隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 霊感刑事の告白 / 阿部一男

 

JUGEMテーマ:ノンフィクション

 

 ● 霊感刑事の告白 / 阿部一男(幻冬舎)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆

 

刑事課長には霊感があった!?

見えない存在が発する声に時に苦しめられ、時に捜査を助けられてきた筆者が伝える霊界からのメッセージ。

 

 

 

(感想)

 

吉本ばななさんの本で紹介されていた本です。

著者は宮城県鳴子町の警察署長さんだった方。

私は温泉好きで、鳴子温泉にはかな〜り通っていた時期があったので親近感が沸き、購入いたしました。

 

文字が大きく、文章も軽い。読みごたえを感じません。

格言のようなものでページ数を稼ぐ演出もどうかと思います。

本のタイトルが2時間サスペンスドラマにありそうな感じだったので、

霊能力で事件を解決する小説っぽいものをイメージしてたので肩透かしをくらいました。

 

後半はこの世と霊界の緊密な関係について綴られますが、私としては死後のことや霊界のことなど考える以前に、まずは今回の人生を大事に生きることの方が重要に思えてなりません。

なんだかよくわからない自己啓発やスピリチュアルの要素も感じました。

もう読み返すことはなさそうです。

| comments(0) | - | 21:15 | category: 作家名 あ行 |
# 変な絵 / 雨穴

 

 

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ● 変な絵 / 雨穴(双葉社)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、

山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』……。
いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。

9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!? その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる! 

今、最も注目を集めるホラー作家が描く、戦慄の国民的スケッチ・ミステリー!
 

 

 

(感想)

 

話題になってるシリーズなので読んでみました。

 

頭が固い人は真相を見破ることはできないでしょうね・・・。

ちょっと見方を変えてみること、固定観念や思い込みをなくすことが大事。

伏線回収も見事でした。

今までにあまり読んだことのないような斬新な趣向の作品で、話題になるのも納得。

ライト層にウケそうですね。

 

| comments(0) | - | 09:21 | category: 作家名 あ行 |
# 君が手にするはずだった黄金について / 小川哲

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ● 君が手にするはずだった黄金について / 小川哲(新潮社)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 

青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、

ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。

著者自身を彷彿とさせる「僕」が、

怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。

彼らはどこまで嘘をついているのか? 

いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? 

いま注目を集める直木賞作家が、

成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!

 

 

 

(感想)

 

主人公と著者自身が重なる、

私小説のようなエッセイのような不思議な作品。

はじめて読む作家さんでしたが、

このタイプの作品を多く書いていて、

硬く思えるような文体の中にクスッと笑えるようなエッセンスも散りばめられているあたりが

阿部和重さんの雰囲気にしているなと感じました。

めんどくささととっつきにくい感じもよく似ています。

でも、この哲学っぽい感じ、嫌いじゃないです。

同級生の片桐君の話がいちばん笑えました。

 

もったいなかったのは、円グラフの件。

主人公がどんな円グラフを完成されるのか楽しみにしていたのに

その場面がなく残念です。

 

 

| comments(0) | - | 14:21 | category: 作家名 あ行 |
# わたしを離さないで / カズオ・イシグロ

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ● わたしを離さないで / カズオ・イシグロ(早川書房)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。

キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。

共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。

キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、

施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。

しかし、次第に彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく――

英米で絶賛の嵐を巻き起こし、

代表作『日の名残り』を凌駕する評されたイシグロ文学の最高到達点。

 

 

 

(感想)

 

長年気になっていた作品をついに読みました。

わからないことが多すぎるし、

「提供者」「介護者」「施設」など読者の想像を刺激するような謎の言葉が散りばめられ、

前半は違和感たっぷり。

全容を理解するにはだいぶ時間がかかり、もやもやします。

そして描かれていることはかなり衝撃的なはずなのに、

あくまで静かに冷静に、読者も登場人物たちもその現実を受け入れていく。

これまで味わったことのない感覚の作品でした。

描き方によってはSFにもホラーにもミステリーにもなる題材ですが、

こんなにも静謐に透明感の溢れる作品に仕立てるカズオ・イシグロの凄さに脱帽です。

 

抗うことなくその人生を受け入れているキャシーたち。

命の尊さ・自由の権利・・・彼女たちにはそんな発想すらない。

あまりにも淡々とした人生に切なさがおさえきれません。

 

一生記憶に残るようなすばらしいクオリティの作品だと思いましたが、

どうしてもどうしてもルースの性格が好きではなく、

彼女に始終いらいらさせられたので☆は4つです。

| comments(0) | - | 11:13 | category: 作家名 あ行 |
# 新型コロナワクチンの光と影 誰も報じなかった事実の記録 / 大石邦彦

JUGEMテーマ:ノンフィクション

 

 ● 新型コロナワクチンの光と影 誰も報じなかった事実の記録 / 大石邦彦(方丈社)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

