隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# ガーデン
評価:
価格: ¥ 1,512
ショップ: 楽天ブックス

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ガーデン / 千早茜(文藝春秋)

 

 評価 ☆☆☆

 

花と緑を偏愛し、生身の女性と深い関係を築けない、帰国子女の編集者。
異端者は幸せになれるのか。幸せにできるのか。
著者会心の感動作。

 

 

 

(感想)

 

静かな空気感を持つ作品。

けど、燃えるよう荒々しい人物の登場により、その世界観は壊されます。

その瞬間の“何かが動き出す予感”にはゾクゾクしました。

 

植物を偏愛する帰国子女の主人公は、

人との距離の取り方が苦手で、近づけば近づくほど孤独を感じてしまう。

なーんか生命のエネルギーをまったく感じない人です。

そのせいかこんなにも植物がたくさんでてくる作品なのに、

彼の部屋の植物からにも生き生きとした生命力は感じない。

まるですべてが造花みたいに無機質に思えてきちゃってw

けど逆に女性たちはギラギラしています。

どの人もがんばって、悩んで、自分なりに道を切り開こうとしている。

そん対照的な描かれ方が女性として小気味よかったです。

 

“男は必ず間違える”・・・ある登場人物(もちろん女性)のこの言葉にドキン!

激しく共感いたしました。

彼らは間違えたことをいえばめんどくさいことになることを最初からわかってる。

だからそれを回避するために“本音”ではなく“正解”を言おうとする。

でも女にはそんなのバレバレで結局、余計にめんどうなことになる。

ねぇ、どうして彼らはそこまでの計算ができないんでしょうね?

| comments(0) | trackbacks(0) | 10:37 | category:    千早茜 |
# 私をくいとめて
評価:
価格: ¥ 1,512
ショップ: 楽天ブックス

JUGEMテーマ:小説全般

 

 私をくいとめて / 綿矢りさ(朝日新聞出版)

 

 評価 ☆☆☆

 

黒田みつ子、もうすぐ33歳。
男性にも家庭にも縁遠く、

一人で生きていくことになんの抵抗もないと思っている。
ただ時々、「正解」が見えなくて、迷ってしまうことも・・・。
そんな時は、もう一人の自分「A」に脳内で相談をしている。
私やっぱり、あの人のこと好きなのかな。
でも、いつもと違う行動をして、何かが決定的に変わってしまうのがこわいんだ――。
感情が揺れ動かないように、周りとうまく調和するように。
「おひとりさま」を満喫しようと、繊細に気を配るみつ子。
同世代の女性の気持ちを描き続けてきた著者による真骨頂。

 

 

(感想)

 

綿矢りささん、

読者をニヤリとさせるような切れ味のあるセンスのいい文章を書く人。

感覚が若く、まさに「新世代」って感じが好きな作家さんです。

タイトルの付け方も毎回秀逸なんですよね。

 

今作のおおまかなストーリーはいたってシンプル。

主人公は33歳のシングルの女性。

なーんとなくおひとりさまライフにも慣れちゃって、

そんな状況に焦りや抵抗も感じなくなってきている。

でも、たま〜に将来に対する不安は襲い、

自分の中に住むもう一人の自分「A」に対して、

「ねぇ、私、これからどうすればいい?」と問いかける日々・・・・

 

先日読んだ島本理生さんの「わたしたちは銀のフォークと薬を手にして」でも感じたことだけど、

恋愛や結婚に劇的にロマンティツクなことを求めすぎたら何もはじまらないのかもな。

やっぱ大事なのは「激しさ」よりも「穏やかさ」。

この主人公が手にした幸せも結果そういうことだった。

しかもそれは彼女が思ってた以上にときめきも刺激もなく、

ただのんびり穏やかな幸せだけは確実に続くようなそんな恋。

 

