隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 金色の野辺に唄う

評価:
あさの あつこ
小学館
¥ 1,470
(2008-05-31)
コメント:死を繊細に描いている本です。
JUGEMテーマ:小説全般
●金色の野辺に唄う/あさのあつこ
●小学館
●1470円
●評価 ☆☆☆
今、九十を超えた老女・松恵が息をひきとろうとしている。
彼女を看取る親族、知人・・・それぞれに松恵に救われた過去の思い出がある。
屈託や業を抱えながらも、誰かと繋がり共に生き抜いていくことの喜びを力強く描く連作短編集。





(感想)
松恵さんは誰にでも優しく、あったかいおばあちゃんで、
彼女の存在によって救われた人はたくさんいます。
今、その松恵さんが死の時を迎え、
生前の彼女にかかわった4人の人が彼女との思い出を振り返ります。

季節感たっぷりで繊細で美しい物語でした。
この世にあった魂が少しずつ浄化されて天にかえっていく・・・・・
その静かで神々しい雰囲気が十分に感じられる味わいのある文章。
あさのあつこさんってはじめて読んだんだけど、
子供向けの本を書いてる方というイメージが強かったんですね。
でも、読んでみると意外と大人の趣のあるものを書ける人なんだな〜、と。
こういう世界観は好きだなぁ

特に松恵さんのお孫さんの所に後妻さんとしてやってきた美代子さんの視点を綴る「竜胆の唄」と、
松恵さんに救われた過去のある花屋さんの視点の「遥かなる子守唄」が素敵だった〜。
のオレンジ、竜胆のムラサキ、
キーワードとなるアイテムの色の鮮やかさも印象深い。

冒頭と最後の松恵さんの心の描写が美しい。
私もこんな温かい光が差す、いい日和に穏やかな死を迎えられたら本望です

| comments(0) | trackbacks(1) | 09:17 | category:    あさのあつこ |
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