隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 彼方の友へ
評価:
伊吹 有喜
実業之日本社
¥ 1,836
(2017-11-17)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 彼方の友へ / 伊吹有喜(実業之日本社)

  

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

平成の老人施設でひとりまどろむ佐倉波津子に、赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。
「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。
そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった――
戦前、戦中、戦後という激動の時代に、
出版の世界で生きる波津子とそのまわりの人々を、
あたたかく、生き生きとした筆致で描く、著者の圧倒的飛躍作。

 

 

(感想)

 

健気で純粋な女の子が主人公。

大好きな雑誌を作る編集部で生き生きと生きているけど、戦争が世の中に暗い影を落とし・・・・って

まるで朝ドラみたいなストーリーでした。

 

戦争時代を描いているというだけで、

「人が死ぬんだな」「暗い展開になりそうだな」と思いがちですが、

この作品はそれを描きつつも、暗い・つらいだけではありません。

そんな時代にも美しいものを愛し、きらめきを失わない、

若い女の子のたちのきらきらが作中を明るく照らしています。

乙女のパワー、すさまじきww

こういう輝きのある作品、嫌いじゃないです。

でも回収しきれてない、

別になくてもいいような無駄な伏線が多すぎるのは気になります。

削る部分・しっかり書き込む部分・・・その選択と処理が荒いんですよね。

直木賞候補になってたようですが、これじゃあ受賞はさせられません。

 

作中に登場する少女向け雑誌は「恋愛」に絡む要素はあえて避けて作られています。

登場人物たちの恋心もさわやかに淡くしか描かれていません。

なのになぜか美蘭さんと有賀主筆のあの場面だけはなんだか妙に生々しく、

作中で気持ち悪いほど浮いていて・・・。

バランスの悪さを感じました。

 

悪くはないのにな〜。あと一歩のところで残念な印象の残る作品でした。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:50 | category: 作家名 あ行 |
# 探してるものはそう遠くはないのかもしれない

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 探してるようなものはそう遠くはないのかもしれない / 新井見枝香(秀和システム)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

 

某有名書店のカリスマ書店員による初エッセイ。

「書店員が書いた心温まる本屋の話」ではなく、

37歳、独身、彼氏なし、そんな女のおかしくてちょっぴり痛いお話。

「会社員に向いてない」「結婚に向いてない」日常のエピソードが満載。

 

 

 

(感想)

 

新井見枝香さんは某有名書店にお勤めのカリスマ書店員です。

数か月前に「セブンルール」という番組でこの人を知り、興味を持ちました。

2014年から独自に選考する「新井賞」なるものを設立し、

芥川賞・直木賞と同日に発表してるらしく、

その過去の受賞作のラインナップが良かったのでこちらのエッセイも購入してみました。

 

カリスマ書店員が書いたからといって、書評本ではありません。

あくまで37歳の独身女性の日常を綴ったエッセイです。

まじめな話題は一切なく、とにかく「読者を笑わせたい!」という思いが伝わってきます。

とにっかく明るいです。

さすが多くの本を読んできただけあって、

この方は「面白い文章とはなにか」を知ってる。

それを書くスキルも持っている。

・・・でも、いくら有名な書店員さんだとしても所詮は素人さん。

「面白いでしょ」「私、カリスマなんだよ」感が気になるといえば気になります。

 

作中に何度もジェーン・スーさんの話題が出てきて、帯を書いてるのもジェーンさん。

こういうタイプの女性がジェーンさんを好きなのは当然。納得。

でも、ジェーンさんのエッセイに感じる「激しい共感」はこの本には感じません。

爆笑度もジェーン本よりは低め。

ここがプロと素人の違いなんだな、と。

 

けど、「新井賞」の受賞作はどれもいい作品なので、

この賞を今度も注目していきたいです。

(この機会に未読の受賞作も何冊か読みました☆彡)

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:11 | category: 作家名 あ行 |
# 屍人荘の殺人
評価:
今村 昌弘
東京創元社
¥ 1,400
(2017-10-12)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 屍人荘の殺人 / 今村昌弘(東京創元社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、

曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、

同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。
合宿一日目の夜、映研のメンバーたちは肝試しに出かけるが、

想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。
緊張と混乱の一夜が明け――。
究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか!?

