隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
<< September 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
# スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | | category: - |
# 冥の水底
評価:
朱川 湊人
講談社
¥ 1,944
(2014-10-29)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 冥の水底 / 朱川湊人(講談社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、

首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。

彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。

時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。

マガチの青年シズクは、初恋の少女を忘れられず、彼女を追って東京で暮らし始めるが……。

一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。

 

 

 

(感想)

 

特殊能力を持つ異形の存在「マガチ」の一族は人間の世界に紛れ、

その能力に気づかれぬように暮らしている。

しかしマガチの少年が人間の女の子に恋をして・・・という純愛ホラー。

2段組でかなりのボリュームでしたが、

恋愛・ホラー・サスペンスといろんな要素の詰まった作品でした。

 

ネット上では「切ない」という感想を多く見かけましたが、

私はちょっと引いた・・・かな?

初恋の女の子を美化しすぎで、ここまで長い間思い続けるのは怖い。

これが人間じゃない人(人間じゃないんだから「人」っていうのもおかしいけど)だから切なく美しく思えるのかもしれないけど、

もしこれが人間だったら相当ヤバイ人。

そう思ってしまったら私はもうだめでした。これ、別の意味のホラーでしょ。

 

私が朱川さんに求めてるものは、こういうのではないです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:07 | category:    朱川湊人 |
# 彼方の友へ
評価:
伊吹 有喜
実業之日本社
¥ 1,836
(2017-11-17)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 彼方の友へ / 伊吹有喜(実業之日本社)

  

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

平成の老人施設でひとりまどろむ佐倉波津子に、赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。
「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。
そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった――
戦前、戦中、戦後という激動の時代に、
出版の世界で生きる波津子とそのまわりの人々を、
あたたかく、生き生きとした筆致で描く、著者の圧倒的飛躍作。

 

 

(感想)

 

健気で純粋な女の子が主人公。

大好きな雑誌を作る編集部で生き生きと生きているけど、戦争が世の中に暗い影を落とし・・・・って

まるで朝ドラみたいなストーリーでした。

 

戦争時代を描いているというだけで、

「人が死ぬんだな」「暗い展開になりそうだな」と思いがちですが、

この作品はそれを描きつつも、暗い・つらいだけではありません。

そんな時代にも美しいものを愛し、きらめきを失わない、

若い女の子のたちのきらきらが作中を明るく照らしています。

乙女のパワー、すさまじきww

こういう輝きのある作品、嫌いじゃないです。

でも回収しきれてない、

別になくてもいいような無駄な伏線が多すぎるのは気になります。

削る部分・しっかり書き込む部分・・・その選択と処理が荒いんですよね。

直木賞候補になってたようですが、これじゃあ受賞はさせられません。

 

作中に登場する少女向け雑誌は「恋愛」に絡む要素はあえて避けて作られています。

登場人物たちの恋心もさわやかに淡くしか描かれていません。

なのになぜか美蘭さんと有賀主筆のあの場面だけはなんだか妙に生々しく、

作中で気持ち悪いほど浮いていて・・・。

バランスの悪さを感じました。

 

悪くはないのにな〜。あと一歩のところで残念な印象の残る作品でした。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:50 | category: 作家名 あ行 |
# キラキラ共和国
評価:
小川 糸
幻冬舎
¥ 1,512
(2017-10-25)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 キラキラ共和国 / 小川糸(幻冬舎)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

ツバキ文具店は、今日も大繁盛です。

夫からの詫び状、憧れの文豪からの葉書、大切な人への最後の手紙…。

伝えたい思い、聞きたかった言葉、承ります。

『ツバキ文具店』待望の続編。

 

 

(感想)

 

「ツバキ文具店」の続編。

読み始めてすぐにわかるので書いちゃいますが、

ポッポちゃんはQPちゃんのお父さんと結婚しました。

今作は3人が少しづつ「家族」になっていくまでの物語です。

なので前作に比べると代書仕事の描写は少なく、

家族以外の鎌倉の人たち(バーバラ婦人・男爵・パンティーなど)の出番も控えめでした。

 

薄っぺらさが気になった前作に比べれば、人の心は丁寧に描かれてると思います。

家族に焦点を当て、前作よりまとまった印象も受けました。

特にほっこりのんびりな世界観の中でひときわ違う輝きを見せる

レディー・ババのどぎつい存在感がたまりません。

レディー・ババと守景家の3人の関係はどうなっていくんだろう・・・。

このままで済まされるわけないですよね?

