隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# 何様
評価:
朝井 リョウ
新潮社
¥ 1,728
(2016-08-31)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 何様 / 朝井リョウ(新潮社)

 

 評価 ☆☆☆☆☆

 

光太郎が出版社に入りたかったのはなぜなのか。
理香と隆良はどんなふうに出会って暮らし始めたのか。
瑞月の両親には何があったのか。拓人を落とした面接官の今は。
立場の違うそれぞれの人物が織り成す、`就活'の枠を超えた人生の現実。
直木賞受賞作『何者』から3年。

いま、朝井リョウのまなざしの先に見えているものは――。

「何者」のアナザーストーリー集。 

 

 

 

(感想)

 

「何者」のアナザーストーリー集ですが、

「何者」を読んでいな人でも十分楽しめます。

事実、私は「何者」を読んだのはもうだいぶ前で、

誰が誰なのか忘れてしまってたけど、独立した作品として面白かったです。

(この本の記憶が新しいうちに「何者」の方を再度読んでみなきゃ!)

 

朝井リョウさんは今のリアルな若者をちょっと皮肉った視点で描くのが抜群にうまい。

今の人ってちゃらちゃらしてて明るいようでいて、

心の中には誰にも言えないような暗〜いものを抱えてる。

表に出す自分と、表に出せない自分の落差がものすごく激しい。

SNSが普及し、いろんな自分を生きなきゃ(演じなきゃ?)いけない時代になって、

多面性を要求されるイマだからこそ、

小さいことに引っかかりを感じ、モヤモヤを抱えてしまう。

朝井さんのそういうことに対する違和感が作品によく表れています。

 

「それでは二人組を作ってください」

「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」、この2つのタイトルは秀逸。

思い当たることがあって、タイトル見ただけでうわーーー!って思いました。

 

「本気」や「まじめ」はダサくって、

何事も茶化さないとやってけないような時代だけど、

「一瞬の本気」は確実に人の心を動かす。これほんと!

本気にならなきゃいけないときは恥ずかしがらずに、立ち向かわなきゃね。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:53 | category:    朝井リョウ |
# 陸王
評価:
池井戸 潤
集英社
¥ 1,836
(2016-07-08)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 陸王 / 池井戸潤(集英社)

 

 評価 ☆☆☆☆☆

 

老舗足袋業者「こはぜ屋」。

日々、資金操りに頭を抱える四代目社長の宮沢紘一は、

会社存続のためにある新規事業を思い立つ。

これまで培った足袋製造の技術を生かして、

「裸足感覚」を追求したランニングシューズの開発はできないだろうか?

世界的スポーツブランドとの熾烈な競争、資金難、素材探し、開発力不足―。

従業員20名の地方零細企業が、伝統と情熱、

そして仲間との強い結びつきで一世一代の大勝負に打って出る!!

 

 

 

(感想)

 

最初の数ページを読んだだけで、

「これは間違いなく面白い小説に違いない!」とはっきりわかります。

題材も話の流れも池井戸さんらしく、

池井戸作品が好きな人なら安心して読めます。

 

弱小企業が会社の存続と夢に向かって勝負に出る。

大手の妨害はあるものの、志をともにして一緒に戦ってくれる仲間に恵まれる。

モノ作りはやがて人作りへとつながり、そして成功と勝利へ・・・

と、大まかな流れは「下町ロケット」とさほど変わりません。

でも、やっぱり多くの人は弱い者が努力して努力して・・・勝つ!みたいな、

こういう熱い話がベタでもなんでもとにかく好きなんですよね〜。

 

共感して、応援して、活力をもらう。この作品はそういう作品です。

あー、面白かった!