 

 

 

(感想)

 

なにこれww すっごいww

読了してすぐに「この人の他の作品も読みたい」と思って調べたら、

これがデビュー作なんですね!

『このミステリーがすごい!2018年版』第1位

『週刊文春』ミステリーベスト第1位
『2018本格ミステリ・ベスト10』第1位・・・とデビュー作で前代未聞の3冠。

本屋大賞にもノミネートされてたし・・・いやー、すごい人が出てきましたなぁ。

 

普通の推理ミステリーだと思って読み始めたのですが、事態は思わぬ方向に。

そして物語の中心になると思っていた人物が序盤であっけなく退場するという驚き。

推理物に〇〇〇を登場させるなんてよく考えたなww

発想力とぶっとび度がすさまじいです。

B級・ライトノベル的な若い感覚もあるけど、

この発想力はそんな程度の枠には収まるもんじゃない。

デビュー作ということもあり、荒さもたしかに目立ちますが、

この調子で奇想天外なものを書いてくれれば、

唯一無二の相当面白い作家になってくれるんじゃないかな〜。

今後も追いかけたい作家発見。

ビギナーズラックにならないことを祈ります!!

 

まぁ・・・

正直、トリックの種明かしを読んでもよくわかんなかったんだけどw

(私がバカなだけかもしれないけど)

でもそれも気にならないくらい度肝を抜かれた作品です。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:58 | category: 作家名 あ行 |
# バブルノタシナミ

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 バブルノタシナミ / 阿川佐和子(世界文化社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

人気エッセイスト、阿川佐和子さんの結婚後・初エッセイ集!
いまやオンナの人生、90年、50歳は折り返し地点。

アラフィフ世代がかつて駆け抜けた輝かしい「バブル期」をキーワードに、
チャーミングに年を重ねるコツを痛快に語る。

忍び寄る老い、劣化する容貌なんて、どんとこい!
人生の後半には、ワクワクとドキドキとウキウキが山のように待っている!

心のモヤモヤがスッキリ晴れていく、元気が出る一冊。

 

 

 

(感想)

 

毎週、「陸王」で阿川さん見てるから、思わず手に取ってしまった本。

 

「GOLD」という雑誌(既に廃刊か休刊してる)に連載していたエッセイをまとめたものです。

バブル世代やハイブランド志向の人をターゲットにした雑誌だったようだけど、

なーんかそれって阿川さんのイメージじゃない・・・。

でも本人もそれをわかっててこの仕事を引き受けたようで、

やはりゴージャス感よりも、優等生感を感じさせる内容。

なんとなくタイトルと内容があっていない気がします。

 

しかし阿川佐和子って不思議な人〜w

良き家庭の恵まれた環境でまっすぐ育ち、

60過ぎてついについに結婚もできたというのに、

それでも付きまとう残念感・負け組感・・・。

けど、そういうところが憎めないし、

何より彼女はかわいくいること・女でいることを諦めてない。

これこそがこの人の愛される所以ではないでしょうか。

この世代の女性のエッセイならば、

個人的にはもう少し毒っ気がある方が好みだけど、

阿川さんのチャーミングな清らかさにも同性として憧れを感じました。

 

この本を読んでの最も大きな収穫は、

阿川さんが押切もえさんに聞いたという「きれいに見える歩き方」。

それは「足がおへそのあたりから生えてると思って歩く」というもの。

私もこれを実践してみたら、

たしかに自然に背筋ピーンとなり、足がスッと前に出ます。

姿勢の悪さが気になっていたので、

最近はなるべくこれを意識して歩くようにしています。

お腹を意識してきれいな歩き方するのは腹筋にもよさそうだし、

ウエスト痩せに効果あるといいな♪

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:07 | category: 作家名 あ行 |
# 本バスめぐりん。
評価:
大崎 梢
東京創元社
¥ 1,404
(2016-11-30)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ● 本バスめぐりん。 / 大崎梢(東京創元社)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆

 

3000冊の本を載せて種川市を走る移動図書館、愛称めぐりん。

乗り込むのは、65歳の新人運転手テルさんと図書館司書のウメちゃんだ。

2人と1台を待ち受けるのは利用者とふしぎな謎の数々・・・。

本でつながる想いをのせて、移動図書館は今日も走る!