綿矢さんがこんな等身大のアラサー女性のお話を書くとは意外でした。

けど、今作はなーんとなくいつもに比べるとぬるい。

綿矢りさらしいキレがない。

こないだ読んだ「手のひらの京」も落ち着いた作品だったし、

この流れで綿矢さんの持ち味が薄まってしまったらさびしいです。

次回はもっとはじけてくれることを期待します。

| comments(0) | trackbacks(0) | 09:40 | category:    綿矢りさ |
# やめるときもすこやかなるときも

JUGEMテーマ:小説全般

 

 やめるときもすこやかなるときも / 窪美澄(集英社)

 

 評価 ☆☆☆

 

家具職人の壱晴は毎年十二月の数日間、声が出なくなる。

過去のトラウマによるものだが、原因は隠して生きてきた。

制作会社勤務の桜子は困窮する実家を経済的に支えていて、恋と縁遠い。

欠けた心を抱えたふたりの出会いの行方とは。

 

 

 

(感想)

 

誰だって過去のトラウマや背中に重たく抱えているものの1つや2つ、必ずあります。

そんな重い荷物を抱えて生きている二人が

お互いに欠けたものをゆっくり補い合うことで関係を深めていくお話でした。

しかし壱晴の過去のトラウマが

「おそらくこういうことなんじゃね?」って私が想像してたものそのまんまで、

ありきたりというか、韓ドラっぽいというか・・・w

 

壱晴は過去のトラウマを話し、

桜子とともにあの場所へもう一度戻ることで重い荷物の半分を桜子に背負ってもらえる。

けど、逆に桜子は愛した男性の重い荷物を背負わされることになる。

しかもどんなに桜子が彼を支え、愛したとしても、彼の傷は絶対になくなることはない。

相当の強い気持ちと覚悟がないとキツい恋だなぁ。

そんな二人の心の動きを一方の視点からではなく、

交互に描くスタイルの作品だからせつなさは余計に増します。

 

二人の恋の行方も気になりますが、

それよりも何よりも私が「ああ?」って思ったのは、

32歳で処女の友達に彼氏ができて幸せいっぱいの桜子に対して、その友人が、

「うまくいってる恋愛を女友達に話すときは最大限に気を使って。

 それが女社会のルールだよ」なんて言葉を吐いたこと。

友達なのにさ、

32まで恋愛に恵まれてこなかった女の子がやっとつかんだ幸せに対してよくこんなこといえるよ。

つくづく女ってこえーなと思った場面でした。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:11 | category:    窪美澄 |
# わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

JUGEMテーマ:小説全般

 

 わたしたちは銀のフォークと薬を手にして / 島本理生(幻冬舎)

 

 評価 ☆☆☆

 

年上のエンジニア・椎名さんと仕事先で出会った知世。

美味しいものを一緒に食べる関係から、

少しずつ距離が近くなっていったある日、

椎名さんは衝撃の告白をするが……。

限られた時間。たった一度の出会い。特別じゃないわたしたちの、特別な日常。

 

 

 

(感想)

 

30すぎてそれなりに経験してきた大人の女性たちの、

うまくいかない恋を描く作品です。

ここ数年の島本理生はメンヘラ臭がキツくてつらかったけど、

今回は恋だのグルメだの女性の好きなものがふんだんに盛り込まれていて、

苦しくない島本理生はほんとうに久しぶりでした。

 

椎名さんと知世を見ていると、

同じものを美味しいと感じられたり、楽しめたり、

そんな日常の特別じゃないことの喜びを共有できる人と一緒にいることこそが

「シアワセ」なんだな〜としみじみ感じます。

恋愛って、特別なキラキラを求めてしまいがちだけど、

ほんとはそうじゃない。それとは真逆のものこそが大事。

ああ、二人の静かな幸せが長く続くこと、心から祈りたいです。

 

椎名さんのプロポーズの言葉も素敵だったけど、

それよりも不倫に悩む飯田ちゃんの

「気にいられないと興味すら持たれないけど、気にいられてセックスしたら、

好きになってしまうか終わってしまうかのどっちかだから、結局いいことない」

って言葉の方が私には刺さったなー。

私は不倫してる人を批判する気持ちとかはまったくなくて、

むしろ不倫なんて誰にとっても明日は我が身かもしれないくらいに思ってます。

だって、ときめきは日常のすぐそばにけっこう転がっているものですもんね。

ただたんに自分の立場を考えて、

行動にブレーキをかけられるかどうか、それだけの違いです。

それに対して「結局いいことない」って・・・なるほど!

