隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# どん底名人
評価:
依田 紀基
KADOKAWA
¥ 1,620
(2017-11-10)

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 どん底名人 / 依田紀基(角川書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

「私はこの本を、遺言のつもりで執筆した」
北海道から単身上京して内弟子となり、囲碁界の頂点を極め、

しかし女やギャンブルに溺れ下り坂に至るまでの明暗を、

自ら向かい合い書き抜いた類まれなる自伝。

 

 

 

(感想)

 

囲碁棋士・依田紀基の自伝。

タイトルに「どん底」とあるように、

たしかに波乱万丈、人生すごいところまでいっちゃってるんですね・・・。

けど、自分をどん底に追い込んだのは依田さん自身でしかないし、

自業自得だろうという感想しか持てませんでした。

囲碁界も若手がどんどん台頭してきてるけど、

私は依田さんだってまだまだ第一線の棋士だと思うけどなぁ。

50歳は「遺言」なんて言って枯れるような年齢ではないですよ。

もう地獄見ちゃったんだから、

開き直るような気持ちでまだまだ頑張ってほしいです。

 

自分の行いのせいでどん底味わった自業自得のこの人だけど、

何よりも「この人、ダメだろ」と思うのは、

別居中の子供たちから会ってもらえないような状況であるにもかかわらず、

こんな本を出してること!!

別居してて直接伝えられない状況だから、

本という形で自分が人生で学んだ経験を子供たちに伝えたいと書いてはいる。

でも、バクチ・酒・女におぼれ、最高で8股してたなんて、

そんなことを世間にさらしてくれるなよ・・・・。

子供全員未成年なのに、

こんなん読んだらどう思うよ・・・かわいそうだよ・・・。

この人生、いま、本という形で未成年の子供に知らせるってどうよ?

自伝出すのは勝手だけど、奥さまや子供たちの気持ちを考えると

「息子たちに伝えたい」なんて書くべきじゃなかったのではと思います。

あまりに自分勝手としか思えません。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:36 | category: 作家名 や行 |
# ランチ酒
評価:
原田ひ香
祥伝社
¥ 1,512
(2017-11-14)

JUGEMテーマ:小説全般

 

ランチ酒 / 原田ひ香(祥伝社)

 

個人的な評価 ☆☆

 

犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。営業時間は夜から朝まで。

ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、

とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。

そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。

孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす娘の幸せを願いながら、

今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!!

 

 

 

(感想)

 

主人公の祥子も、彼女のお客さんたちも孤独を抱えている。

その寂しさを紛らわせるのが仕事の後に食べるランチ、+お酒。

そう、彼女はランチの後に帰宅して就寝する生活をしているので、

ランチとともに晩酌ならぬ「ランチ酒」も楽しむのでありました。

 

連作のスタイルで、各章ごとにランチとお酒も出てきます。

ランチの方はバラエティ豊かで美味しそうなんだけど、

お酒の方に飲み足りないような物足りなさを感じるのが残念。

お酒のバリエーションがなぜか

「ビール」「日本酒」「ワイン」程度しか出てこないんだよなぁ。

どうせなら流行りのレモンサワーやハイボール、カクテル各種・・・

などなどいろんなものに手を出してくれればよかったのに。

 

物語の方も薄っぺらいです。

肝心の深い部分を描かずに寸止めで終わっちゃう。

起承転結の「結」がない。これじゃ読者は消化不良になりますわ。

 

ちょっと読み応えが足りませんでした。

ライトな読者層に向けた本なのかもしれませんね。

「孤独のグルメ」「ワカコ酒」路線の映像化をねらってそう・・・。

| comments(0) | trackbacks(0) | 19:17 | category: 作家名 は行 |
# 2017年の面白かった本

1年間の読書総括、別ブログの方にまとめました。

 

こちらです

| comments(0) | trackbacks(0) | 19:04 | category: - |
# 今夜は心だけ抱いて

JUGEMテーマ:小説全般

 

 今夜は心だけ抱いて / 唯川恵(朝日新聞社)

 

 個人的な評価 ☆☆

 

17歳の女子高校生の娘と47歳のバツイチの母親がある日、

ビルのエレベータが急直下事故に巻き込まれ、ふたりの心は入れ替わってしまう。

……若いカラダと熟れたココロ、熟れたカラダと若いココロ、

さて女はどっちで恋を始めるのでしょう?