 

 

 

(感想)

 

移動図書館のスタッフと利用者を巡る小さなミステリー集。

ほのぼのとしてあたたかい作品です。

本の中に書いてありましたが、

このテのジャンルの本を“コージーミステリー”と呼ぶことをはじめて知りました。

こういう犯罪や血の出てこない軽めのミステリーは気軽に楽しめるので、

ヘビーな小説を読む時間や心の余裕がない時にはいいと思います。

なにより、本好きな人がたくさん出てくるという点で

読書好きの私達にはもうすでに親近感がわくはずです。

移動図書館を利用する人々が本を通じて親しくなっていく姿なんて、

本当にうらやましいですよ!

宮部みゆきさんや東野圭吾さんなど、

実在する作家や本の名前がたくさんでてくるのも楽しいです。

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:04 | category: 作家名 あ行 |
# 試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。

JUGEMテーマ:小説全般

 

 試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。 / 尾形真理子(幻冬舎文庫)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

かわいい服を買ったとき、一番に見せたい人は誰ですか----。
所帯じみた彼と停滞ぎみなネイリスト、長い不倫に悩む美容マニア、

年下男子に恋する文系女子、披露宴スピーチを頼まれた元カノ、

オンリーワンに憧れる平凡なモテ系女、

そして、彼女らに寄り添うひとりの女性店員。

ある春の日、路地裏の小さなセレクトショップに足を運んだ女性たちが、

運命の一着と出会い勇気をもらう。
ファッションビル「ルミネ」のポスターから生まれた、

今の自分が好きになる5つの物語。

 

 

 

(感想)

 

タイトルに惹かれて衝動買い。

店頭でタイトル見た瞬間、女心がビクンッと揺さぶられましたw 

これ、すごいタイトルだと思います。秀逸です。

知らない作家さんだったので著者プロフィールを見てみると、

著者なんとコピーライター!

なるほど〜、だからこんなにセンスがあるのか〜。納得しました。

 

あるセレクトショップを訪れたお客さん達の恋愛模様を描く短編集です。

正直、物語自体はこれといったインパクトはなく、

すぐに内容を忘れてしまいそうな軽い恋愛モノでした。

けどやはりコピーライターとしての力量のすごさは感じます。

各章のラストがそれぞれ素敵な一文で締めくくられているのが印象的!

結末が明確に描かれていなくて、余韻を残すようなラストもよかったなぁ。

 

たしかに自分のきれいなかわいい姿をいちばん見てほしいのは、好きな人。
新しい服を買って、自分を磨く努力をして・・・。

女が自分の外見のためにする気使いや努力はすべて好きな人のため。

そんな恋してるときのウキウキした感情は女性ならみんな共感できると思います。

まさに女のための本という感じで、

男性が読んでも面白い本ではないのかもしれません。

 

「感情は年を取らないのかもしれない。対処の仕方が大人になっていくだけで。」

これは年下の同僚を好きになってしまった35歳の主人公の言葉。

「感情は年を取らない」・・・ほーんとそうだと思います。

てか、ときめきを感じられなくなって、

自分を磨く努力ができなくなったら女としてと女の部分が終わってしまう気がする。

要は気持ちに大人としての対処ができるかどうか。自分を保てるかどうか。

いつまでも若い感覚・感情できらきらと潤っていたいものですw

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:33 | category: 作家名 あ行 |
# イニシエーション・ラブ
JUGEMテーマ:小説全般
 イニシエーション・ラブ / 乾くるみ(文春文庫)
 
 評価 ☆☆☆


僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。
やがて僕らは恋に落ちて…。
甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、
最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。
あなたはきっと「必ず二回読みたくなる」。




(感想)

「最後の2行目ですべてが変貌する」とか「必ず2度読みたくなる」とか
こんなこと言われたら絶対に読みたくなるに決まってますよね?