続編、期待してます。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:03 | category:    小川糸 |
# 探してるものはそう遠くはないのかもしれない

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 探してるようなものはそう遠くはないのかもしれない / 新井見枝香(秀和システム)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

 

某有名書店のカリスマ書店員による初エッセイ。

「書店員が書いた心温まる本屋の話」ではなく、

37歳、独身、彼氏なし、そんな女のおかしくてちょっぴり痛いお話。

「会社員に向いてない」「結婚に向いてない」日常のエピソードが満載。

 

 

 

(感想)

 

新井見枝香さんは某有名書店にお勤めのカリスマ書店員です。

数か月前に「セブンルール」という番組でこの人を知り、興味を持ちました。

2014年から独自に選考する「新井賞」なるものを設立し、

芥川賞・直木賞と同日に発表してるらしく、

その過去の受賞作のラインナップが良かったのでこちらのエッセイも購入してみました。

 

カリスマ書店員が書いたからといって、書評本ではありません。

あくまで37歳の独身女性の日常を綴ったエッセイです。

まじめな話題は一切なく、とにかく「読者を笑わせたい!」という思いが伝わってきます。

とにっかく明るいです。

さすが多くの本を読んできただけあって、

この方は「面白い文章とはなにか」を知ってる。

それを書くスキルも持っている。

・・・でも、いくら有名な書店員さんだとしても所詮は素人さん。

「面白いでしょ」「私、カリスマなんだよ」感が気になるといえば気になります。

 

作中に何度もジェーン・スーさんの話題が出てきて、帯を書いてるのもジェーンさん。

こういうタイプの女性がジェーンさんを好きなのは当然。納得。

でも、ジェーンさんのエッセイに感じる「激しい共感」はこの本には感じません。

爆笑度もジェーン本よりは低め。

ここがプロと素人の違いなんだな、と。

 

けど、「新井賞」の受賞作はどれもいい作品なので、

この賞を今度も注目していきたいです。

(この機会に未読の受賞作も何冊か読みました☆彡)

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:11 | category: 作家名 あ行 |
# ツバキ文具店
評価:
小川 糸
幻冬舎
¥ 1,512
(2016-04-21)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ツバキ文具店 / 小川糸(幻冬舎)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。
家族、親友、恋人⋯⋯。
大切に想ってっているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。
鎌倉の山のふもとにある、
小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。
店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。
『食堂かたつむり』の著者が描く、鎌倉を舞台した物語。

 

 

 

(感想)

 

ほんわかとあたたかい気持ちにさせる小説・・・

おそらく著者はそういうものを書きたかったのでしょう。

鎌倉に実在するお店や美味しいものも登場し、

鎌倉のガイドブック的な役目も果たしてます。

こういう小説ってある特定のタイプの女性にはすごくウケるんでしょうね。

深いことを考えなければそこそこ楽しめる作品ではあると思います。

 

けど、「雰囲気だけ」なんだよな〜。

代書の依頼をしに来る人々にはそれぞれ深い理由があるはずなのに、

そこをまったく描いてないから読んでる方は消化不良。

著者が描きたいのは、「お客さん」ではなく

「主人公(鳩子)」の暮らしだからこうなるのだろうけど、

あまりにあっさりしすぎてて、人間や心の描写が少なすぎる。

先代と鳩子の関係も描き切れていません。

依頼人の心の奥底を深く理解しなければ代書屋さんなんてできるはずがない。

手紙供養の焚火で食べ物を焼いて食べる鳩子さん・・・代書屋としてありえんでしょう。

 