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:38 | category:    池井戸潤 |
# 生きる理由を探してる人へ

JUGEMテーマ:新書

 

 生きる理由を探してる人へ / 大谷ノブ彦 平野啓一郎

 

 評価 ☆☆☆☆

 

「自殺=悪」の決めつけが遺族を苦しめることもある。

それでも自殺は「しないほうがいい」。

追いつめられていても、現状から脱出して、

「違うかたちで生きる」という道を提示できないか。

芸人と作家による異色対談。

 

 

 

(感想)

 

平野さん中心の本かと思いきや、大谷さんも自分の思いをかなり話していて、

芸人としての印象しかなかったのでこの本でイメージがかなり変わりました。

 

もともと平野さんの「分人主義」という考え方が大好きです。

そして「マチネの終わりに」という小説の中にもでてきた

「未来は過去を変えてくれる」という言葉にも大きく心を動かされました。

今回のこの本の中でも、この2つは大きなキーワードとなっています。

私は自殺だの「生きる理由」だのは考えたことはないけど、

でも対人関係や現状に疲れちゃうことは日々あって、

そんな小さな生きにくさにもこの本は大いに支えになるような気がします。

 

星が4つなのは、たぶん平野さんは小沢健二を誤解しているから。

渋谷系だのなんだのと言われ、

王子様みたいに女の子達からキャーキャーいわれてたあのイメージしかないのでは?

「喜びを他の誰かと分かりあう!それだけがこの世の中を熱くする!」

こんなシンプルなことで、世界中が幸せになれるってことを

私は小沢健二の歌詞から学んでます。

平野啓一郎も小沢健二も「私の哲学」を作り上げる上でとても重要な人物です。

だから平野さんに小沢健二を誤解されているのは悲しい・・・。

歌詞、ちゃんと読んでみてください。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:43 | category: アンソロジー、競作 |
# おめかしの引力
評価:
川上未映子
朝日新聞出版
¥ 1,512
(2016-03-25)

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 おめかしの引力 / 川上未映子(朝日新聞出版)

 

 評価 ☆☆☆☆

 

ぶったおれるほど最高で、起きあがれないくらい不安。

夢中にさせる、これなあに。

気づけばいつも泣き笑い、“おめかし”をめぐる失敗、憧れ、エトセトラ。

 

 

 

(感想)

 

出てくるブランド名やアイテムの値段が私達庶民のレベルではないし、

ちょっと別次元の世界だな〜と思いつつも、

きらきらした世界を楽しませてもらいました。

でも、大切なのは物の値段じゃないんですよね。

素敵なものに心をときめかせて、

おめかしをすることの楽しさをいつまでも持ち続けることが大事なんだな〜、と♪

それがいつまでもかわいい女でいるためのパワーになるのだな〜、と♪

 

「外見よりも内面の美しさの方が重要」というのは当たり前のように思えるけど、

川上さんの考え方はそうじゃない。

彼女はそれよりももう一歩先をいっていて、

「目に見えるものの美しさは内面に作用される」と仰っています。

つまり、努力をしなかったり、だらしなかったりするとそれはモロに外見に出る。

もともとが若くてきれいだったシンデレラは一晩できれいになれたけど、

年を取って体のラインも崩れた中年はそうはいかない。

年を取ってもきれいでいるための努力ができてるかどうか・・・が重要。

 

よし、私もいつまでもかわいくいられるように日々の努力、怠らないでがんばろっ!

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:46 | category:    川上未映子 |
# コンテクスト・オブ・ザ・デッド

JUGEMテーマ:小説全般

 

 コンテクスト・オブ・ザ・デッド / 羽田圭介(講談社)

 

 評価 ☆☆☆

 

編集者の須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、

スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃する。

各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、

火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め……。
この世界で生き残れるのは誰なのか!?

芥川賞受賞で話題を攫った羽田圭介が現代日本を撃つゾンビ・サバイバル問題作!

