隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 光媒の花
評価:
道尾 秀介
集英社
¥ 1,470
(2010-03-26)
コメント:1編1編としてではなく、くるっと全編で味わう作品だと思います。

JUGEMテーマ:小説全般
JUGEMテーマ:ミステリ
 ● 光媒の花 / 道尾秀介
 ● 集英社
 ● 1470円
 ● 評価 ☆☆☆
印章店を細々と営み、認知症の母と二人、静かな生活を送る中年男性。
ようやく介護にも慣れたある日、幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が
、「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。
三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか・・・・・。
6章からなる群像劇。
大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘、絶望の果てに見える光を優しく描き出す感動作。



(感想)

道尾さんというと、暗くて怖いものを書く人、という印象だったけど今回はひと味違った。
もちろん、従来のそういうテイストも残しつつも、
6章からなる連作短編の中で各章ごとにそれぞれ違うテイストで描いているのがまず、凄い。
しかも、それに違和感を感じさせず、きれいにまとまっている。
1編1編を独立させて読むのではなく、全編通して味わうことがこの作品の醍醐味。
章を追うごとに作品が一つの形になっていくのがしっかり感じられます。

連作短編なので、前の章で救いがないような立場にあった人も、
他の章では幸せになっていたり、ほんの少し光が見えるのがほんのりと良かった。
どんな人の心にも暗さや醜さはある。
けど、それと同時に優しさや愛する心もきっとある。
それを改めて痛感させられる作品でした。
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:57 | category:    道尾秀介 |
# 龍神の雨
評価:
道尾 秀介
新潮社
¥ 1,680
(2009-05)
コメント:「雨」が陰湿な世界を作り上げている

JUGEMテーマ:ミステリ
● 龍神の雨 / 道尾秀介
● 新潮社
● 1680円
● 評価 ☆☆☆☆
雨のせいで、彼らは過ちを犯す。雨のせいで、彼女は殺意を抱く・・・。
すべては雨のせいだった。雨が僕らのすべてを狂わせた。
人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。
悲しい境遇に置かれる2組の子供達がたどり着いた、慟哭と贖罪の真実とは?



(感想)

血のつながっていない親と暮らす2組の兄弟が出てきます。
血がつながっていないが故にわかりあえない、壁がある。
誤解と息苦しさの中で生きていて、それと「雨」がある事件を引き起こしてしまいます。

とにかくずーっと雨が降っている。
はじめから、この雨が陰湿な世界をすっぽりと作りこんで雰囲気作りがまずうまい
一気にこの世界に取り込まれてしまいました。

登場人物のみんが勘違いしていて、考えすぎていて、嘘もついてる。
嘘に嘘が積み重ねられ、どんどん取り返しのつかない事態へ・・・。
で、彼らだけじゃなく読者もまんまと騙されるのね。
まさかあの人がですよ。

圭介くんは可愛いんだけど、辰也は不気味だなぁ。
体操服の件とか怖すぎるー
でも、彼をわざわざキモキャラに描いてるのも、読者を騙す作戦なんだろうなぁ。
今、考えてみると何もかもが伏線だったのかもしれない。

きちんと感想を書こうとするとネタバレになりそう
今回は多くを語らずにおこうと思います。

ひとつ言えることは、
たとえ血がつながっていなくても、家族は家族なんだってこと。
この2組の家族は悲しみを経て、まさに本当の家族になろうとしていた矢先だったんだ。
あと少し言葉を交わしていれば・・・そう思うと切なくなっちゃいますね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:57 | category:    道尾秀介 |
# 鬼の跫音
評価:
道尾 秀介
角川グループパブリッシング
¥ 1,470
(2009-01-31)
コメント:「S」でつなぐ短編集

JUGEMテーマ:小説全般
● 鬼の跫音 / 道尾秀介
● 角川書店
● 1470円
● 評価 ☆☆☆
鈴虫だけが知っている、過去の完全犯罪。
心の中に生まれた鬼が、私を追いかけてくる・・・・もう絶対に逃げ切れないところまで。
一篇ごとに繰り返される驚愕、そして震撼。道尾秀介、初の短篇集。
 


(感想)
直木賞の候補になっていた作品です。
連作短編集と聞いていたけど、どうも連作じゃない
なぜこれを連作短編だと言って売るのかナゾ・・・

収録されている6つのお話のすべてに「S」という人物が出てくるのですが、全員まったくの別人。
しかしどの「S」も薄気味の悪い男だったり、主人公が悪に手を染めるきっかけとなる男であったりと、
主人公にとっての負の存在であることは共通している。
この「どいつもこいつもみんなS」なのにも妙な怖さがあるんです。うまい演出だ。

ジメジメとした陰湿な空気が漂い、気味が悪く、
人の心理が次第に狂気へと変化していく過程もジワジワと怖い。
この「ジメジメ・ジワジワ」のいや〜な感じが文章から鳥肌立つほど感じられる。
文章がうまいんだなぁ。
結末で意外な方向へ落とすどんでん返しがあるけど、
私、こういう展開って好きなんですよね。

ちょっと他の話とは毛色が違う気がした「悪意の顔」がいちばん印象的です。
たんに怖いだけでなく、常識では片づけられない不思議系の要素もあって
乙一テイストな味わいがありました

夏だし、なにかホラーっぽいものでも読みたいなと思い手にした一冊。
その点ではまさに「求めてた本」。

実は道尾さんが直木賞の候補になったのはわかってはいたものの、
候補作のイトルを失念していて
図書館でとりあえず新しいっぽい道尾作品を2冊まとめて借りてきたのです。
「まぁ、このどっちかだろう」、と。
・・・ということで、次も別の道尾作品をご紹介します
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:09 | category:    道尾秀介 |
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