納得できすぎて「そりゃそうだ」ってストンと共感できてしまいました。

あははっww

| comments(2) | trackbacks(0) | 15:55 | category:    島本理生 |
# 東京會舘とわたし(上・下)
評価:
辻村深月
毎日新聞出版
¥ 1,620
(2016-07-30)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 東京會舘とわたし(上 旧館・下 新館) / 辻村深月(毎日新聞社)

 

 評価 上 ☆☆☆ 下 ☆☆☆☆

 

「東京會舘」・・・ここは華やかなる“社交の殿堂"である。
大正、昭和、平成という時代を情熱的に生きた人々を、鮮やかな筆致で描き出す。
直木賞作家が贈る、一つの建物の〈記憶〉をたどる長編小説。



 

(感想)

 

※ 上下巻あわせての感想となります。

 

「あ、辻村さんってこういうのも書けるんだ」というのがまず第一印象。

そして、調べてみて納得。なんとはじめての歴史小説らしいです。

いつの間にか幅広い作品を書ける作家さんに成長されたんですね。

 

今作の主人公は「建物」。

東京・丸の内に実在する東京會舘という宴会場・結婚式場・レストランの長い歴史を描いた連作短編集です。

(現在は本館は建て替え工事のため、お休み中。)

読者好きな方には「直木賞・芥川賞の記者会見と贈呈式をするところ」と言った方がいいかな?

(東京會舘のHP → https://www.kaikan.co.jp/index.html)

 

描かれるのは大正12年から平成27年まで。

いろんなエピソードがあったけど、

登場する有名人はマッカーサーから角田光代までいろんな時代のいろんな方が!

それだけでもう東京會舘の歴史の重みを感じます。

長い時間の中で毎日毎日新しい物語が紡がれていく。

どんな建物にもこんな風に一人一人の思い出が詰まっていると思うと感慨深いです。

 

実際に東京會舘へ行って、食事をしてみたくなりました。

また、作品に登場するお土産用のお菓子「ガトーアナナ」や「パピヨン」「プティフール」などは通販でも購入可能です。

| comments(4) | trackbacks(0) | 08:32 | category:    辻村深月 |
# ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法

JUGEMテーマ:読書

 

 ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法 / 津村記久子 深澤真紀

 

 評価 ☆☆☆

 

最初の会社をパワハラで退社した芥川賞作家と、

150社以上就職活動と転職活動をした経験をもつコラムニストが、

世間知らず・不器用、KYなままでも、なんとか社会で生き延びていくための技術を語り尽くす。

世の中をすいすい渡っていけないことに悩む、すべての女性に捧ぐ。

 

 

 

(感想)

 

女子力のない2人の女性による対談集。

「わかるわ!」「なるほど〜」と気になったページに折り目をつけながら読んでいき、

読み終えたときに本を横から見てみたら、とんでもない量の折り目が!!

いやー、共感し、勇気づけられることの多い作品でしたw

 

特に「社会のへんなおばさんとして生きていく」という章には大共感!!

自分は社会に対してどんな立ち位置でありたいのか、

目指すべきところへのヒントをもらえたような感じです。

けど、それと同時に

「ある程度年を取ったら教える側に回るべき。最後まで自分磨きしか考えられん人はダメ」というのにはガツーンとやられました。

・・・はぁぁ、私、この年になってもいまだ自分のことしか考えておりませんよ。

たしかにダメ女ならダメ女なりに、反面教師として教えられることもありますよね?