 

 

(感想)

 

ゾンビ小説のわりには最終的には、

人に流されずに自分を持つことが大事だよ・・・というきちんとした教訓があります。

が、しかし・・・そうじゃない人はゾンビになっちゃうよという設定がどうもそぐわない。

そもそも読者はゾンビ小説を手に取った時点で教訓や学びなんか求めちゃいないし、

求めてるのはB級チックなはちゃめちゃ感なわけです。

なのに道徳的なものを持ちこまれてもなぁ・・・と興ざめしました。

 

うーん、要するに・・・

はちゃめちゃなゾンビサバイバル物でもなければ、

説教入った教訓物とも言い難いし、どっちにしても中途半端なんですよね・・・。

 

でも装丁はサイコーにイカしてると思います。

かっこいい(`・∀・)b

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:47 | category:    羽田圭介 |
# この世にたやすい仕事はない
評価:
津村 記久子
日本経済新聞出版社
¥ 1,728
(2015-10-16)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 この世にたやすい仕事はない / 津村記久子(日本経済新聞出版社)

 

 評価 ☆☆☆

 

30代半ばの女性が職業安定所で

「コラーゲンの抽出を見守るような仕事」などとふざけた条件を相談員に出すと、

相談員は「ある」という。

そして、どんな仕事にも外からははかりしれない、

ちょっと不思議な未知の世界があって―。

1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説。

 

 

 

(感想)

 

わずか1年の間で5つものお仕事を経験する主人公。

しかもどの仕事もちょっと変わった仕事なものだから、

実際に働いてみないとわからない不思議さがあり、

お仕事小説でありながら、

自分の知らない世界を旅するようなファンタジー性もあります。

ファンタジーっぽさが強すぎて、すっきりしない部分はあるものの、

横道にそれてしまっていた主人公が

最終的にはちゃんと自分の人生に戻って行ったから良しとします。

違う世界を見てみることによって、自分の居場所に気付くことってありますもんね。

 

あ〜、私、「おかきの袋の仕事」がしたいなぁ。

どこかの米菓メーカーで募集してないでしょうか??

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:46 | category: 作家名 た行 |
# 猿の見る夢
評価:
桐野 夏生
講談社
¥ 1,835
(2016-08-09)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 猿の見る夢 / 桐野夏生(講談社)

 

 評価 ☆☆☆

 

自分はかなりのクラスに属する人間だ。
大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。

実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。
そんな俺の人生の歪(ひず)みは、

社長のセクハラ問題と、あの女の出現から始まった――。
還暦、定年、老後――終わらない男”の姿を、現代社会を活写し続ける著者が衝撃的に描き切る!

 

 

 

(感想)

 

桐野夏生さんの小説は実際に起きた事件を下敷きにしてあったり、

現代の抱える社会問題をテーマにしていたりとリアルを感じるものが多いです。

しかし今作は自信過剰のバカなおっさんの人生が狂う様子を描いたもの。

どこかにリアルを感じられるものがあるのかな?と気にしながら読んだけど、

そんな要素は見当たらず、

ただひたすら「おっさん、ザマーミロやっ!」「地獄に堕ちろ!」と

主人公がおかしな方向へ転がっていくのを面白おかしく読んだ感じです。

ま、これまでの桐野作品に比べるとテーマは軽いと思います。

 

でも・・・まぁ、いくつになっては男は女が好きだろうし、

楽していいとこ取りたい狡さもせこさも人間らしいっちゃあ人間らしい。

男なんて実際はみーんなこんなもんだろうな。

そう思うとコイツに対する腹立たしさも滑稽に思えて憐みすら覚えますねw

 

さて、女の私はこの本にこんな感想を抱きましたが、

はたして男性はこの本を読んでどんなふうに感じるのでしょうかね?