薄っぺらさを「鎌倉ってお洒落でしょ」「こういう暮らし、いいでしょ」ってごまかしてるような・・・。

たしかに表面的には素敵ではあるんだけど、人の心の本質はまったく描かれてない作品。

雰囲気は好きなだけに残念でなりません。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:50 | category:    小川糸 |
# 砂上
評価:
桜木 紫乃
KADOKAWA
¥ 1,620
(2017-09-29)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 砂上 / 桜木紫乃(角川書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

冬の北海道・江別。

柊令央は、ビストロ勤務で得る数万円の月収と、元夫から振り込まれる慰謝料で細々と暮らしていた。

いつか作家になりたい。

そう思ってきたものの、夢に近づく日はこないまま、気づけば四十代に突入していた。

ある日、令央の前に一人の編集者が現れる。

「あなた今後、なにがしたいんですか」。

責めるように問う小川乙三との出会いを機に、令央は母が墓場へと持っていったある秘密を書く決心をする・・・。

 

 

 

(感想)

 

どんよりと乾いた空気の漂う作品でした。

 

「つまらない」「読んででつらい」などあまりいい評価は聞こえてこないけど私は嫌いじゃない。

嫌いじゃない、というか、私も主人公と一緒で就職氷河期を経験し、

きちんとした就職ができなかったクチなので、

40代で身に染みる「人生の厳しさ」がグサリと刺さって共感できたんですよね。

"ゆらゆらと生きてきたつけが回ってきた"って表現はまさにその通り。

決して目をそらすことのできない現実を突きつけられたような感じ。

編集者が主人公に「主体性がない」と指摘される場面も、読んでてキツかったし(;´・ω・)

 

珠子さん、めっちゃ怖かった〜。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:42 | category:    桜木紫乃 |
# 婚約迷走中 パンとスープとネコ日和

JUGEMテーマ:小説全般

 

 婚約迷走中 パンとスープとネコ日和 / 群ようこ(角川春樹事務所)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

いつでも婚約破棄する準備あり。

滋味深いスープと美味しいサンドイッチのお店をマイペースで営むアキコと相棒のしまちゃん。

仕事熱心なしまちゃんだが、婚約者・シオちゃんには、つれない態度…。

ロングセラー「パンとスープとネコ日和」待望の第4弾!

 

 

 

(感想)

 

大きなことは起こらず、ただ日々の暮らしを綴っているだけ。
穏やかな日々のかけがえのなさをしみじみと感じさせてくれるこのシリーズも今作で第4弾。

いつもほんわか癒されていました、今回はうーーーん・・・。

結婚が決まって幸せいっぱいのはずのしまちゃんがずーっとイライラプンプンしてます。

婚約者のシオちゃんはどう対応していいかわからずおろおろしてるし、

アキコさんもしおちゃんの顔色をうかがってばかりで、作品全体がどんよりいや〜な雰囲気。

今回はまったく癒されませんでした。

しおちゃんがふわふわきらきらの「THE・女の子」じゃないのは知ってるし、

そこがしまちゃんのいいところだとは思うけど、これではあまりにもかわいくない。

しまちゃんに「じゃあ、なんで結婚するの?」って疑問でいっぱい!!

 

また続編はあると思うけど、次はいつもの雰囲気に戻ることを期待します。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:00 | category:    群ようこ |
# 湖畔の愛
評価:
町田 康
新潮社
¥ 1,620
(2018-03-22)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 湖畔の愛 / 町田康(新潮社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

ようこそ、九界湖ホテルへ。

創業100年を迎えた老舗ホテルの雇われ支配人の新町、

フロントの美女あっちゃん、雑用係スカ爺のもとにやってくるのは――。

自分もなく他人もなく、生も死もなく、ただ笑いだけがそこにあった。

響きわたる話芸に笑い死に寸前! 天変地異を呼びおこす笑劇恋愛小説。

 

 

 

(感想)

 

少し前に読んだ「生の肯定」があまりに町田ワールドすぎたのに対し、

これは町田作品にしてはソフトな部類。

町田康初心者に「最初の一冊目」としてお勧めするのに適した一冊だといえます。

 

