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ときどき旅に出るカフェ / 近藤史恵(双葉社)
評価 ☆☆☆☆
瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。
そこを一人で切り盛りしているのは、かつての同僚・葛井円だった。
ここでは海外の珍しいメニューを提供しており、
旅を感じられる素敵な空間をすっかり気に入った瑛子は足しげく通うようになる。
会社で起こる小さな事件、日々の生活の中でもやもやすること、
そして店主の円の秘密――。
不思議なことに世界の食べ物たちが解決のカギとなっていく。
読めば心も満たされる“おいしい"連作短編集。
(感想)
店主が毎月日本国内や世界中を旅して、
その旅で見つけた珍しいメニューを提供する。
そんな素敵なカフェを舞台に繰り広げられる謎解き連作短編集です。
美味しそうなカフェメニューもたくさん出てくるし、
この雰囲気を嫌いな女性はいないはず!
気軽に読める軽さなので、あっという間に読み終えてしまいました。
カフェというと女性らしいほわわ〜んとしたイメージがあるけど、
それよりも店主の芯の強さと行動力に惹かれます。
きちんとしたビジョンを持って、揺らぐことなく生きられるのは素敵。
この店(この人)は変わらない・流されないという安心感があるから、
お客さんも人もついてくる。うーん、理想だなぁ。
よい雰囲気でサクサク読めるのですが、ラスト近くはなにやら不穏な空気・・・。
せっかくいい心地よい雰囲気だったのにそれをあえて壊すということは、
続編があるとしか考えられません。
まだ素敵な店長の元で、美味しいものを食べて、
いい旅をさせてもらえることを期待しています。