# 深川にゃんにゃん横丁
2008.12.17 Wednesday
JUGEMテーマ:小説全般
●深川にゃんにゃん横丁/宇江佐真理●新潮社
●1575円
●評価 ☆☆☆☆
お江戸深川、長屋が並ぶ「にゃんにゃん横丁」は、その名の通り近所の猫の通り道。
のんびり暮らす猫たちを横目に、雇われ大家の徳兵衛は、今日も店子たちの世話に大忙し。
下町長屋の人々をあたたかく描き出す連作集。
(感想)
かわいいタイトル
もー、手に取らずにはいられませんでした
時代モノは苦手だけど、宇江佐さんは「卵のふわふわ」がすごく良かったし、
また読んでみたいと思ってたのです。
必ず一匹や二匹の猫を見かける小路、「にゃんにゃん横丁」が舞台。
ここで暮らす人たちの人間模様を温かく描きます。
頼りになる大家さん・徳兵衛さん、口は悪いけど世話好きで人情に厚いおふよさん・・・みんなあったかい。
ちょっとうざいかもしれないけど、本当なら「ご近所」ってこうあるべき。
誰でも一人では生きていくことはできない。
誰かに支えられて、そして支えながら生きていることをしっかりと感じる。
胸を締め付けられるような悲しい展開もあり、
生きていくことの厳しさもかいま見せられます。
あくまで猫は主役じゃなくて、
ここに暮らす人たちのそばに寄り添っているだけなんだけど、
その微妙な距離感もいいんだよなぁ
猫ちゃん達、作品の重要なスパイスになってます。
人の温かさと猫ちゃん達ののんびりとマイペースな姿に読んでてほのぼの
自分じゃない誰か(何か)の存在って大きいものですね。