私が人に何かを教えるとしたらその道しかないから、開き直って恥をさらしていこうと思います。

 

けど実際の話、この二人は彼女たちは仕事はきちんとできてるし、社会的な信用もあります。

社会から見れば、決して「ダメ」なんかじゃありません。

ただちょっと女子力が低く、家族とうまくいっていない部分があるだけでは?

この本、「ダメ」の基準をどこに置くかによって、評価は大きくわかれそうです。

 

この本は基本「仕事」「生活」をメインに語られています。

そういう趣旨の本であることは重々承知してるのですが、

だけどやっぱり一般的な女性が好きなのは「恋愛」「結婚」ネタ。

このへんの話題がほとんどないのは、女性読者としては少し物足りなかったです。

ダメ女の恋愛観・結婚観なども語ってほしかったなぁ。

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:55 | category: アンソロジー、競作 |
# 騎士団長殺し(第1部・第2部)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 騎士団長殺し(第1部・第2部) / 村上春樹

 

 評価 第1部 ☆☆☆☆  第2部 ☆☆☆

 

その年の五月から翌年の初めにかけて、

私は狭い谷間の入り口近くの山の上に住んでいた。

それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。

『1Q84』から7年――、待ちかねた書き下ろし本格長編。

 

 

 

(感想) 

 

※ このレビューは第1部「顕れるイデア編」、第2部「遷ろうメタファー編」の2冊まとめての感想となります。

 

村上春樹さんの文章は比喩にセンスの良さが感じられて、

ストーリー以前に「こんな表現の仕方もあるんだ!」みたいな部分でも

毎度毎度楽しませてもらってます。

私がほんとに「文章うまい」「素敵な文章を書く」と思う人は、

村上春樹・山田詠美・金原ひとみ、この3人っ!

 

さて、村上春樹の7年ぶりの新作ということで話題になったこの作品。

私は読み始めてから世界観に入り込めるまでえらい時間がかかりました。

最初の200ページくらいまではかなり苦しかったw

でも、途中で投げ出さなかったのは村上春樹だからです。

200まで読んでノレないなんて他の作家ならとっくに投げ出してます。

 

騎士団長ことイデアが登場してる間は、

「これから何が起こるの?」とワクワクなんだけど、ちょっと長すぎ。

すっきりきれいに終わったような気もするけど、

よく考えてみると回収しきれていない謎もたくさん残ってる。

スバル・フォレスターの男・ペンギンのストラップなどは

物語のもっと重要なキーになるのかと思っていたので拍子抜けでした。

 

普段、小説を読み慣れてない人が読める作品じゃないです。

もっと不思議なファンタジーの世界へ連れて行ってもらえると期待してたのにな。

正直、これまでの春樹作品に比べたら退屈でした。

| comments(2) | trackbacks(0) | 12:08 | category:    村上春樹 |
# たった、それだけ

JUGEMテーマ:小説全般

 

 たった、それだけ / 宮下奈都(双葉社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

贈賄の罪が発覚する前に、望月正幸を浮気相手の女性社員が逃がす。

彼を告発したするのは自分自身だというのに―。

正幸が失踪して、残された妻、ひとり娘、姉にたちまち試練の奔流が押し寄せる。

正幸はどういう人間だったのか。私は何ができたか…。

それぞれの視点で語られる彼女たちの内省と一歩前に踏み出そうとする“変化”とは。

 

 

 

(感想) 

 

一人の男性の失踪を軸に、

その関係者が各章で入れ替わって語り手となるスタイルの連作短編集です。

一つの出来事をあらゆる角度から見られるこういうスタイルの作品はわりと好き。

テンポもよく、サクサクと読めました。

 

「たった、それだけ」のことが人生を大きく狂わせることは多々ある。

いや、もしかしたら人生なんて無数の「たった、それだけ」によってできていると言っても過言ではない。

「たったそれだけの勇気」「たったそれだけの後悔」・・・

些細な事柄がその人の人生の影や光となる。

そう考えると、日常の些細な出来事一つ一つに意味を感じ、

何気ないことも大事にかみしめて生きなきゃと思えてきます。

 