 

 

 

 

(感想)

 

2人の人間の心が入れ替ってしまうというお話は、

これまで数多く発表されてきたけど、

これは入れ替った10代と40代の母娘のそれぞれの恋愛と性に重きを置いた作品。

2人の親子関係や歩み寄りを丁寧に綴るのがテーマではありません。

女性心理を描くのが得意な唯川さんらしい「入れ替りもの」と言えるでしょうね。

 

しかし、この母親、気持ち悪かったな。

経験があるから我慢できないのかもしれないけど、

娘の肉体を大切にしてないように感じられるのがどうも不快でなりません。

性体験があるかどうかもわからない娘の体を預かっておいて、

吉岡さんや須加さんとああいうことをする母親がいますか?

これには思いっきり引きました。

この不快感が、私のこの作品への全体的な評価を思いっきり下げました。

一方で娘の方は、深尾さんと大人の恋を育んでいく。

両者の対象的な恋模様が面白かったです。

 

「大人たちは愛の言葉の代わりに、胸の奥にある引き出しを開け、

その中にしまい込んでいたものを少しずつ見せてゆくものらしい」 という一文は素敵だったなぁ。

この場面で深尾さんが話した子供時代のやんちゃなエピソードにも大人の女はキュンとする

恋のはじまりの淡い時間・・・この場面は何度も読み返してしまいました。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:22 | category:    唯川恵 |
# 三十光年の星たち(上)(下)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 十光年の星たち(上)(下) / 宮本輝(毎日新聞社)

 

 個人的な評価 (上) ☆☆☆☆☆

        (下) ☆☆☆☆☆

 

京都に住む三十歳の坪木仁志は、職を失い、

恋人に捨てられ、明日の生活もままならない。親に勘当され、

金貸しの佐伯平蔵から借りた八十万円の借金を返せるあてもない。

そんな坪木に佐伯はある提案をする。

それは、借金返済の代わりに坪木を車の運転手として雇い、

返済の滞る人びとのもとへ「取り立て」に出かけるというものだった…。

 

 

 

(感想)

 

上下巻あわせての感想になります。

 

宮本輝さんの作品で描かれるものは古臭いし、

道徳みたいで説教くさくとらえる人もいるかもしれません。

けど、「心の在り方」をじっくりと考えさせられます。

この、心の奥底に触れる感じがたまらなく好き!

私は人の心が丁寧に描かれた小説が本当に好きなんだな、と改めて感じました。

 

自分自身で考える「自分」というのは誰の中にもあって、

それに徹底してこだわるのが自分らしい生き方だと思うのも決して間違いではないけど、

仁志のように人に周囲によって導かれて、進むべき道筋が見えてくる人もいる。

大事なのは、人の言葉を素直に受け止める心の柔軟性で、

人に流されてみるのも案外悪くないものです。

人生において、「人との出会い」ほど大きなものもないのかもしれません。

 

若い人はもちろんだけど、

佐伯のように「人を育てる」世代・立場になってきている大人の人にも読んでほしい作品です。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:08 | category:    宮本輝 |
# ランチタイム・ブルー

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ランチタイム・ブルー / 永井するみ(集英社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

29歳。独り暮らし。恋も仕事も行き先不明!?

駆け出しのインテリア・コーディネーター知鶴の日常は

ささやかな事件と隣り合わせ。

 

 

 

(感想)

 

30歳を目前にし、人生に焦るはじめてる女性・庄野知鶴。

思い切ってインテリアコーディネーターを目指して再就職。

知鶴の日常に起きるミステリーと、

少しずつ成長していく知鶴の姿を描く連作短編です。

カテゴリーとしては、ミステリーと恋愛小説のミックスのような感じかな?

