隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 深川にゃんにゃん横丁
評価:
宇江佐 真理
新潮社
¥ 1,575
(2008-09)
コメント:町の人たちの優しさとかわいい猫ちゃん達の日常

JUGEMテーマ:小説全般
●深川にゃんにゃん横丁/宇江佐真理
●新潮社
●1575円
●評価 ☆☆☆☆
お江戸深川、長屋が並ぶ「にゃんにゃん横丁」は、その名の通り近所の猫の通り道。
のんびり暮らす猫たちを横目に、雇われ大家の徳兵衛は、今日も店子たちの世話に大忙し。
下町長屋の人々をあたたかく描き出す連作集。 




(感想)
かわいいタイトル
もー、手に取らずにはいられませんでした
時代モノは苦手だけど、宇江佐さんは「卵のふわふわ」がすごく良かったし、
また読んでみたいと思ってたのです。

必ず一匹や二匹の猫を見かける小路、「にゃんにゃん横丁」が舞台。
ここで暮らす人たちの人間模様を温かく描きます。
頼りになる大家さん・徳兵衛さん、口は悪いけど世話好きで人情に厚いおふよさん・・・みんなあったかい。
ちょっとうざいかもしれないけど、本当なら「ご近所」ってこうあるべき。
誰でも一人では生きていくことはできない。
誰かに支えられて、そして支えながら生きていることをしっかりと感じる。
胸を締め付けられるような悲しい展開もあり、
生きていくことの厳しさもかいま見せられます。

あくまで猫は主役じゃなくて、
ここに暮らす人たちのそばに寄り添っているだけなんだけど、
その微妙な距離感もいいんだよなぁ
猫ちゃん達、作品の重要なスパイスになってます。

人の温かさと猫ちゃん達ののんびりとマイペースな姿に読んでてほのぼの
自分じゃない誰か(何か)の存在って大きいものですね。
| comments(0) | trackbacks(1) | 12:06 | category:    宇江佐 真理 |
# 卵のふわふわ
卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし (講談社文庫)
卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし (講談社文庫)
宇江佐 真理
卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし/宇江佐真理
講談社文庫
560円
評価 ☆☆☆☆
のぶは北町奉行所で隠密廻りの同心・椙田正太郎の妻。
奉行所では伝説の同心と言われている舅、
よその女房達に比べると、亭主にはっきりと物言いのできる姑、
そして女中のお君と暮らしているが、
夫とも心の行き違いはもはや埋められるものではなく、
のぶは真剣に離縁を考えている。
家庭では食い道楽食事で心優しい舅だけが心の拠り所。
「のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ」・・・。
食べ物がつなぐ椙田家の離縁騒動の行く末は!?



(感想)
実は私、時代モノは本当に苦手なんですたらーっ
時代背景に不勉強なため、うまく感情移入できなかったり
知らない言葉が多いというのがその理由ですが、
この本は不思議とサクサク読めましたおはな
のぶの「気のあわない夫と離婚したい」という悩みは
現代に生きる私達にも十分に理解のできるものだし、
食べ物が人の心をつなぐという考え方は今も昔も変わりません。

おひでさんはのぶに言います。
「正太郎さんと一緒に美味しいものを食べる機会を多く持ちなさい。
 そうすればきっと輿入れした頃のようにお慕いできるようになりますよ」と。
本当にその通りだと思います。
どんなに美味しい物も一人で食べても味気ないだけ。
大勢で楽しく食べればどんなものでも美味しい。
誰と、どんな風に食べるかってすごく意味のあることなんです。
食べるって実はすごーく生々しい欲望の行為。
その時間を共有するって、
まるで心も魂もからめ合うような究極の触れ合いじゃないでしょうか。

各章にそれぞれ一つずつ、キーになる食べ物が出てくるんだけど
そのチョイスの仕方もうまいんだなぁ。
食の心の融合性、見事なものです!

できればこの家族のこれからも見てみたい。
食べることのパワーはすごいもんで、
食べれば食べるほど2人は何でも言い合える本当の夫婦になっていく。
のぶの気持ちは本当に食によって変化させられるのですが、
最後に読者にはひとつだけ、どうしても心残りが残るんです。
いるべき人がいない・・・だからこのままで終わってほしくない。
椙田家に本当の意味での「家族団らん」が見たい。
この家族の幸せを祈っています。

これをきっかけに宇江田さんの時代ものの本をもっと読んでみたいです。
苦手分野、克服なるか!?
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:31 | category:    宇江佐 真理 |
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