隣り近所のココロ・読書編

本の虫・ともみの読書記録です。
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# ロンリネス
評価:
桐野夏生
光文社
¥ 1,728
(2018-05-31)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ロンリネス / 桐野夏生(光文社)

 

 個人的な評価 ☆☆

 

東京湾岸のタワマンに暮らす岩見有紗は、

夫とのトラブルを乗り越えたかに見えたが再びぎくしゃくしている。

そんななか、同じマンションに住む高梨と急接近。

ママ友でW不倫中の美雨ママに相談をするうちに、

有紗は高梨に強く惹かれていることに気づく――。

 

 

 

(感想)

 

桐野夏生さんの新作が図書館に入荷すれば必ずすべて借りてきます。

これも新着コーナーで見つけて内容も確認せずに借りて来たけど、

読み始めてすぐに「あの家族の話か・・・」と気づく。

そう、これは「ハピネス」の続編。

主人公の有紗には「ハピネス」でも全然共感できなかったけど、

今作でもまーったくわかんなかったです。

 

結婚してる身でも、素敵な異性を見つけたら素敵な人だな〜と思う。

だから私は不倫してる人をはっきりさっぱりと否定することはしません。

下手すりゃ明日は我が身かもしれませんからね・・・。

けど、それにしたって主人公の有紗ってどうなんだろう。

人に振り回されてばかりで、自分の意志がない人。

そーいうところを高梨みたいな男は嗅ぎ分ける。

それに気づけずに巻き込まれちゃうところが「ロンリネス」なんでしょうね。

相当、日々の暮らしにストレスや空虚感を抱えてるんだろうな。

数年ぶりに雄大に会い、思いがけずにいい時間を過ごせたというのに、

その足で不倫に直行〜!!はちょっと許せなかった。

このタイミングでそれはあってはならないでしょ。

けど、「馬鹿じゃねーの」と思いつつも、グイグイ読ませる。

これはやはり桐野さんの力量。ドロドロしたものを書かせたらやっぱりうまい。

けど、村山由佳の不倫モノとか読んでる私に言わせれば、

この不倫にはゾクゾクしなかった。ときめきも感じなかった。

このへんは作風の違いなんでしょうね。

 

んでも、人としていちばん理解不能だったのは、

有紗でも美雨ママでもなくて、栗原と由起子だったりします。

よくもまぁ、恥ずかしげもなく・・・。倫理も情もあったもんじゃないですね。

 

さんっざん文句を言ってるけど、次回作が出たらまた読むだろうな。

有紗の「本気の恋」とやらがどうなるか見届けたいです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:37 | category:    桐野夏生 |
# デートクレンジング
評価:
柚木 麻子
祥伝社
¥ 1,512
(2018-04-11)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 デートクレンジング / 柚木麻子(祥伝社)

 

 個人的な評価 ☆☆

 

喫茶店で働く佐知子には、

アイドルグループ「デートクレンジング」のマネージャーをする実花という親友がいる。
実花は自身もかつてアイドルを目指していた根っからのアイドルオタク。
何度も二人でライブを観に行ったけれど、

佐知子は隣で踊る実花よりも眩しく輝く女の子を見つけることは出来なかった。
しかし「デートクレンジング」が解散に追い込まれ、

実花は突然何かに追い立てられるように“婚活"を始める。
初めて親友が曝け出した脆さを前に、佐知子は大切なことを告げられずにいて……。
自分らしく生きたいと願うあなたに最高のエールを贈る書下ろし長編小説。

 

 

 

(感想)

 

わー、なんか「ベッタベタした女の友情」って感じがして、苦手でした。

人生楽しむ上で、みんななにかしらのオタクであることは、

絶対に必要なことだと思っている私だけど、

この主人公のような「私は親友のオタク」「親友が推し」なんつーのはほんと勘弁してほしい。

これって単純に友情ととらえていいのだろうか? 気持ち悪い!