たしかに最後の2行ですべてが変わってしまうのは事実。
確認のためにもう1回読みたくなるのも事実。
こういうひっかけ小説を読んだのは初めてではないけど、
小説の利点をうまく活かしたトリックには驚かされました。

後半の「side-B」を読んでいると、おかしいな?と感じる箇所は多々あります。
でも私は最後から2行目を読むまでに
その違和感の答えを導き出すことはできなかった。
うん、あやしいと思いつつもしっかりと騙されたんだな・・・。

そう、騙された。物語の仕組みにも驚かされた。
だけど小説として、ストーリーが面白いかというと・・・うーん。
一組の男女が出会い、惹かれあい、少しずつ距離を縮めていくお話。
まぁ、どこにでもあるような恋愛。恋愛小説としてみたらまったく面白くない。
だけどだからといってミステリーだとも思わない。

なるべくなら「最後の2行」なんて宣伝文句に惑わされず、
変な先入観も持たずに読むのがいいのだろうけど、
「最後になんかある!」って期待がないと、
この盛り上がりどころのないつまんない若者の恋愛に時間を割くのはかなりの忍耐力を必要とする。
「最後に物語がひっくり返るという情報」が入っていたからこそ、
読めたのかもしれないな。

それを考えると、
やっぱり本を売るのも中身の良し悪しだけでなく宣伝の仕方も大きいんだな。
・・・と、改めて感じされてくれる本でした。

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:53 | category: 作家名 あ行 |
# ボタニカル・ライフ―植物生活
JUGEMテーマ:エッセイ

 ボタニカル・ライフ―植物生活 / いとうせいこう(新潮文庫)

 評価 ☆☆☆☆


庭のない都会暮らしを選び、ベランダで花を育てる「ベランダー」。
ある日ふと植物の暮らしにハマッた著者の、いい加減なような熱心なような、
「ガーデナー」とはひと味違う、愛と屈折に満ちた「植物生活」の全記録。
第15回講談社エッセイ賞。



(感想)

ドラマの大ファンで、原作も読んでみたくなり購入。
主人公はドラマに比べるととても丁寧に大事に植物を育てている印象を受け、
ドラマ以上に主人公の植物に対する「愛」と「執念」を感じました。
「やつら」「植物ども」・・・この言い回しもツンデレとしか思えないしw

実は私も「ベランダー」です。
狭っこいベランダで自分勝手・好き勝手にボタニカルライフしています。
だからこそ共感できる部分はすごく多かった。スペースとの戦いなどは特にw

ドラマ版で私がいちばん共感したのはシーズン2の第2話のシクラメンの回で、
この本のこれに該当する章も大笑いしました。
「シララメンのかほり」、および小椋佳と絡めて展開していくなんて秀逸すぎます。
ウチは毎年必ず、お歳暮にシクラメンを1鉢もらいます。
私にとっては欲しくなくても増えていく厄介な植物・・・・。
しかも今現在は6月中旬なのにもかかわらず、我が家の4鉢のシクラメンのうち、
2鉢はまだ花など咲きおってのうのうと生きています。
どこが冬の花だってハナシです。
いとうさんはシクラメンが好きになったと言ってるけど、
私は春夏らしいベランダガーデン作りをこの花によって邪魔されてる気がするのでまだ好きになれません。
でも、いつかは歩み寄れるかな?この章を読んでなんとなくそう思いました。

植物だけじゃなく、ヤゴやメダカなど生き物に関する章も面白いですね。
どーなるんだろうとハラハラニヤニヤしながら読みました。

内容的には☆5つでもいいのですが、やはり写真が欲しかった!
知らない植物が出てくるといちいち調べたり、うまくイメージがわかなかったりで、
その辺にめんどくささを感じました(まぁ、私に知識がないってだけの話ですが・・・)
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:52 | category: 作家名 あ行 |
# うれしい悲鳴をあげてくれ
JUGEMテーマ:文庫
 
 うれしい悲鳴をあげてくれ / いしわたり淳治(ちくま文庫)

 評価 ☆☆☆


どれもこれも早くて2分、ちょっと長くても5分くらいの時間で読める小説&エッセイ集。
まずはパッと開いたページを読んでみてください。
ひとつひとつのタイトルのつけ方が秀逸で、読み終わったあとに、にやっとしたり、
ぞっとしたり、きゅんとしたり、すっと納得できたりの作品集。



(感想)