まったくw 町田さんが「恋愛小説」を書くとこうなるのね〜。

恋愛小説を読んだときに抱くドキドキや胸キュンはまったく感じない。

けど、町田さんにそういうの、求めてないからなぁ。

展開・言葉のチョイスに何度声を出して笑ったことかww

笑えて、言い回しの巧みさに「うおお!」って感動できる・・・これが町田康ですよね?w

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:18 | category:    町田康 |
# ねこ町駅前商店街日々便り

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ねこ町駅前商店街日々便り / 柴田よしき(祥伝社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

赤字ローカル線の終点・根古万知。

駅前は、わずか八店舗ほどが細々と営業するシャッター商店街である。

数年前、猫の町「ねこまち」としてブームになりかけたこともあったが、

それも一時のこと、以来、ジリ貧状態だ。

離婚を機に、そんな町に戻ったラーメン店の娘・愛美は、

緑色の大きな目と灰色の毛が愛らしい拾い猫を飼うことになった。

ノンちゃんと名付けたその猫が、ひょんなことから一日猫駅長を務めると駅は再ブレイク、商店街にも観光客が訪れる。

愛美は久しぶりに賑わう光景を見て、今度こそ、元気いっぱいだった頃の根古万知を取り戻したいと動き出すが…。

 

 

 

(感想)

 

読みやすいんだけど、ちょっと出来過ぎかな〜。

私も過疎った田舎町に住んでるからわかる。

町おこしがこんなにスイスイうまくいくはずがない。

どこから来たのかわからない不思議な猫だとかUFOだとか

非現実的というかファンタジー的な要素もあり、リアリティは感じません。

 

「猫の駅長」「シャッターの絵を描く」「空き店舗を貸し出す」・・・

これらはどっかで聞いたことのある既出の町おこし。

こんなじゃなく、もっと作者オリジナルの新しい町おこし案を見せてもらえれば

面白さもずいぶん違っていた気がします。

「実話の小説家」じゃないのに、既出の町おこし案を使うのはちょっとずるいです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:00 | category:    柴田よしき |
# 騙し絵の牙
評価:
塩田 武士
KADOKAWA
¥ 1,728
(2017-08-31)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 騙し絵の牙 /塩田武士(KADOKAWA)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

大手出版社で雑誌編集長を務める速水。

誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。

ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、

彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。

斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!

 

 

(感想)

 

大泉洋から「映像化されたら僕が主演できそうな小説ない?」と長年言い続けられてきた編集者が

「もう私が作ります!」と塩田武士さんに依頼したことにより生まれた企画モノだそうです。

すごいですね、アテ書きの小説なんて聞いたことがありませんw

そんな経緯で書かれた作品なので、表紙はもちろん大泉の写真。

本の中に紛れる写真もすべて大泉w

会話の面白さといいテンポといい、たしかにまんま大泉洋ですwwあははw

このたび映画化も決まり、無事に大泉さんへオファーも来たそうです。

ここでまったく違う俳優が主演したら笑うけど、そうならなくてよかったよかったw

 

本作は2018年の本屋大賞ノミネート作品ですが、やっぱり本屋大賞って侮れない。

めっちゃ面白かったです。

私は本屋大賞に絶対的な信頼を感じています。

 

終盤、それまでに抱いていた作品のカラーがまったく変わる真実が浮かび上がります。

「これが"騙し絵の牙”かっ!!」と驚かされたんですけど、

そこに至るまでだってサラリーマンの熱い思いや悲哀を感じて十分面白い。

面白さも何層にも重なった作品と言えるのではないでしょうか。

 

いつも図書館利用ばかりで、本を買わずに申し訳ありません。

そんな私が言う権利はないのかもしれないけど、

この作品で描かれていた出版界(紙の媒体)が置かれている危機的な状況は本好きとしては悲しい限りです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:30 | category: 作家名 さ行 |
Categories
Archives
Profile
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Search this site
Sponsored Links