 

「結婚・子育てをしてこそ一人前の大人」だとかそいうことで人を差別するのは、私もいや。

実際、自分はほんとは結婚なんてしたくもないのに、

周囲がうるさいからとか、一人前として認められたいからとか、

そんな焦りの気持ちで結婚に走ろうとする人、何人か見てきました。

だから実花の追い詰められていく感じはよーくわかる。

当人にかかってるプレッシャーは相当なもんだから、

「そんなんで幸せになれない」「やめた方がいい」なんて言っても聞く耳、持ちやしない。

 

だけど、そういう話と、女の友情と、オタクの話を絡ませるのはどうも無理があった。

なんだかピントが外れてるよーなもやっとした感じが残ります。

 

ちょっと今回の柚木さんはいまいちでした。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:36 | category:    柚木麻子 |
# 風は西から
評価:
村山 由佳
幻冬舎
¥ 1,728
(2018-03-27)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 風は西から / 村山由佳(幻冬舎)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

大手居酒屋チェーンに就職し、繁盛店の店長となり、

張り切って働いていた恋人が突然自ら命を絶ってしまった。

大手食品メーカー「銀のさじ」に務める千秋は、自分を責めた――。

なぜ、彼の辛さを分かってあげられなかったのか。

なぜ、彼からの「最後」の電話に心ない言葉を言ってしまったのか。

悲しみにくれながらも、健介の自殺は「労災」ではないのか、

その真相を突き止めることが健介のために、自分ができることではないか、と千秋は気づく。

そして、やはり、息子の死の真相を知りたいと願う健介の両親と共に、大企業を相手に戦うことを誓う。

小さな人間が秘めている「強さ」を描く、社会派エンターテインメント。

 

 

 

(感想)

 

なんの予備知識もなく、ただ村山由佳さんの本だからと読みはじめ・・・。

でもねー、読み始めてわりと早い段階で後悔。

この作品、ほんの少し読んだだけで展開がわかってしまいます。

誰だって、読み進めるにつれすんごく悲しくて、つらい展開が待っていると容易に想像できちゃいます。

読みたくない、きつい、読みたくない、投げ出しちゃう?

・・・そう自問自答しながらも、あまりのリアリティに目がそらせなかったです。

「村山さん、またエロい大人の小説なんだろうな」と思って読みはじめた私のばか!!!

こんな社会派の小説も書くんだなぁ。村山さんの新境地ですね。

 

ぶっちゃけ「過労死」の話です。

某有名チェーン居酒屋の店長が過労死したあの事件、あれをモチーフにしてるようです。

社長のカリスマ性に惹かれ(洗脳され)、正しい判断ができなくなり、追い詰められた末の死。

私は自殺するほどの勇気があるのなら、

会社なんてなんぼでも辞められると思うんだけど、

死ぬほどつらい思いをしている当人の中ではそういう次元の問題ではないのでしょうね。。

現実でもここまで追い詰められてる人、相当いるだろうな。

ただただ読むのがつらい小説でした・・・。

 

つーか。

こんなきっつい小説に民生の曲を引用しないでくれいっ(ノД`)・゜・。

自分の好きなアーティストが小説のなかに出てくるのは嬉しいことですが、

この小説に関してはファンも複雑。決して嬉しくはないでしょう。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:17 | category:    村山由佳 |
# ののはな通信
評価:
三浦 しをん
KADOKAWA
¥ 1,728
(2018-05-26)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ののはな通信 / 三浦しをん(角川書店)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。
庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、クールで毒舌なののと、
外交官の家に生まれ、天真爛漫で甘え上手のはな。
二人はなぜか気が合い、かけがえのない親友同士となる。
しかし、ののには秘密があった。いつしかはなに抱いた、友情以上の気持ち。
それを強烈に自覚し、ののは玉砕覚悟ではなに告白する。
不器用にはじまった、密やかな恋。
けれどある裏切りによって、少女たちの楽園は、音を立てて崩れはじめ……。

 

 

 

 

(感想) 

 

この作品は「はな」と「のの」という二人の女性の往復書簡でのみ構成されます。

彼女たちが高校生のときにはじまったやりとりは、

一時期は連絡をとらなくなるものの40代まで続きます。

しかし世の中は時とともに便利になり、40代のやり取りはなんとメールに!