 

読者のミスリードを誘うような書き方をしてる部分も多く、

「あ!そっちか!!」と意外なオチに驚かされたりww

けど、だいたいは特に感情を揺さぶられることなく淡々と読めました。

 

特に好きなのは「ウィークエンド・ハウス」。

普段は仕事をバリバリこなす上司の広瀬さんの

かわいらしさが垣間見られた章です。

しかし、その後の章では広瀬さんとあの男性が

どうなるかにはまったく触れずに終わっちゃったのは残念。

全体的に広瀬さんのエピソードがもっと多ければ、もっと面白くなったはず!

続編もありそうな終わり方だったので、

「もしするみさんが生きてたら・・・」なんて考えても仕方のないことを考えてしまいました。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:10 | category:    永井するみ |
# 夜行
評価:
森見 登美彦
小学館
¥ 1,512
(2016-10-25)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 夜行 / 森見登美彦(小学館)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。
十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、

長谷川さんは突然姿を消した。
十年ぶりに鞍馬に集まったのは、

おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。
夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。
私たちは全員、

岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ傑作。

 

 

 

(感想)

 

森見さんの作品は日本(京都)らしい和のテイストでありながらも、

煌びやかでPOPできらきらはめちゃめちゃ楽しい印象です。

ですが今回は180度違って、漆黒の闇を思わせるダークで怪しげな作品。

ゆるめのホラーといっても言ってもいいでしょう。

今までとはまったく違う世界観に驚かされました。

 

昔の仲間が久しぶりに集まり、

それぞれが体験した不思議な出来事を語る・・・という流れなのだけど、

最後のオチには圧巻だったわりに、

仲間たちの語る不思議体験の部分はおさまりが悪くもやもやが残ります。

雰囲気はいいのに、

もっと味わい深い余韻が残るような読後感にはできなかったのでしょうか。

 

物語のキーとなるのは「夜行」「曙光」という2つの銅版画の作品群。

この小説のタイトルが「夜行」であるならば、

この作品の対となる作品という立ち位置で、

もう一つの世界を描いた「曙光」という作品も書けばいいのに。

てか、「曙光」という作品がないのが不思議なくらいなのですが・・・。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:41 | category:    森見登美彦 |
# うちのご近所さん
評価:
群 ようこ
KADOKAWA/角川書店
¥ 1,512
(2016-02-27)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 うちのご近所さん / 群ようこ(角川書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

「もう絶対にいやだ、家を出よう」。

そう思いつつ実家に居着いてしまったマサミ。

事情通のヤマカワさん、嫌われ者のギンジロウ、白塗りのセンダさん。

風変わりなご近所さんの30年をユーモラスに描く連作短篇集。

 

 

 

(感想)

 

強く心に残るタイプの小説ではないけど、

クスッと笑えて、群さんらしい毒っ気もあって楽しかったです。

気取りがなく、暇つぶし感覚で気楽に読めました。

 

主人公は40歳にもなるのにまだ独身で実家に住んでいるマサミ。

マサミや家族を取り巻くご近所の人々は、

嫌われ者もいれば厚化粧過ぎる人もいるし、インド人もいて話題に事欠かない。

そんなちょっとアクが強いご近所さんたちを面白おかしく描いています。

秀逸なのは、「今」を描くだけでなく、

マサミが小学生のころから40になった現在までの約30年を描いているということ。

30年も経ってるというのに大きな変化はなく暮らしている人々。

ご近所のうわさに花咲かせ、

暇な人たちといってしまえばそうなんだけど、

こういうのこそが「平和」なんでしょうね〜。

迷惑で嫌な感じのご近所さんが多い中、

最後に素敵なセンドウご夫婦の話で締めくくるあたりがニクいです!

