が恩田陸さんっぽい作品だったなー。

主な登場人物はいずれもイニシャルが「N」になる6人。
それぞれが自分自身のかけがえのない「N」を守るために嘘をつき、一方で孤独感を抱く。
彼らのその必死の思いが重なりあうことで、少しづつ生じていくズレ・・・。
それぞれが自身の思惑で動いているから、すべてを了承しているものがいない。
だから事件の全貌はいつまでも見えてこない。
このもどかしさがじれったいけど、読後の余韻を残します。

各章ごとに語り手が変わっていくなか、特に色濃く描かれているのが希美。
逆に希美がこんなにくっきり書かれているのに、安藤の人物像をぼかしたのはうまい!
最初は安藤が男か女かすらわからなかったもんね(笑)

全員が「N」だし、最後まで読んでも「N」が誰か1人を指しているわけではないようだった。
もしかしたらただ、みんな自分自身のために動いていたのかもしれないし・・・。
そう考えるとこのタイトルの付け方は本当に秀逸ですね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:11 | category:    湊かなえ |
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