 

辻仁成の「愛をください」、宮本輝の「錦繍」、湊かなえの「往復書簡」など

往復書簡スタイルの小説は意外と多いです。

メールやLINEが主流となった今、

手紙を書くことなんてめったになくなりましたねぇ。

返事がこないともどかしくて仕方ない・・・そんな気持ちは今の時代も昔も一緒。

でも、紙でしっかりと形の残る手紙は、やっぱりLINEやメールとは違う味わいがあります。

私も学生時代に友人たちとたくさんの手紙をやりとりしたな〜。

かわいいレターセットで郵送したものもあれば、

授業中にルーズリーフに書いて友人の席まで回してもらった手紙もある。

あの数えきれないほどたくさんの手紙はいったいどこにいっちゃったんだろう・・・。

実家を探せばあるのかなぁ。

 

はなとのののやり取りは、

二人が女子高の生徒だということもあり、はじめは百合っぽい雰囲気。

しかし、二人が大人になるにつれ、テーマはどんどん深くなる。

学生時代はののの方がしっかりしていて、

お嬢様育ちのはなをリードしていく感じでしたが、大人になるとその立場は逆転。

最後はすんごい境地にたどりつきますよ。序盤の俗っぽさはどこへやら・・・w

何十年と続く長いやり取りの末、

最後の最後は往復ではなくなってしまった手紙・・・それが切ない!

 

 

 

高校時代、ののがはなに宛てた手紙の愛や好意に関する一文が美しく、印象深かったです。

忘れたくないので、書き写しておきますね。

「本当に愛や好意は、もっとひそやかで深いものでしょう。

心を打ち明けたいけど、ためらってしまう。

自分の思いが相手を驚かせ、戸惑わせ、傷つけてしまう可能背があればあるほど、

愛は心の奥深くに埋めるほかない。

暗い土の中で爆発しそうに大きく育った愛を、必死に押し込めるほかない。

そういうものだと思うんだけど、ちがう?」

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:57 | category:    三浦しをん |
# もう一杯だけ飲んで帰ろう。
評価:
角田 光代,河野 丈洋
新潮社
¥ 1,404
(2017-11-30)

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 もう一杯だけ飲んで帰ろう。 / 角田光代 河野丈洋(新潮社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

ずっと別々に行っていた居酒屋に今は二人で一緒に。

旅先の味を求めてミャンマー料理を食べに。

近所の古本酒場で常連たちと盛り上がり、芝居を観た後は朝まで話し合う。

昼飲みの聖地ではしご酒、うまい魚を食べるためには電車に乗って。

ご近所から海外まで、今夜も夫婦で一杯飲みに。

読めばおかわり必至ごくごく読める楽しいエッセイ。

 

 

 

(感想)

 

作家の角田光代さんとご主人でミュージシャンの河野丈洋さんの共作。

おんなじ店のことをそれぞれの角度から描くという面白いスタイルのエッセイです。

同じ店で、同じ席で、同じもの食べてても書くことはこんなに違うもんなんですねw

しかも角田さんは肉好き、河野さんは魚好きで食の好みもまったく違う。

それなのに同じものを「おいしい!」と書いてたりすると、

これはほんとにそれほどうまいんだろうな〜としみじみ感じたりww

 

印象としては、

作家である角田さんの方があった出来事・感想をシンプルにまとめてて、

逆に文章を書くことが本業ではない河野さんの方が、

その場とはあまり関係のない話も絡めてエッセイを作りこんでいる。

その違いも面白いです。

 

残念なのはカラー写真がないこと。

そして、東京近郊のお店しか載ってなくて私には現実感がないこと、かな。

 

ちなみに私〜、

この本、図書館本じゃなく、自分で買った本なんですけど〜、

角田さんのトークショーに行ったときに購入したんです。

つまり・・・サイン本を持ってるんですよね〜うふふ〜。(しかも名前まで入れてもらって!!)