最後の第6話が秀逸。

後半へ行けば行くほどじわじわと深みが増していきます。

本当なら失踪した望月正幸が語り手となる章があればわかりやすいんだけど、

ないのがミソなんだよな〜。

著者のあえて書かないという選択は、読者の想像力を揺さぶるという意味で大正解だと思います。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:00 | category:    宮下奈都 |
# 月の満ち欠け
評価:
佐藤 正午
岩波書店
¥ 1,728
(2017-04-06)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 月の満ち欠け / 佐藤正午(岩波書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆☆☆

 

目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか?

三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生。

その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

この数奇なる愛の軌跡よ!

さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。

 

 

(感想)

 

2017年上半期、いちばん面白かった本は間違いなくこれです。

最近にないくらいのめり込みました。

人間関係が複雑なので、

これから読む人は人物相関図を作りながら読むのをおすすめします。

 

大好きだった人に再会するために何度も生まれ変わりを繰り返して、

彼と接触を試みようとする女性とその周囲の人々の話です。

だけど時の流れは残酷なもので、

彼女が何度かの生まれ変わりを繰り返している間、

彼はどんどんおじさんになっていく・・・。

結果、少女がおじさんを心と体で求めてるような感じになってしまい、

そのへんに生理的な不快感を感じる人もいるかもしれません。

何度生まれ変わってもあなたを求めてる・・・これを女の執念ととるか、

純愛ととるかでも賛否は大いにわかれそうです。

 

ある登場人物が自分達の身近に起こったこの生まれ変わりらしき現象に対し、

「生まれ変わりが絶対にあると信じろと主張してるわけではないのです。

 ただ生まれ変わりなどそれまで考えもしなかった人に、

 そういう考え方も一理あるということをわかってほしい」

というようなことを語るシーンがありますが、

これは世の中のどんなことにも当てはまります。

ちょっと作者の伝えたいメッセージとはかけ離れた感想になってしまうかもしれませんが、

自分の中の常識だけにとらわれず、

「こんなこともある」「こんな人もいる」と受け入れられる柔軟さ。

こういう柔らかな目で物事を見ることのできる人になりたいと思いました。 

| comments(2) | trackbacks(0) | 15:11 | category:    佐藤正午 |
# アンマーとぼくら
評価:
有川 浩
講談社
¥ 1,619
(2016-07-20)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 アンマーとぼくら / 有川浩(講談社)

 

 個人的な評価 ☆☆

 

休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、

親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。

一人目の「お母さん」はリョウが子どもの頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。

観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。

かりゆし58の名曲「アンマ―」に着想を得た、書き下ろし感動長編。

 

 

(感想)

 

有川浩さんの文体は軽い。小説を読みなれている人にとっては軽すぎます。

けど、「図書館戦争シリーズ」や自衛隊を描いた作品たちは、

その重たい舞台設定と軽い文章・甘い恋愛描写が妙にマッチして、

なんともいえない科学反応を起こしていました。

それが有川浩さんの魅力です。

しかし、今作は「読者を泣かせてやりましょう感」が気になります。

中学生が読書感想文を書くには最適な本かもしれないけど、

それなりの読書体験のある大人はこれで泣けるほど単純じゃありません。

 

「血のつながりがなくても家族は家族」ってのがテーマなんだろうけど、

私にはどうも父親のいい年して子供すぎるとこと軽薄さが気になってしまって。

気持ちがまっすぐないい女ほどこういう幼稚な男を

「いつまでも少年のような人」なんてとらえてコロッといっちゃうんですよねー。

あーあ。

 

私がもともと沖縄という地にそれほど魅力を感じてないからそう感じるのかもしれないけど、

沖縄の観光地の名称がやたらと出てきて、観光本っぽく思えるのも気にかかります。

有川浩さんの作品ということで、期待も大きかっただけに残念度も高かったです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:22 | category:    有川浩 |
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