元・スーパーカーのメンバーで現在は音楽プロデューサーのいしわたり淳治さんのエッセイ&短編集。
「ロッキン・オンジャパン」に連載していたものをまとめた物です。
(いくつかの書き下ろしもアリ)

実は私、この方のことは全然知らなくて・・・。
スーパーカーも存在は知ってたけど、一度も聴いたことはないしね(すいませーん)
チャットモンチーやねごとのプロデュースや、
Superaflyの「愛を込めて花束を」やChayの「あまたに故意をしてみました」の作詞もしてる人なんですね。
そこまで言われてやっと「おお!」となりました。

そんな私がなぜこの本を手にしたかというと・・・とにかく「売り方がうまい」から。
書店でものすごくプッシュされてたし、
帯に「この本を楽しめないなら他にオススメはありません」なんてすごいことが書いてある。
さらに巻末の解説が鈴木おさむさんとなれば、期待するなという方が無理です。

で、期待して読んでみたのですが。

たしかに感性は面白いと思う。
特に小説は独特の味があります。ブラックユーモアや不思議な世界観。
ショートショートと言えるくらいの短い作品ばかりなので、
短時間でサラサラッと読むにはいいです。

エッセイはどこまでが現実なのかいまいちわからなくて、
エッセイらしくないエッセイでした。
視点と着眼点がいい。
中でも「笑ってはいけない温泉宿」という話しは私好みでした。

だけど、短めのお話がたくさん入っていて気軽に読めるというのは
メリットにもデメリットにもなります。
時間がない時でも1つ、2つ読もうかなくらいの気持ちで軽く手に取ることはあったけど、
じっくり本腰入れて集中して読みたいほどではないから、
早く先が読みたいという気持ちにはならない。
だから読了するのにかなりの日数がかかりました。

どちらかというならば、エッセイより小説の部分の方を評価したいです。

私は長編の方が好みだけど、この人は長編は無理だろうな。
この短さでないと、この人の良さはでないんだと思う。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:13 | category: 作家名 あ行 |
# キャプテンサンダーボルト
評価:
阿部 和重,伊坂 幸太郎
文藝春秋
¥ 1,944
(2014-11-28)

JUGEMテーマ:小説全般

キャプテンサンダーボルト / 阿部和重・伊坂幸太郎(文藝春秋)

評価 ☆☆☆☆☆


小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。
二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、
それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫っていく。
東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、
公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。
すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは――



阿部和重さんの小説は全部読んでいます。
伊坂幸太郎さんも読んでないのは2,3冊しかないと思う。
要するにお二人とも私の大好きな作家。
この二人が合作を発表すると知った時はブワーッと鳥肌が立ちました。

私は山形在住。
仙台にもよく遊びに行くので、お二人の作品はどれも土地勘があります。
そういう意味でも楽しませてくれるお二人です。

1章ごとに執筆をバトンタッチしていき、
相手の書いた部分もどんどん手を入れるという形で書いていったらしいけど、
正直、どこをどっちが書いてるかは二人の作品を読みこんでいる私でも全然わかりませんでした。
でも、「ああ、このアイディアは絶対に阿部さんだ」「これは伊坂さんっぽい」っていうのは
なんとなくわかります。そういう箇所を見つけるのもファンにはたまりません。

文体は阿部さんが伊坂さんに合わせてる気がします。
そして、阿部さんが得意な「壮大な嘘っぱち」にノッテくれてる伊坂さんw
お互いがお互いの持ち味を活かし、譲り合いながら、いいところでまとめてる感じ?
そのバランスが絶妙です!
この二人がこんなに相性よかったなんて・・・これ読むまで気がつきませんでした。

疾走感と爽快感!最高のエンターテインメント作品でした。
最後の銀行の場面のハラハラ・ワクワク感といったらないっ!

今年は例年に比べると面白い本にあまり出会えず、不作の年と感じていたのですが、
年の瀬になりこんなに夢中になれる作品に出会えるとは!
今年のナンバー1かも(๑→ܫ←๑)
これぞ「終わりよければすべて良し」ですね。来年もいい本にたくさん出会えますよーに♪

 

 
| comments(3) | trackbacks(1) | 17:09 | category: 作家名 あ行 |
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