2ショット写真も撮ってもらったんですよ〜ふふふ。

大切にします☆彡

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:04 | category: アンソロジー、競作 |
# 冥の水底
評価:
朱川 湊人
講談社
¥ 1,944
(2014-10-29)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 冥の水底 / 朱川湊人(講談社)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、

首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。

彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。

時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。

マガチの青年シズクは、初恋の少女を忘れられず、彼女を追って東京で暮らし始めるが……。

一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。

 

 

 

(感想)

 

特殊能力を持つ異形の存在「マガチ」の一族は人間の世界に紛れ、

その能力に気づかれぬように暮らしている。

しかしマガチの少年が人間の女の子に恋をして・・・という純愛ホラー。

2段組でかなりのボリュームでしたが、

恋愛・ホラー・サスペンスといろんな要素の詰まった作品でした。

 

ネット上では「切ない」という感想を多く見かけましたが、

私はちょっと引いた・・・かな?

初恋の女の子を美化しすぎで、ここまで長い間思い続けるのは怖い。

これが人間じゃない人(人間じゃないんだから「人」っていうのもおかしいけど)だから切なく美しく思えるのかもしれないけど、

もしこれが人間だったら相当ヤバイ人。

そう思ってしまったら私はもうだめでした。これ、別の意味のホラーでしょ。

 

私が朱川さんに求めてるものは、こういうのではないです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:07 | category:    朱川湊人 |
# 彼方の友へ
評価:
伊吹 有喜
実業之日本社
¥ 1,836
(2017-11-17)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 彼方の友へ / 伊吹有喜(実業之日本社)

  

 個人的な評価 ☆☆☆☆

 

平成の老人施設でひとりまどろむ佐倉波津子に、赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。
「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。
そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった――
戦前、戦中、戦後という激動の時代に、
出版の世界で生きる波津子とそのまわりの人々を、
あたたかく、生き生きとした筆致で描く、著者の圧倒的飛躍作。

 

 

(感想)

 

健気で純粋な女の子が主人公。

大好きな雑誌を作る編集部で生き生きと生きているけど、戦争が世の中に暗い影を落とし・・・・って

まるで朝ドラみたいなストーリーでした。

 

戦争時代を描いているというだけで、

「人が死ぬんだな」「暗い展開になりそうだな」と思いがちですが、

この作品はそれを描きつつも、暗い・つらいだけではありません。

そんな時代にも美しいものを愛し、きらめきを失わない、

若い女の子のたちのきらきらが作中を明るく照らしています。

乙女のパワー、すさまじきww

こういう輝きのある作品、嫌いじゃないです。

でも回収しきれてない、

別になくてもいいような無駄な伏線が多すぎるのは気になります。

削る部分・しっかり書き込む部分・・・その選択と処理が荒いんですよね。

直木賞候補になってたようですが、これじゃあ受賞はさせられません。

 

作中に登場する少女向け雑誌は「恋愛」に絡む要素はあえて避けて作られています。

登場人物たちの恋心もさわやかに淡くしか描かれていません。

なのになぜか美蘭さんと有賀主筆のあの場面だけはなんだか妙に生々しく、

作中で気持ち悪いほど浮いていて・・・。

バランスの悪さを感じました。

 

悪くはないのにな〜。あと一歩のところで残念な印象の残る作品でした。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:50 | category: 作家名 あ行 |
# キラキラ共和国
評価:
小川 糸
幻冬舎
¥ 1,512
(2017-10-25)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 キラキラ共和国 / 小川糸(幻冬舎)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

ツバキ文具店は、今日も大繁盛です。

夫からの詫び状、憧れの文豪からの葉書、大切な人への最後の手紙…。

伝えたい思い、聞きたかった言葉、承ります。

『ツバキ文具店』待望の続編。

 

 

(感想)

 

「ツバキ文具店」の続編。

読み始めてすぐにわかるので書いちゃいますが、

ポッポちゃんはQPちゃんのお父さんと結婚しました。

今作は3人が少しづつ「家族」になっていくまでの物語です。

なので前作に比べると代書仕事の描写は少なく、

家族以外の鎌倉の人たち(バーバラ婦人・男爵・パンティーなど)の出番も控えめでした。

 

薄っぺらさが気になった前作に比べれば、人の心は丁寧に描かれてると思います。

家族に焦点を当て、前作よりまとまった印象も受けました。

特にほっこりのんびりな世界観の中でひときわ違う輝きを見せる

レディー・ババのどぎつい存在感がたまりません。

レディー・ババと守景家の3人の関係はどうなっていくんだろう・・・。

このままで済まされるわけないですよね?