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:40 | category:    桐野夏生 |
# また、同じ夢を見ていた

JUGEMテーマ:小説全般

 

 また、同じ夢を見ていた / 住野よる(双葉社)

 

 評価 ☆☆

 

学校に友達がいない“私”が出会ったのは手首に傷がある“南さん”。

とても格好いい“アバズレさん”。

一人暮らしの“おばあちゃん”。

そして、尻尾の短い“彼女”。

彼女たちの“幸せ"は、どこにあるのか。

やり直したい」ことがある、“今"がうまくいかない全ての人たちに送る物語。

 

 

 

(感想)

 

学校に友達のいない女の子が「幸せ」とは何かを探すお話。

最終的な着地点は悪くないんだけど、そこに至るまでが長すぎて退屈です。

3人のお友達の秘密も、似たような設定のお話を読んだことがあるような気がして

新鮮味がありません。

私にはちょっとファンタジーすぎるかな〜。

大人が読むお話じゃないと思います。

住野はるさん、とりあえず次も読んでみようとは思うけど、

ヘタしたら一発屋で終わっちゃいそう。

| comments(0) | trackbacks(0) | 09:10 | category:    住野よる |
# ポイズンドーター・ホーリーマザー

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ポイズンドーター・ホーリーマザー / 湊かなえ(光文社)

 

 評価 ☆☆☆

 

私はあなたの奴隷じゃない!母と娘。姉と妹。男と女--。

ままならない関係、鮮やかな反転、そしてまさかの結末。

あなたのまわりにもきっといる、愛しい愚か者たちが織りなすミステリー。

 

 

(感想)

 

受賞には至らなかったものの156回直木賞にノミネートされてた作品ということで、

久々に湊かなえさんを読んでみましたがやっぱり私には合わないなぁ。

読後にいや〜な気持ちしか残らない読書は、楽しくないもの・・・。

でも、最後の最後で今まで信じて思いこんできたものすべてが

一気にガラガラッと崩れちゃう快感・・・この手法はやはり見事です。

 

要するにひとつの出来事にしてみても、事実は1つとは限らなくて、

見る人によって感じ方や見方はまったく違うということ。

そして、傷ついて苦しんでいるというのはその人にとって事実なわけだし、

誰と比べたらマシとか、もっと苦しんでる人がいる・・・というのは説得力がない。

すべてがそれで納得できちゃう作品集でした。

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:45 | category:    湊かなえ |
# 恋するハンバーグ 佃 はじめ食堂

JUGEMテーマ:小説全般

 

 恋するハンバーグ 佃 はじめ食堂 / 山口恵以子(角川春樹事務所)

 

 評価 ☆☆☆

 

帝都ホテルで副料理長をしていた孝蔵は妻の一子と、

実家のある佃で洋食屋「はじめ食堂」をオープンさせた。
無銭飲食の客に親切にしたり、近所に泥棒が入ったり、

色々事件はありながらも、温かな常連客に囲まれて、今日も「はじめ食堂」は大にぎわい。
続々重版した『食堂のおばちゃん』の昭和を描く、最高に美味しくて、
人情味あふれる下町の洋食屋物語。巻末に著者のレシピ付き。

 

 

(感想)

 

少し前に読んだ「食堂のおばちゃん」のシリーズです。

「食堂のおばちゃん」ではお姑さんだった一子おばあちゃんが

若い頃にご主人と洋食店をやっていた頃のお話です。

 

昭和の下町人情物語といったかんじでしょうか。

極悪な人は登場せず、お店の人達と常連客のあたたかさにほっこりします。

一流ホテルで腕を磨いた凄腕シェフが下町の住民の舌に合わせた洋食ってどんなだろう。

出てくる料理がどれも美味しそうでたまりません〜。

この時代の洋食って、今以上の「特別感」があったのではないでしょうか?

「休日に家族でちょっとおしゃれして食べに行く」みたいな♪♪

そんな家族の光景を想像すると、それだけで幸せなイメージがむくむく湧きあがって、

こっちまで幸せな気分になれましたっ♪

 

今回も巻末にレシピがついています。

パッと見た感じでは手に入りにくい材料などは使っていないようなので、

ここから何か作ってみるのもいいかもしれません。

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:12 | category:    山口恵以子 |
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