重い後遺症に苦しむ人、

そして接種後の死亡例も数多く存在する新型コロナワクチン。

その“事実”を、地上波局として初めて継続的に報道したCBCテレビ取材チームのコロナ禍3年間の記録。

 

 

 

(感想)

 

令和2年の春、全国の学校が休みになり、

緊急事態宣言も出され、この先どうなってしまうのかという不安。

感染に怯え、そしてついに私自身も感染・・・・

世界がガラッと変わったこの目まぐるしい3年間を丁寧に描き、

その頃の心情などを改めて思い出させてくれる内容でした。

 

決して「反ワク」と言われるような立ち位置ではなく、

中立の立場からこの約3年にも及ぶコロナ禍を見ている本です。

その視点で見て、おかしいと思ったことをきちんと追及して取材する。

誰に忖度することもない、しかし苦しんでいる人への配慮も感じられる真実の報道。

これこそが本来の報道のあるべき姿だと感じました。

地上波のテレビ局でこんなにきちんと真実と向き合った放送局は

CBCさん以外には存在しません。

この勇気ある決断には感謝でいっぱいです。

 

最終的にはすべての国民に読んでほしいけれど、

真実を知ったら、この国・そして自分の体に対する恐怖で絶望する人もいるかもしれませんね。

そう考えると素直に国やワクチンを信じている人に差し出すにはあまりに暴力的すぎる本とも言えます。

ゆっくりと、ゆっくりと、自分自身で今の日本のおかしさに気づきはじめる人が増えればいいな。

その段階になった人にならおすすめしていいのかもしれません。

| comments(0) | - | 22:45 | category: 作家名 あ行 |
# 同志少女よ、敵を撃て / 逢坂 冬馬
評価:
価格: ¥ 2,090
ショップ: 楽天ブックス

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ● 同志少女よ、敵を撃て / 逢坂 冬馬(早川書房)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

独ソ戦が激化する1942年、

モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は突如として奪われた。

急襲したドイツ軍によって、

母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。

自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。

「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、

イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する

 

 

 

(感想)

 

海外が舞台の小説・戦争小説は苦手です。

そんな自分がはたしてこの本を完読することができるのかと不安はありましたが

読み始めると一気にひき込まれました。

この戦争を詳しく知らなくても、兵器に詳しくなくても、読めます。

リアルな戦争描写も素晴らしいのですが、会話部分にも力のある作品。

この作家さん、これがデビュー作だなんて信じられません。

 

戦況よりも、戦争が人を変えていくことに恐怖を感じます。

どこにでもいるような普通の少女・セラフィマが目の前で村を全滅させられ、母を殺され、

復讐心だけを生きる力にして戦火を生き抜いていく。

こんな時代でなければ、みんな「普通の人」だったはずなのに、

殺し、傷付け、奪い・・・でもそれが決して「異常なこと」ではないという現実。

特にミハイルの結末の描き方が強烈に恐ろしかったです。

 

折しも今、ウクライナとロシアは戦争中。

このタイミングでこの本に出会えたことにも運命的なものを感じました。

これは実写よりアニメにすべき。

| comments(0) | - | 00:40 | category: 作家名 あ行 |
# かんむり / 彩瀬まる
評価:
価格: ¥ 1,650
ショップ: 楽天ブックス

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ● かんむり / 彩瀬まる(幻冬舎)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆

 

夫婦。血を分けた子を持ち、同じ墓に入る二人の他人。
かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに、今はーー。
夫が何を考え、どんな指をしているのかさえわからない。
「私のかんむりはどこにあるのか」・・・著者四年ぶり書き下ろし長編。

 

 

 

(感想)

 

中学時代に出会い、やがて結婚、死別するまでの夫婦の姿を描いた物語です。

これといった劇的な出来事はなく、たんたんと流れていく夫婦の日常。

あたたかい関係を築いている時期もあれば、冷え切った時期もある。

それは夫婦として当たり前。

一緒にいればいろんなことがあるけれど、

不倫とか借金とかどちらかに決定的な悪いところがあるということでもない。

ならば縁があって夫婦になったもの同士、

なんとか折り合いをつけて長くうまくやっていきたい。

そうやって長く長く続く関係。

この関係に憧れも嫌悪も抱かないけれど、

2人の歴史が作り上げていく深い深い愛のカタチを見たような気がします。

 

虎治が主張する昭和臭い「男は強くあれ」みたいな考え方や、

体形は美しいに越したことがないような考え方も作品の大きなテーマの一つではあります。

けど、私はそちらよりも夫婦の関係の方に興味がいきましたね。

| comments(0) | - | 15:12 | category: 作家名 あ行 |
# 38歳、男性、独身淡々と生きているようで、実はそうでもない日常。 / ウイ

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 ● 38歳、男性、独身淡々と生きているようで、実はそうでもない日常。 / ウイ(KADOKAWA)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆

「なんで結婚しないの?」と聞かれた時、

「こっちが聞きたいよ」と言えたらどんなにいいだろうと思っているあなた。
調子がいい時は「独身最高! 自由万歳!」だけど、

調子を崩すと「自分はこのまま一生1人なのだろうか…」と考え始めるあなた。
「運命の恋とかないから。もう大人なんだから」と言いながら、

……あなたは、みんな、わたしです。
「そのうち結婚するっしょ」と思いながら、

気づけばアラフォーになっていたすべての人へ。
圧倒的共感でお送りする独身論。

 

 

(感想)

 

私は既婚者ですが、

どこかでこの本が紹介されているのを見て、興味を持ちました。

著者のウイさんは私も住んでる山形出身だし、

ローカルな情報かなんかだったかなぁ。

 

幸せとは言い切れないけど、不幸ではない。

贅沢をするお金がないのではなく、

そもそも贅沢することに価値を見出せない。

結婚しないのも特に強い主義主張があるわけではなく、

たまたまそうなっているだけ。

・・・ほんとうに、たったそれだけのことでした。

でも、それだけのことがとても自然に思えて、

共感と親近感でいっぱいです。

特に学びがあるわけでもなく、

ただ淡々と30代の独身男性の日常や考えが綴られるだけなのですが面白かったです。

 

昔からある「幸せ」や「当たり前」のスタンダードな形。

著者のように自分軸で生きる人が増えてきてることで、

それが揺らぎ始めています。

これを私は人類の進化ととらえたい!

まわりにとらわれず、自分らしく生きましょう!

| comments(0) | - | 11:54 | category: 作家名 あ行 |
# 僕の人生は事件が起きない / 岩井勇気

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 ● 僕の人生は事件が起きない / 岩井勇気(新潮社)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

段ボール箱をカッターで一心不乱に切り刻んだかと思えば、

組み立て式の棚は完成できぬまま放置。

「食べログ」低評価店の惨状に驚愕しつつ、

歯医者の予約はことごとく忘れ、

野球場で予想外のアクシデントに遭遇する……。

事件が起きないはずの「ありふれた人生」に何かが起こる、

人気エッセイがついに単行本化! 

 

 

 

(感想)

 

有名人であろうと、一般人であろうと、

面白いことや特別なことなんて日々の中でそう起こることはない。

そんなありふれた日常の中で、

ほんの小さなひっかかりや面白いことを見つけ、

読者にあるある〜と共感させるようなゆるーいエッセイでした。

爆笑するようなエピソードが多くあるわけではありませんが、

スルスルとあっという間に読めました。

あんかけラーメンの汁の話が狂気に満ちててじわじわ来ます。

これをやってみようと思う非凡さが、

お笑い芸人として成功につながっているんでしょうね。

 

んー、でも唯一残念なのは、猫ネタがまったくなかったことかな。

岩井さんといえば猫でしょ?

猫の話題を期待してたので拍子抜け。だから星は1つマイナスの4で。

| comments(0) | - | 15:26 | category: 作家名 あ行 |
# 【再読】 アミ 小さな宇宙人 / エンリケ・バリオス

JUGEMテーマ:スピリチュアル

 

 ● アミ 小さな宇宙人 / エンリケ・バリオス(徳間書店)

 

 ● 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

少年ペドゥリートとアミと名乗る宇宙人との感動のコンタクト体験。

宇宙をめぐる旅の中でペドゥリートは、

地球がいまだ野蛮な、愛の度数の低い未開の惑星であることを教わる!!

世界11カ国語に訳された不朽のロング&ベストセラー。

 

 

 

(感想)

 

20年くらい前に読んだ本の再読です。

コロナ禍で誰もが漠然とした不安を抱える今、

ふと読み返してみたくなりました。

 

地球人の少年が宇宙人・アミとコンタクトし、

他の星の様子を教えられ、

地球人に足りない「愛」の重要性に気づかされていくお話です。

さくらももこさんのイラストでずいぶんと手に取りやすい感じにはなっていますが、

スピリチュアル系の本なので不快に感じる人はいるだろうし、

信じない人も多いでしょう。

でも信じる信じない人は別として、

ここで大事だとされていることは人として本来あるべき姿そのものだと思います。

単純に「こんなのおとぎ話だから」と片付けてはいけない真実が語られています。

 

宇宙レベルの大きな話でとらえる必要はなく、ただ自分のことだけ、

「生きることを楽しもう」って意識をするだけでも大きな意味がきっとある。

問題を抱えたとしても、ネガティブに悩むのではなく、

「ステップアップするための挑戦」だと解釈する。

そうするだけで元気で活き活きといられるんでしょうね。

みんながそういう意識で生きることができたなら、

地球は明るく楽しいところになるんだけど・・・。

・・・・と、わかってはいるのよ。

でも根が暗くて考え込みがちな私には、

こういう自分でいるのはなかなか難しい。

今の自分には無理だけど、こういう自分にはなりたいなー。

| comments(0) | - | 15:45 | category: 作家名 あ行 |
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