続編、期待してます。

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:03 | category:    小川糸 |
# 探してるものはそう遠くはないのかもしれない

JUGEMテーマ:エッセイ

 

 探してるようなものはそう遠くはないのかもしれない / 新井見枝香(秀和システム)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

 

某有名書店のカリスマ書店員による初エッセイ。

「書店員が書いた心温まる本屋の話」ではなく、

37歳、独身、彼氏なし、そんな女のおかしくてちょっぴり痛いお話。

「会社員に向いてない」「結婚に向いてない」日常のエピソードが満載。

 

 

 

(感想)

 

新井見枝香さんは某有名書店にお勤めのカリスマ書店員です。

数か月前に「セブンルール」という番組でこの人を知り、興味を持ちました。

2014年から独自に選考する「新井賞」なるものを設立し、

芥川賞・直木賞と同日に発表してるらしく、

その過去の受賞作のラインナップが良かったのでこちらのエッセイも購入してみました。

 

カリスマ書店員が書いたからといって、書評本ではありません。

あくまで37歳の独身女性の日常を綴ったエッセイです。

まじめな話題は一切なく、とにかく「読者を笑わせたい!」という思いが伝わってきます。

とにっかく明るいです。

さすが多くの本を読んできただけあって、

この方は「面白い文章とはなにか」を知ってる。

それを書くスキルも持っている。

・・・でも、いくら有名な書店員さんだとしても所詮は素人さん。

「面白いでしょ」「私、カリスマなんだよ」感が気になるといえば気になります。

 

作中に何度もジェーン・スーさんの話題が出てきて、帯を書いてるのもジェーンさん。

こういうタイプの女性がジェーンさんを好きなのは当然。納得。

でも、ジェーンさんのエッセイに感じる「激しい共感」はこの本には感じません。

爆笑度もジェーン本よりは低め。

ここがプロと素人の違いなんだな、と。

 

けど、「新井賞」の受賞作はどれもいい作品なので、

この賞を今度も注目していきたいです。

(この機会に未読の受賞作も何冊か読みました☆彡)

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:11 | category: 作家名 あ行 |
# ツバキ文具店
評価:
小川 糸
幻冬舎
¥ 1,512
(2016-04-21)

JUGEMテーマ:小説全般

 

 ツバキ文具店 / 小川糸(幻冬舎)

 

 個人的な評価 ☆☆☆

 

言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。
家族、親友、恋人⋯⋯。
大切に想ってっているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。
鎌倉の山のふもとにある、
小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。
店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。
『食堂かたつむり』の著者が描く、鎌倉を舞台した物語。

 

 

 

(感想)

 

ほんわかとあたたかい気持ちにさせる小説・・・

おそらく著者はそういうものを書きたかったのでしょう。

鎌倉に実在するお店や美味しいものも登場し、

鎌倉のガイドブック的な役目も果たしてます。

こういう小説ってある特定のタイプの女性にはすごくウケるんでしょうね。

深いことを考えなければそこそこ楽しめる作品ではあると思います。

 

けど、「雰囲気だけ」なんだよな〜。

代書の依頼をしに来る人々にはそれぞれ深い理由があるはずなのに、

そこをまったく描いてないから読んでる方は消化不良。

著者が描きたいのは、「お客さん」ではなく

「主人公(鳩子)」の暮らしだからこうなるのだろうけど、

あまりにあっさりしすぎてて、人間や心の描写が少なすぎる。

先代と鳩子の関係も描き切れていません。

依頼人の心の奥底を深く理解しなければ代書屋さんなんてできるはずがない。

手紙供養の焚火で食べ物を焼いて食べる鳩子さん・・・代書屋としてありえんでしょう。

 

薄っぺらさを「鎌倉ってお洒落でしょ」「こういう暮らし、いいでしょ」ってごまかしてるような・・・。

たしかに表面的には素敵ではあるんだけど、人の心の本質はまったく描かれてない作品。

雰囲気は好きなだけに残念でなりません。

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:50 | category:    小川糸 |
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