 

自分が近所でうわさにされるのは嫌だけど、

隣近所に誰が住んでるかもわからず、

興味もないようではもしもの時に何かと心配です。

ご近所とはこのくらいの程よい距離感でお付き合いするのが理想なんではないでしょうかね。

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:53 | category:    群ようこ |
# 星宿海への道

JUGEMテーマ:小説全般

 

 星宿海への道 / 宮本輝(幻冬舎)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

中国南西端の地より、燃え盛る炎を胸に男は姿を消した。

父の顔も知らぬ幼な子をかかえて生きる女と、

兄を追う弟のたぎる想い。

その愛しい生命の絆の再生を鮮烈に描いた巨編。

 

 

 

(感想)

 

引き込まれた!面白かった!いい読書時間を味わえました。

宮本輝さんの作品はいつも人の心の在り方をしっかり描いていて、

「まっとう」とか「正しい」とはどういうことかを考えさせられます。

文章も美しいし、

読むと心が洗われるよな感じがして大好きです。

 

雅人の奥底にある思いを言葉で表すのはすごく難しい。

けど、星宿海への強い憧れがあったからこそ、

雅人はその思いをよすがとして、

実母亡き後もまっすぐに生きれたのではないかと思います。

心に何かまっすぐしっかりとした軸のある人は強いんです。

 

結局、雅人は生きてるのか、千春・せつ親子はどうなるのか・・・

私はそこを作中で明らかにすることは特に重要ではないと思っています。

っていうか、はっきり書いたら野暮ってもんでしょ。

読者は雅人が生きて、二人の元へ帰ってくると信じてる。

それだけで十分なのではないでしょうか?

そんな余韻も心地よい作品でした。

| comments(0) | trackbacks(0) | 23:29 | category:    宮本輝 |
# BUTTER
評価:
柚木 麻子
新潮社
¥ 1,728
(2017-04-21)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 BUTTER / 柚木麻子(新潮社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

男たちから次々に金を奪った末、

三件の殺害容疑で逮捕された女、梶井真奈子。

世間を賑わせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿だった。

週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は梶井への取材を重ねるうち、

欲望に忠実な彼女の言動に振り回されるようになっていく。

濃厚なコクと鮮烈な舌触りで著者の新境地を開く、圧倒的長編小説。

 

 

(感想)

 

これは柚木麻子の新境地!

あの木島佳苗が引き起こした

「首都圏連続不審死事件」をモチーフにした作品です。

ノンフィクションやルポではなく、

あくまであの事件を連想させるだけのフィクションですが、

木島佳苗ご本人はこの作品を読んで激怒したそうです。

 

とにかく上手いな〜と思ったのは、

バターという食材の特徴を、印象強く利用してるとこ。

あまりの濃厚さに胸やけしそうでした。おなかいっぱい!

当然のことながら食べ物の描写も多いのですが、

欲望のままに食の快楽を満たしていく様子は、

性的な表現を使ってるわけではないのに、たまらなくエロい!

特に主人公の里佳と篠井さんの鉄板焼きの場面などはゾクゾクするほどです。

 

けど後半にすすむにつれ、

ストーリーが読みたい方向とは別の方へ流れていったのが残念。

犯罪者と記者である里佳のスリリングなやり取りが面白かったのに、

なぜかいつのまにか里佳の成長物語に変わってましたw

ちびくろサンボのトラたちがぐるぐる回って溶けあって、

バターになってしまったように、

里佳の周りの人間関係もみんな交じり合って、

全員知り合いになって、仲良くなって、

ハートウォーミングな雰囲気がなんだかなぁ・・・。

 

最後に一言。

166センチ、59キロはそんな騒ぐほど太ってないと思いまーす。

数カ月で49キロからの10キロ増には周囲は驚くかもしれないけど、

この身長なら59キロだって健康的。なんの問題もないでしょう。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:55 | category:    柚木麻子 |
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